
雪山登山も暑い人、挙手!!



厚手のミドルレイヤーにウンザリした人挙手!!



秋冬にちょうど良いくらいのを探している人、挙手ッ!
どうも!悪天候では山に登らない派の、たなりょうです!(→instagram)
今回はミドルレイヤー特集!
雪山や秋冬のレイヤリング、考察や迷走の末ようやくたどり着いた「ミドルレイヤーを薄くしよう」という結論
おそらく僕と同じように、雪山でも歩けば案外暑いな…
こう考えるようになった方は多いはず。
そんなあなた方に向けた、薄手のミドルレイヤー選びの支援記事になります。
ミドルレイヤーは暑い


初心者のころ、イメージしていた晩秋や冬の登山っていうのはどんなでした?
寒くて危険で、厳冬期なんかは極寒の世界…
そんな風に思っていたでしょう。
もちろんそれは今でも間違いはありません。
ところが慣れてきた今は、どうでしょう?



え、
冬の登山も、思ったより暑くね?



ハードシェル脱いでいい?
ていうかこれ(ミドルレイヤー)も脱いでいい?
思ったことのない方はご退場ください(笑)
少なからず僕は、雪山でも暑いと感じることがあります。
だけど問題が一つ。
だからといって脱ぐと寒い!!
朝一とか寒すぎんよ!!



ちょうどイイのが欲しいんや…
ってことで、ここでは程よく保温性が得られる、薄手のミドルレイヤーをどんどん紹介します!
まずはミドルレイヤーについておさらい!


雪山のレイヤリングでは、インナー・ミドルレイヤー・アウターに、ざっくりと分けられますね。
インナーはが写真の左2つ。
ドライナミックだとか、ジオラインだとか。
ミドルレイヤー茶色いやつ。
これから取り扱うやつで、最近流行りの移り変わりが激しいです。
アウターはハードシェルですね。
今回はそのミドルレイヤーの話です。
ミドルレイヤーの重要な役割


ミドルレイヤーは、保温の要です。
ここをまず、忘れてはいけません。
インナーはずっと着っぱなし。
アウターは例外を除き、ただのシェル(耐水防風)です。
そんな保温の要であるミドルレイヤー。
最近流行りが変わりつつあると言いましたが、より動きやすく、より通気性が優れる方へ好みが移ってきています。


おそらく多くの人が、雪山でも保温性よりアクティブさを求めるようになってきたのでしょう。
そんな昨今のトレンドは、「アクティブインサレーション」
おそらく僕たち、貴方たちが求めている、より通気性のある快適なミドルレイヤーです。
ここではそんな、アクティブインサレーションを中心として、薄手のミドルレイヤーを紹介していきます!
アクティブインサレーションのおすすめ


昨今のミドルレイヤーのトレンドである、アクティブインサレーション。
この波に乗っかって、ミドルレイヤーはフリースからインサレーションにどんどん取って代わり始めました。
何よりの利点は、単体使用が可能なこと。
起毛しているフリースは、どうしても雨に弱く、雪もくっついていました。


ですがインサレーションのシェルは撥水。
ハードシェルまでとは言いませんが、極薄ソフトシェルのような役割も果たします。
それでいて通気性も良好。
保温性軽量性もフリースに勝るものも。



サラっとしっとり気持ち良いのもインサレーション。
静電気も弱いです。
はっきり言って、アクティブインサレーションに勝るもの無し。
です。
パタゴニア ナノパフ


薄手というにはちょっと保温性が高めですが、まずは定番品なのでベースを作りがてら紹介します。
フリースの大定番「R2ジャケット」は2021年に廃盤となってしまいましたが、ナノパフがR2の後釜を担うと思っています。
マイクロパフよりも高い耐久性、ナノエアより高い保温性を持ち、パタゴニアの化繊シリーズの中で最もバランスの取れたナノパフ。
生地 | 重量 | 特徴 | |
---|---|---|---|
マイクロパフ | 10D | 303g | 超軽量 |
ナノパフ | 20D | 337g | バランス |
ナノエア | ナノパフ以上? | 318g | 通気性 |
ただしどうしても乗り越えなければいけない壁が。



