Thous Windsについては以前も記事を書いていたのですが、2024年下半期、更新します。
なぜなら、Thous Windsが知らない間に格を上げていたっぽいので。
以前までにまとめた記事はこんな感じ↓
Thous Windsは中国のブランドです! ルミエールランタンに似ています! でも、ちょっと個性も出していますね!
くらいの温度感でした。
今はというと
あれ、ランタンメーカーとして、地位を確立してない?
え、アイロンストーブとかやり始めた?
え、テントまで?
しかもシルナイロン? え?クオリティ高くない?
…
とまあ、完全に日本市場におけるブランディングに成功したであろう、Thous Windsについて。
会社概要から詳しくまとめていけたらと思います。
【どこの国?】Thous Windsの会社概要
商標 | Thous Winds |
呼称 | ザウズウインズ,サウズウインズ |
権利者 | グァンツォウ ユテュオハオ スポート プロダクツ カンパニー リミテッド |
所在 | 中華人民共和国 |
ブランドの商標登録から確認しまして、Thous Windsは中国のブランドという事が分かります。
なんて読むかちょっと分かりづらいですが、Thous Windsの読み方はザウズウィンズで良さそうですね。
公式サイトは英語表記なので、グローバル展開を意識してのことでしょう。
ネイチャーハイクのようには日本向けHPはまだ出来ていませんでした。
取り扱いについては、SWAG GEARという所が正規取り扱い店のようですね。
なお、楽天にはSWAG GEARが入っているので、Amazonよりもラインナップも多く見やすい感じです。
ここからThous Windsの製品を見ていきながら、格が上がった事について考察できたらと思います。
ガスランタン
初認知したころは、この辺りが有力商品でした。
キャンプブーム全盛期という事もあり、コールマンのルミエールとか、スノピのノクターンなんかが手軽で人気だった頃です。
ですがこの頃から既に、模様のバリエーションを持つなど、ルミエールとの差別化も図っていました。
価格もあちらよりも安いですので、Thous Winds製の方がよくない?
ってなった人も居るはず。
そもそもコールマンのルミエールも中国製なので、もしかしてOEM元の工場がThous Windsを作ったんじゃないか?説。
品質は多分同じ。
オイルランタン
ガスランタンの次は、たしかオイルランタンが流行りました。
FeuerhandとDIETZのハリケーンランタンが品薄になり、転売価格となり、国内外から模造品が次々と遅れて増産。
その頃からしれっとThous Winds製のランタンも存在。
今までアンティーク品しか存在しなかった小型ハリケーンランタンも、市場にニーズが求められました。
それに従って、Thous Windsもちゃんと小型ハリケーンランタンをリリース。
奇抜になりすぎないように、いい具合に個性を出したデザインで。
ラピュタの「パズーランタン」で注目を浴びた、真鍮風ランタンも展開。
ニーズに合わせた展開が非常に上手いです。
ゴールゼロのパクリみたいなの
Thous Windsと検索すると、「Thous Winds パクリ」というキーワードが出てきます。
ハリケーンランタンとかもありますが、多分ゴールゼロの事かと思いますね(後述のニンジャテント風も)。
ここで中国製品とパクリについて、フラットな目線で解説しますね。
やや話は逸れますが、よければどうぞ!
パクリという中国の強気文化
日本企業はなかなかパクリに踏み出せません。
というのも、パクリ=企業の信頼を低下させる、ためです。
一方で中国企業はパクれます。
これは文化の違いでもあり、次に解説するマーケティングの違いでもあります。
コスパとクオリティを売りにしている
例えばネイチャーハイクが分かりやすいですが、中国ブランドは「コスパ」を売りにしますよね。
しかもそれらは実際に、ちゃんとクオリティが高い物が多いです。
なにせコストがかかってくる要員の多くが、流通コストなものなので。
中国工場でほとんどのアウトドア用品を作っている現状、クオリティの割に一番安いのはどうしても中国ブランドになります。
「俺たちが一番安く、良いものが作れるから」
実際に製品のコスパが良い以上、購入者的にも有難いので(笑)
法は犯していない
そしてもう一つ、パクリといっても法は犯していません。
製品のデザインが酷似している場合、通常は不正競争防止法という法律にて守られます。
これに触る場合は意義を唱えられますし、Amazonで販売されていても消されます。
ただし、それは3年まで。
保護期間が長すぎると公正な競争を害し、開発者の利益の保護が過度になる可能性があるため、通常のデザインコストの回収期間なども考慮して3年という比較的短い期間が定められています。
不正競争防止法 第二条 AI要約より
それを過ぎたらたとえ丸パクリでも何も言えないのですよね。
一番分かりやすいのが、ピコグリルの効力が終わったころに、パチグリルが量産されたことでしょう。
ゴールゼロは3年経ってない?
