2023年11月21日、中国深センに本社を置くInsta360は、新型のアクションカメラ2種を発表。
これはただ、
Insta360がアクションカメラを出したよ!
へー、ぱちぱち!!
と、簡単には許されない内容。
その内容が衝撃すぎて、以下に詳細を記します。
衝撃のアクションカメラを
発売してしまった
先日、僕は以下の記事で、「解像度のインフレ」と「Insta360の好調」について触れました。
カンタンにまとめればこうだ。
アクションカメラの性能も伸び悩んでいるよね。
今のところ、GoPro・Insta360・DJIは横並びだよね。
GoProは株価落としてるし、HEROだけだし、頑張らないとだよね。その点DJIはドローンあるから製品の種類も余裕だよね。Insta360もノッて来てるよね。
アクションカメラ業界で一番元気良さげなのはInsta360だよね。
要約するとこんな感じの記事を書きました。
元気が良いのは分かるけども。
今がチャンスなのは分かるけども。
しかしInsta360は、今シーズンで業界荒らしの製品を出してしまったようです(笑)
…
凄く気になるので、まずはAce Proから性能をまとめてみましょう。
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※一部無料特典はリンクから公式サイトに移動して頂いた場合に適応となります。詳しくは下記記事をご参照ください↓
すべてを「過去」にする性能
Ace Pro | HERO 12 | Osmo Action | |
---|---|---|---|
センサーサイズ | 1/1.3インチ | 1/1.9インチ | 1/1.3インチ |
レンズ | ライカレンズ | (記載なし) | (記載なし) |
最大解像度 | 8k | 5.3k | 4k |
F値 | F2.6 | F2.8 | F2.8 |
スロー性能 | 4k/120fps | 4k/120fps | 4k/120fps |
耐水性 | 10m | 10m | 18m |
モニター | フリップ可能 | 不動 | 不動 |
マウント | クイックリリース | ネジ固定 | クイックリリース |
重さ | 179.8g | 154g | 145g |
Insta360が出したカメラは、Ace Proという過去最強のアクションカメラ。
特に暗所性能に力を入れているようですが、暗所性能が高いというのはカメラそのものの性能が高いのとほぼ同義。
主張の裏付けはきちんとあるようで、ほぼ全ての項目において、過去の性能を大きく塗り替えました。
Insta360 Ace Pro 公式サイトリンク
無料特典付き
ライカと共同開発したレンズ
Insta360の上位機種には、ちょくちょくライカと共同開発した高級レンズが使われます。
今回のAce Proもライカレンズ。
みなさま、ライカの事をご存じなければ、一度「ライカ」と検索してみてください。
関連するワードには、「ライカ カメラ 値段」「ライカはなぜ高い」などが出てくると思います。
ライカはドイツで100年以上の歴史を持つ、超精密レンズのメーカーなのですが、制作の手間と流通の圧倒的少なさが、例外的な価格の理由。
ひとことで言うと、レンズオタクが買う、いわばブルジョワレンズ。
Insta360は、そんなライカと共同開発しているレンズを使ってくるので、そりゃあ優秀よねってところです。
余談ですが、Insta360は開発チームに相当な人員を割いているとの事。
いずれにせよ、普通のアクションカメラでは出せない表現が、Ace Proでは期待できそうです。
1/1.3インチセンサー
Ace Pro | HERO 12 | Osmo Action 4 |
---|---|---|
1/1.3 | 1/1.9 | 1/1.3 |
センサーサイズは、アクションカメラ最高到達点の1/1.3インチセンサーに上げてきました。
1/1.3インチセンサーを分かりやすく例えると、iPhone 15 Proが同じく1/1.3インチセンサー。
つまり、ベースのスペックを携帯端末最強レベルに揃えてきた、という事。
ところでアクションカメラ一番の弱点は、暗所での画がイマイチだったという事を、僕は感じています。
と言うのも、どうしてもセンサーサイズの小ささが足を引っ張っていました。
アクションカメラはどうしても小型という性能上、センサーサイズが小さいがゆえに暗所性能が悪いです。
フルサイズと言われる20万円以上するカメラが綺麗なのは、センサーサイズの影響が一番大きいですね。
いずれにせよ、レンズとセンサーサイズという画質を構成する二大要素において、Insta360はトップに立ったと言えそう。
光量の強い太陽でしたが、影部分もつぶれることなく再現していますね。