それが、価格やねん。
パタゴニアは製品を作る人たちへ、フェアトレード的に賃金を払っています。
環境への取り組みなども積極的に行う、そんなパタゴニアは、決してコスパが良いとは言えません。
ですが、価格の壁を乗り越えた先に、最強のスペックが手に入ることでしょう。
ガンガン歩けば暑くないとは言えないが、汗ばむほどではない。
かといって通気性は良いため、長時間の休憩においても寒さをしのげる。
ミドルレイヤーに暑さを感じていた人には、ややスペックオーバーを感じるかもしれません。
それでも一枚羽織り続けていれば、歩いていても休んでいても快適な状態を保てる。
ハードシェルなしで、一枚完結することも。
それはきっと、長く使える相棒となってくれること!
ちなみにマイクロパフは、軽量化に振り切ったモデル。
重量対保温性は、ダウンのそれを上回るとさえ言われます。
パタゴニア ナノエア


パタゴニアの化繊3兄妹のうち、通気性担当のナノエア氏。
マイクロパフに迫る軽量性ながら、耐久性はおそらくナノパフ以上(生地オンスの関係から)。
生地 | 重量 | 特徴 | |
---|---|---|---|
マイクロパフ | 10D | 303g | 超軽量 |
ナノパフ | 20D | 337g | バランス |
ナノエア | ナノパフ以上? | 318g | 通気性 |
それでいて、3兄妹のうち通気性のパラメーターはブッチギリ。
シームレス生地も採用しており、ストレッチ性も3兄妹トップ。
公式サイトの説明からとらえるに、おそらく保温性は少し劣ると考えられます。
極限まで軽さを求めるのがマイクロパフ。
バランスを求めたナノパフ。
そして超通気&0ストレスを再現するのがナノエアジャケット。
3つのうち、最もアクティブな部類と言えるでしょう。


しかし、しんどいのがこの価格。
なにせパタゴニア製品は、従業員にプレミアム賃金を払っているとのことなので。



すばらしい取り組みなんですがね!
価格を気にするならば、前述のミレー・トイアルファーがおすすめ^^;
ノースフェイス ベントリックストレイルジャケット





これはなかなかニーズに合う人が多いのでは?
ノースフェイスのアクティブインサレーション、ランナーのためのミドルレイヤー。
12デニールという極薄生地、脇や腕の可動域を意識した立体縫製、ザックを背負う背中には通気口。


ランニングに基づく人間工学から研究されており、とにかく走ることを想定されたミドルレイヤー。


ミレー アルファライトスウェットⅡ


ミレーというブランドは、なんとなくパタゴニアやノースの影になっていますよね。
ですが実は素晴らしく意欲のあるブランド。
インサレーションへの意気込みを、ここ数年でバッキバキに感じるミレーです。
インサレーションの定番モデルこそ見当たりませんが、数年ごとに新しい製品を投入しまくっています。
そしてその製品は、最新にして核心をついています。
透湿性50,000mmというぶっ壊れウェアを世に繰り出したのもミレー。
ティフォンシリーズに乗じて、ゴアテックスまでもが透湿性優先の波に乗っかっています。



目立たないが優良ブランドがミレー


インサレーションの中でも、特に通気性にパラメーターを振っているのがポーラテックのアルファシリーズ。
ミレーは通気性の良さが大好きなので(そんな印象)、この製品もその意思が感じ取れます。


アルファシリーズについては、ここでも力説しています!
フィールドから日常まで、アクティブなシーンで常に快適さを提供する、高機能インシュレーションジャケット。
ミレー
このジャケットは常に快適を意識しており、通気性はもちろんストレッチ性にもパラメータが振られています。
こいつの上にハードシェルでもよし、撥水性があるので単体でもよし!
さらに暖かいミドルレイヤーを着てもよし!
まさに着っぱなしノンストレスを実現したインシュレーションと言えますね。


着っぱなし前提となるため、ジッパーなしタイプは価格的にも機能的にも良好ですね。
ミレー ブリーズバリヤー トイ アルファ ダイレクト ジャケット


やばいのが出ました。
価格・保温性・通気性、実は最もバランスが取れているミドルレイヤーだと思います。
いやいや、またもやミレー。
通気性を重視したモデルの中では、割と保温性も重視したミドルレイヤーとも言えます。
それでもこのテクノロジーは、紹介せずにいられなかったのでラインナップ。
アクティブインサレーションに分類されます。


まずはこの裏地。
基本的にはインサレーションにして、裏地はフワフワ?