って思いますが、まるパクリじゃなければOKというか、グレーなところはあります。
確かに基本は似ていますが、Thous Windsなりの特色は出しています。
これに対してゴールゼロ側がどう扱うかにもよるのですが、まあなんともなかったという事でしょう。
この、パクリかパクリじゃないかの境界線、非常にグレーなところを攻めるのが中華ブランドは上手です。
そもそも売れている商品を参考に作りますし、製品開発のスピードも非常にリニアです。
ゆえにパクリって言われるのですよね(笑)
良く言えばマーケティングが上手で、製品開発のスピードも速いのが中華ブランドですね。
日本企業よりもライバル視されにくい、突っ込まれにくい分、グレーなところを攻めやすいという訳です。
テント(ニンジャテントのパクリ的な?)
いつ頃から参入したのかは謎ですが、知らない間にテントでも知名度を上げていました。
というか、完成度が非常に高い。
ですがこのテントもどこかで見た事があるようなデザインで、それも相まって話題性にもなっている気がしますね。
本家が在庫難だったのも影響したことでしょう。
ですが、ただデザインだけパクって、よくあるPU素材で適当に作ったんだったらまだ分かります。
シルナイロンという縫製難易度が高い素材を使いつつ、この完成度に仕上げてくるから驚きです。
もしかしたら、中国国内の工場では、既にシルナイロンを縫製する技術と機械が確立されたのかもしれませんね。
いずれにせよ、本家もびっくりの完成度。
こうなってくると中国ブランドも無視できなくなってきて、あとはロゴくらいしか差別化出来なくなってきます。
取って付けたテントではなく、どうやらThous windsはテント市場も本気のようですね。
他のテントも良さげ
軽量ワンポール
使いやすいキャンプ系テントなど、どれもクオリティは高いです。
製品展開数も多いので、ここ数年でかなりの力を付けた事も見て取れますね。
ただ、Thous winds のテントは中華にしてはちょっと高いです。
ポイントとなってきそうなのは、多分Thous windsは高級路線を狙っているものと思われます。
スノピみたいなの(チタン系)
これにはもう、ビックリですよね(笑)
もはやスノーピークです。
Thous windsが睨むライバルが見えてきました。
価格もかなりの強気価格。
チタンをメインに扱う中華ブランドには、Boundless voyageやCOOK’N’ESCAPEがありますが、明らかに超えちゃった感がありますね。
なんならスノピも超えてしまった感…
なんですか、このチタン加工は…
テントが中国に抜かされるのは工場の所在的に頷けますが、我らが燕三条を抜かしたらあかんですってwww
チタンマグに関しても、デザイン的にもスノピと好みが二分しそうなくらい。
もちろんスタッキング可能で、しかも蓋つき…
これに関しては、次買うチタンマグが完全に決まった感じです。
アイロンストーブ
アウトドアブーム末期、ひっそりたしなむガチキャンパーから注目されたアイロンストーブ。
ニーズに応じてちゃんとこちらもラインナップです。
構造的に簡単なので、そりゃあ作りますって…
- 重厚な作り
- ロマン
- 想像以上に満足
とまあ、こちらのアイロンストーブもかなりの評判ですね。
スノピみたいなの(2)
これはもう、完全に意識してませんか?(笑)
そうなってくると、この辺りも意識しているようにも感じます。
ただ、Thous windsもロゴが渋くてイイ感じなので、人気が落ちてきちゃったスノピよりもいい気がしてきました。
刃物は切れ味も意識したいのでアレですが、デザイン的にはカッコいいです。
実用性はどうなのでしょう?
スノーピークを意識しているっぽいとはいえ、Thous windsの木製製品も結構カッコいいものが多いです。
テーブル
テーブル系も結構イイ感じです。
完全なパクリブランドでは無く、ちゃんと自社デザインの製品を作ってくる辺りは好感ですね。
Soomloomのような完全模倣ブランドには無い、Thous windsがブランド的に魅力的な理由かもしれません。
Soomloomも好きですがね!
このテーブルも面白いです↓
オレゴニアンキャンパーみたいの
これに関しても、ぶっちゃけロゴが好みなので、オレゴニアンキャンパーより好きかも。
格が上がっていたThous winds
とまあ、完全にThous windsの格は一つ二つ段階に上がっていましたね。
SWAG GEARという正規代理店が入ったことで、日本市場にも活発になったことも理由になりそうです。
明らかに狙っている市場は日本であり、スノーピーク・パーゴワークス・オレゴニアンキャンパーなど、日本で人気が出たブランドを意識しているようですね。
パクリと言われればそうですが、完全にそうとも言えない。
なんなら本家超えのクオリティを持っているから、もはやぐうの音も出ない状態になっています。
面白いので、これからもこのブランドを追っかけてみることとします!
商品数はAmazonよりも楽天の方が多いかもしれません。