余談ですが、一部で1インチセンサーが期待されていたHERO12は、1/1.9とHERO 11と同じでした。
これには残念がる声もちらほらと聞かれましたね。
アクションカメラの代表格だったGoProは、2社から挑戦状を受ける形に。
こうなってくると、来年以降の GoPro HERO 13 の動きが気になってきます。
AIによるさらなる暗所性能向上【Pure Video】
と、ここまで散々ハード面を紹介してきましたが、Insta360のウリはどうやらチップ(AI)にもあるよう。
チップとは「コントラスト」「明るさ」「シャープネス」「ホワイトバランス」など、画質に関わる要素を調整する機能を持ちます。
iPhoneが小さいレンズとセンサーでも画質が綺麗なのは、「チップの性能が良い・ノウハウがある」ためとも言われます。
それほどチップは画質に影響を及ぼし、今回 Insta360 も、本気のAIチップを用意してきました。
その性能一つが、Pure Videoという機能。
360度カメラのONE RSやX3、小型アクションカメラのGO 3では、Pure Shotという写真をAIで綺麗に表現する機能として、以前より備わっていました。
それがコレ(スワイプで左右できます)
ONE RSで、暗めの林間を撮影した写真。
逆光という悪条件下で、明暗ある写真が綺麗に表現されていますね。
続いてGO 3で撮影した星空。
長時間露光によるノイズも上手く消し去り、星がより際立ちました。
このように、Pure Shotは暗所に特に強い写真という役割を担っていました。
もちろんチップがAIで勝手に行ってくれるので、写真編集の必要はありません。
どうやらAce Proでは、Pure Videoに進化。
AIによる自動動画編集機能という事になりそうです。
センサーサイズの大型化により、多くの光を取り込み、さらにAI処理による暗所性能向上。
高級レンズが使われることで、業界トップクラスの画質なのは間違いなさそうです。
↑早速レビュー記事を作りましたので、参考にしてください。
【スクリーン&マグネット】使いやすさにも抜かりなく
Ace Pro | HERO 12 | Osmo Action |
---|---|---|
クイックリリース &ネジ固定 | ネジ固定 | クイックリリース |
Ace Proでは、このクラスのアクションカメラ初の、フリップスクリーンを搭載させてきました。
これは同社の小型アクションカメラである、GO 3と同じ仕組み。
おそらく評判が良かったのでしょう。
実際僕もGO 3で使っていますが、Ace Proではさらに、フリップスクリーンの使いどころは増えそうな気もします。
というのも、Ace Proのセンサーサイズとレンズであれば、画質にかなり期待が出来るからです。
これまでのアクションカメラ以上に、自撮りやローアングルでの撮影が増えることでしょう。
可動式のスクリーンってのは、耐久性的にどうなんだ?
というイメージがあるかと思いますが、前作のGO 3で個人的には悪いイメージを持ちませんでした。
通常時は本体と綺麗に密着しているので、可動部で壊れる心配はないと感じています。
可動部が壊れるくらいの衝撃なら、どのアクションカメラもモニターやレンズが割れるはずです。
そしてもう一つ、使いやすさに直結するハード面が。
それがこのクイックリリースマウント。
マグネットと自動ロックシステムで、吸い寄せられるようなワンタッチ脱着が可能。
GO 3でおそらく評判が良かったのでしょう、Ace Proにも反映してきました。
ここで、チネジによる強固な固定を貫くGoProとの、使いやすさでも差別化を図ってきました。
クイックリリースマウントはまた、Insta360の他の製品との互換性もあります。
といっても、所詮はクイックリリース。
強固な固定制で言うと、従来のGoProのようなネジ固定には敵いません。
ですがそこはやはりProの名を冠するアクションカメラです。
従来のネジ式マウントと、クイックリリースマウントは、場面に応じて使い分けられる仕様に。
クイックリリースマウント一択を選んだDJIとも、ここで差別化を図りました。
これにてAce Proは、普段使いと本格アクションの両方に通用するアクションカメラの立ち位置を狙ってきました。
圧倒的性能による画質
AIによるワンタップ自動編集能力
可動モニターによる汎用性
選べるマウントによる適応
ハード面・内部処理・アクセサリーの三点で、他を圧倒するアクションカメラになってしまいました。
Insta360 Ace Pro 公式サイトリンク
無料特典付き
唯一差別化を図るDJI
Ace Pro | HERO 12 | Osmo Action |
---|---|---|
10m防水 | 10m防水 | 18m防水 |