インサレーションむき出しのそれは、「アルファダイレクト」と呼ばれます。
ただでさえ、インサレーション中で通気性の良いと言われるポーラテックのアルファ。



ぶっちぎり通気性の、アルファ亜種だね



麦わらのルフィ・ギア2のようなロマンを感じるね(笑)


保温性はちゃんと高いので、よほど寒い山岳だが、ガンガン攻め歩きたい。
そんなイキイキのニーズにピッタリ。
SALOMON フルジップミドルレイヤージャケット


どうやらSALOMON的には、フリースに分類されるらしいです。
ですがまあ、アクティブミドルレイヤーだろっ
ってことでこちらで紹介。
ちょいと見た目はイマイチなので、街着としては流用できそうにありませんね(笑)
ですが逆に言えば、それだけ的確な箇所に機能を絞っているとも言えます。


さすがランナー志向のサロモン、背中はガッツリ暑くなる前提なのでしょうか?
インサレーション部分は、腹回りに絞っています。
もちろんストレッチ性も抜群で、ここから上に着回しも可能。
そして何よりうれしいのがこの価格。
パタゴニアやノースフェイスの見過ぎで、価格に慣れてきた後の1万円台に喜びです(笑)
マウンテンハードウェア コアストラータフーディ


行動中もオーバーヒートしにくいアクティブインシュレーション
マウンテンハードウェア
中綿素材としては、大手のプリマロフト・ゴールドアクティブを使用しているそう。



プリマロフト・ゴールド?



プリマロフト・ゴールドとは違うんや


素材オタクの僕ですが、最近は技術改新がすごすぎて追いつきません(笑)
参考までに、インサレーションを理解したい方は見ていってください。
で、このコアストラータフーディですが、行動中に着続けられることを意識しています。
まあ、どれもそうなんですが(笑)
ごく一般的なアクティブインサレーションでして、保温・通気・軽量性等のバランスが良いところですね。


もちろんプリマロフト素材なので、モノとしては妥協無し。
マウンテンハードウェアは、サイズ感も余裕があります。
パタゴニアやノースのように、タイト過ぎないのもいい所だったりします。


ファイントラック ポリゴン2UL


名前と見た目はあれですが、機能性をごり押しするほどの自信があるブランド、ファイントラックから紹介。
ファイントラックと言えば、5レイヤリングを定評している、ウェアに本気ブランド。
とにかく自社製品の素材に自信を持っており、ウリを前に前に出している印象(笑)



でも本当に画期的だったりするんよね


そんなファイントラックのインサレーションは、ポリゴンという新素材を使っています。
ポーラテックはマイクロファイバー風、プリマロフトやクライマシールドが極細繊維に対して、ポリゴンはシート。
ドレスのような極薄シートをくしゃくしゃにし、その嵩で保温性の勝負をするという新しい素材です。
ちょっとコワコワした肌触りがなんともですが、濡れに対する強さはおそらくインサレーション随一。
このウェアは、そんなポリゴンシートが2枚入っています。
2枚という程よい枚数で、厳冬期的には薄手に位置づけされるポジションですね。
日本のブランドなので、購入後の保証もめちゃくちゃ手厚いのも好印象。



保障に関して実は、僕も2度お世話になっています(笑)
フリース


ミドルレイヤーのド定番…でしたが、最近は前述のアクティブインサレーションに押されています。



それでも元定番!
選択肢として間違いないのも事実!
保温を担当するのはあくまで起毛。
細い毛による保温なので、重量は決して重くない。
薄手の生地から抜けていく「通気性」
起毛が生み出す「保温性」。



