雪山登山に使うアウター
その名もハードシェル
高いですよね…
雪山登山をしたいのですが
レインコートで代用ってできませんか?
ぶっちゃけ、こんな質問は多いと思います。
僕もその一人でした。
答えは、入門編の山であればレインコートで代用ができてしまう。
ですが、森林限界を超えるような厳冬期登山と、泊まりの雪山では代用はやめましょう。
です。
まずは両者の違いを見てみましょう。
ハードシェルとレインコートの違い
ハードシェル | レインコート | |
---|---|---|
防水・透湿性 | 不利 | 有利 |
収納性 | 低い(大きくて邪魔) | 高い(コンパクト) |
耐久性 | 丈夫 | 弱い |
保温性 | 高い | 低い |
素材 | サラサラ | つるつる |
防水・透湿性
レインウェアに軍配が上がります。
ヒントは生地の質感と厚みにあります。
レインウェアが薄くてシャカシャカ、つるつるとしているのに対して
ハードシェルは厚みがあり、サラサラとしています。

表面がつるつるしているレインウェアは、水をはじきやすく、水を含みにくいため、透湿性が低下しにくいです。
その反面、ハードシェルは、サラサラとしているため、水分を乗せやすいです(使用してきて体感)。
特に、使用による撥水性の低下で、より水を含みやすくなってきます。
水を含むということは、透湿性は低下します。
相手が雪なので、そこまで水を含まないように思いますが
春の残雪などべたべたした雪などは、思ったより濡れやすいです。
収納性
厚みがあるので当然ですが、ハードシェルは収納に困ります。
というか、パッキングどころじゃないレベルです(笑)
耐久性
厚みがある分、ハードシェルが丈夫です。
名前の由来にもなっていますね。
耐久性が重要になるのは、アイゼンやピッケルで穴をあけてしまう可能性があるため。
ハードシェルは万一穴をあけても、小さい穴で済むことが多いので、リペアシートで補修が可能です。
レインウェアは薄いので破れてしまいそうです。
保温性
とても重要な項目です。
ハードシェルは、厚みがあるので、裏起毛がなくても結構暖かいです。
むしろ暑いので、行動中や天気の良い日ははっきりいって必要がないです。
ですが、3000mに近いような冬山の稜線や悪天候ではかなり心強いです。
レインウェアでは心もとないですね。
素材
レインウェアはつるつるとしていますね。
撥水性には有利だと前述しました。
ハードシェルはなぜさらさらとしているか。
それは、滑落した場合に加速してしまわないように。
です。
滑落の危険がない雪山(スノーシューハイク)では、この素材は必要がないということです。
逆に、稜線を歩くならば必要な機能ですね。
その他の違い
手袋仕様


「寒い時は首(の付く場所)を守れ」と言いますが
ハードシェルは手首を覆いやすくなっています。
冬山のグローブは大きいので、レインウェアだと不格好で手首も寒いです。
ヘルメット仕様

過酷な環境を意識しているので
ベンチレーション
レインウェアと違い、晴れていても着ていることが多いハードシェル
行動中は暑くなりやすいので、脇やポケット部分に風を通しやすいようにジッパーが用意されていることが多いです。
パウダーガード

スノーボードジャケットで見たことがある方はいると思います。
裾から雪が入ってこないように、ゴムとボタンで裾をガードできるようになっています。
スノーボードやバックカントリーをしない方にメリットはないかと思われがちですが
これがあることによって、思いのほかお腹が暖かいというメリットがありますね。
ハードシェルまとめ
ここまで読んで頂いた方はわかるかと思いますが
手のひらを反すようですが
実質、雪山登山でレインウェアの代用はかなり限られるということです。
条件がそろえば、着る必要さえない服だったりするので、レインウェアを持って行った方がいい
なんてこともありますが
森林限界を超える場所は
天候悪化・稜線の風による体温低下・滑落の危険を含みます。
自分が行く場所に応じて、ハードシェルの購入を検討しましょう!
そして、ハードシェルは、ジャケット感があって、かっこいいです!
オススメハードシェル
そこで、オススメのハードシェルを、各メーカーで紹介しようと思います。
自分はマウンテンハードウェアのものを購入しましたが
購入を検討したものや、現在買い替えを検討しているものもあります。
ミレー ティフォン 50000 ウォームストレッチジャケット
50000mmの圧倒的透湿性能
いきなり大本命
おそらく僕はこれを追加購入します。
※2022 1月に追加購入いたしました。
ミレーの服は何度か着ていますが、日本人の服のサイズ感と似ており、多少肩幅の広い方でもゆとりをもって着られる。
丈・袖・身幅のバランスは、きっとマッチします。
性能によほどの自信があるのか、ベンチレーションがありません。
生地のストレッチ性にファスナーが邪魔をしませんね。余計なものがないことは、壊れる心配も減りますね。
他メーカーに少ないアースカラーも採用していることで、丁度よいサイズ感も相まって、普段着としてもオシャレに着こなせそうです。
マウンテンハードウェア コヒージョンジャケット
他とメーカー被りしにくく、ネジのロゴがカッコいい
私も愛用しているマウンテンハードウェアの製品。
ゴアテックスではなく、ドライQというマウンテンハードウェアの独自素材を使用しています。
名前のごとく、透湿性能をより意識しているようで、確か透湿性は30000とか謳っている商品もあります。
もちろん、冬山の雪程度であれば、防水性は問題なしです。
ただし、マウンテンハードウェアはアメリカンサイズです。
S→M M→Lだと思ってよいです。中に中綿のジャケットをレイヤリングするとしても、ワンサイズ下を購入すると良いです。
もちろんベンチレーションやパウダーガードは存在します。
パタゴニア スノーショットジャケット
細身のデザインで、オシャレキャンパー、クールなクライマーに人気
僕もパタゴニア製品に憧れて購入したこともありますが
裾や袖の長さの割に、肩幅が狭めです。
ミレーやマウンテンハードウェアと比べると、長身・細身の方にお勧めしたいメーカーですね
こちらもベンチレーションやパウダーガードはありますね。
モンベル ストリームパーカ
コスパと性能と安心感で定評がある
ここらで息継ぎをしましょうか(笑)
コスパ最強のモンベルからも、もちろんラインナップされています。
ゴアテックス・パウダーガード・ベンチレーション
といった、完璧な布陣です。
ゴアテックスを用いるモデルは、GORE社に対して金銭が発生するので高価になりやすいですが
そこはさすがはモンベル
価格をよく抑えてくれます。
体系も日本人仕様
モンベルの製品は、他のメーカーに比べて経年劣化しにくい印象にあります。