Insta360はセンサーサイズとレンズの強化により、画質の面で完全にトップに立つ状態に。
一方DJIのOsmo Actionには、防水性という対抗手段が残されています。
Osmo Action 4のみ防水性は18mと、防水ケースなしで他を圧倒する水深を示しますね。
ドローン産業が活発化することが予測されるDJIは、投資資金にも余裕があることを予測しています。
今後どのようにアクションカメラに反映させてくるのか、個人的にも楽しみです。
余談となりましたね。
心配なのが価格(まさかの結果)
とまあ、ここまでブッチギリの性能を見せつけられましたが、そうそううまい話があるわけが無いですよね。
実はAce Proは、AceシリーズのPro版という位置づけ。
ライカレンズでも無い、8kでもない、廉価版のAceも同時に発売されています。
その時点で、僕は圧倒的高価格を覚悟しました。
ONE RSの上位モデルにして、一般用360度カメラの最高峰である、RS 1-Inchモデル。
コチラ単体で118,800円、セール時でも10万円を切ったことはありません。
しかもInsta360はただいま絶好調のノリノリ企業。
HERO6に値下げを余儀なくされた後、弱気な価格設定を続けるGoPro。
それに対して Insta360 は、2023年にGO3 を 57,500円という強気価格で出してきています。
Ace Proも100,000円は無いにしろ、僕は8-9万円を覚悟しました。
Ace Pro | Ace | HERO 12 | Osmo Action |
---|---|---|---|
67,800円 | 55,000円 | 62.800円 | 58.300円 |
提示された価格67,800円。
Insta360における売れ筋トップ製品のX3と、同等それ以下という、あまりに拍子抜けするような価格設定。
Aceが55,000円なのを考えると、個人的にはAce Pro一択だなという印象を受けました。
そう、Insta360から見透かされている、印象操作をされているかのような気すらしてきます(笑)
実際この性能差なら、Ace Proの方がお得だと思います。
ユーザーの意見を反映する姿勢も
Insta360を使っていて気持ちが良いのは、なにもカメラに限った事ではありません。
それはアプリの調子がすこぶる良い事。
GoProアプリもサブスク契約(年間6000円)していますが、接続がなかなか悪い。
HERO12でようやく、アプリ接続を1.5倍速く改善したとのことですが、、、
ようやくか、、、
という印象を受けました。
一方Insta360は、0円端末でも編集できるほどアプリは軽く、360度動画の編集もワンタップで簡単。
それに加え、今回のアプリアップデートによるものか、バックグラウンドで動画がかき出し可能に。
つまり、長々と待たなくても、Youtubeとかを見ながら動画の書き出しが終わっているという事。
途中で止まったり、ダウンロードに数分待ったり、、、
地味にストレスのたまる作業からお別れかと思うと、済々しますね(笑)
それに加えAceシリーズでは、動画の録画キャンセルが使えます。
実に仕組みは簡単で、大した革命でもありません。
なのになぜ、こんなに嬉しいのでしょう(笑)
アクションカメラでも、iPhoneでもandroidでも同じ。逆になぜこの機能を今まで付けなかったのでしょうか?
写真と思ったら、間違えて録画だった。
録画開始したけど、セリフを間違えた。
カッコつけてアクションしてみたけど、ちゃんと失敗した。
録画キャンセルをしたい場面など、いくらでも見つかるだろうに。
こうして僕らは、わざわざフォルダの中身を圧迫する必要は無くなるのです。
革新的な事をしてくるくせに、ユーザビリティを一製品ごとに更新してくる、Insta360の企業姿勢。
やってくれます。
間違いなく業界をかき乱した
何度も言ってしまうが、とにかくライカのレンズはヤバイです。
それに加えてiPhone 15 Proに並ぶセンサーサイズを有し、AIによる自動編集能力も強化。
ハード面とソフト面における、完成形ともいえる性能を搭載したAce Proは、Insta360渾身の力作と言える。
iPhone Pro 15 が159,800円~なのを考えると、67,800円という価格設定も、案外妥当以上と言えるのではなかろうか。
おそらく今後、他社が新型アクションカメラを出したとて、何かしらの差別化を図らなければ、Ace Proと比べられてしまうのは明白。
2010年に日本で発売以来、13年間アクションカメラのトップに君臨し続けたGoPro。
DJIは耐水耐久性に優れるが、やはり画質を重視される昨今の風潮に今後添えるか。
Ace Proの登場により、アクションカメラの勢力図がリセットされた今、3社のこれからの戦略が楽しみだ。