なんと理にかなった素材!
そんなフリースのデメリットは主に2つ。
- 起毛に雪がひっつく
- 脱ぎ着のときにパチパチ静電気
これがネックなのですよね。


これはポーラテック社の「パワーグリッド」
フリースのデメリットを解消すべく、静電気が発生しにくかったり、表面は起毛していないグリッド系フリースが主流。
計量&高通気性であることも多く、昨今のアクティブ系ミドルレイヤーブームにも、ニーズに応えられています。
そんなフリースからは、グリッド系のみを紹介していきます!
パタゴニア R1 テックフェイス


フリースと言えばパタゴニア、パタゴニアと言えばRシリーズのフリース。



Rの名を継承するもの
それは古くからのフリース代表
Rとはレギュレーション(規則性)を表す言葉。
おそらくグリッド系フリースの、規則的パターンを表すのかな?
以前からあったR1・R2は廃盤となり、テックフェイス(表地サラサラ)に代わっています。
これにより保温性・伸縮性・通気性は維持したまま、撥水性・摩耗性の向上につながりました。
逆に言えば、見た目を登山ウェアに振り切り、街着としての機能はほぼ捨てました。



機能と見た目の取捨選択を決意したわけだ!




Kライトグリッドジャケット


Polartec®採用のミレーのフリース。
パタゴニアR1のミレー版といったところ。



定番では、ないよね?



だけども実は、R1より魅力はいっぱいあるのだ。
パタゴニアの新R1は、実はポーラテックを辞めました。
対してこちらのミレーは、ポーラテックを使っています。
素材メーカーから提供されているので、おそらくミレーのほうが品質は良好。
なのに、R1より安い。
その価格差、なんと1万円ほど。
ブランド名にお金を費やさないとすると、賢い選択と言えそう。




MH ポーラテックパワーグリッドフルジップ


マウンテンハードウェアの、グリッドフリース。
こちらもパタゴニアR1と比べると、だいぶ破格。
それでいてポーラテックなので、めちゃくちゃお得。


こういった要所のこだわりが好印象。
体温低下に影響しがちな手首を守ってくれます。



雪とかもグローブ内に入ってこなさそうね


ファイントラック ドラウトセンサー


ちょいと番外的なものを紹介。
先ほどはファイバーでなくシートを提示してきたファイントラックですが、今度はロングシャツ。
よほど素材メーカーに頼りたくないのか、既存のテクノロジーを無視したいのか。
とにかく素材開発や市場への新たな風を吹かせるのに、目が血走っています(笑)



僕らは割と応援している(笑)
このロングシャツ(ドラウトセンサー)ですが、ミドルレイヤーとインナーの中間的位置づけ。


普通ならば吸汗&速乾はンナーに任せまして、ミドルレイヤーの役割はあくまで保温。
ですが、ドラウトセンサーは吸汗速乾を意識しています。
起毛が無いため、保温性としてはもちろん劣ります。
ですが逆に、ガンガン動いて汗をかくようなら、コイツが最も優れていると言えそう。



ザックを背負った背中側とか、汗かいてもすぐに乾きそうだよね




嬉しいのがこの値段。
インサレーションを持っていても、別途で購入しても使い分けができそうです。
ノースフェイス マウンテンバーサマイクロジャケット


ちょいとこちらも番外。
この記事の趣旨とは外れますが、かなりコスパも良いと思ったのでご紹介。
肩の部分にもちろんポーラテックは使用していませんが、Versa Micro 100 ECOというノースフェイスの独自インサレーションを用いています。
これは、ザックを背負った時にフリースが摩耗しないようにしているそう。



デザイン性と機能性の融合か…
やりよる
そんでもって、ノースなのに結構安くて使いやすそうです。
素材オタクの僕が、機能的に興奮することはありません。
だけどもさすがにコイツは、僕も欲しいと思います(^^;



街着としてもめっちゃいいよね


随時追加していきます!
薄手のミドルレイヤーに、お好みのものが無かったなー。
そんな風に感じたのなら、ぜひこちらもご確認ください!


技術革新により、どんどん新しいものが出てくる分野です。
そろそろ落ち着いてきた感がありますが、シーズンの変わり目に新しいものは出てくるでしょう。
発見次第追加していきますね!!
では!
読んでくれてありがとう!!