ストームクッカーを購入してはや6年くらいでしょうか。
自分が思ってた以上に、ストームクッカーの使用頻度は多く、気に入っています。
最初は不便だと感じたところも、むしろシブくてお気に入り。
というかそもそも、そんなに不便じゃあないことにも気が付きました。
今回はストームクッカーについて、使用感をどんどん紹介できたらと!
ストームクッカーについて
渋めのキャンパー&アウトドアマンが大好き、トランギア。
転売必須だったメスティンのほうは、2022年あたりから適正な価格に戻ったようですね。
メスティンのほうが知名度は高そうですが、実はトランギア初の製品は、ストームクッカーだったりするのです。
いやー、意外でしたね
そしてどうやらストームクッカー、1951年に誕生して以来、ほとんど形を変えていないのだとか。
もう80年以上も前のことですよ。
そんなストームクッカーの利点を、ざっと挙げてみましょう。
- 強い耐風性
- シンプルなので故障が無い
- スタッキング性よき
- 結構火力ある
- 寒さとか標高とかに強い
キャンパーに支持されている印象なのですが、実は登山においても結構な優れモノ。
ちょっと性能を詳しく見ていきましょうか。
耐風性
ストームクッカーという名前は、嵐で耐えうるクッカーという、そのままの意味。
鍋なのかゴトクなのかよくわからない、一見ごちゃごちゃした構造にも見えますが、ゆえに風に強い。
北アルプスの稜線で使ったこともあるのですが、剥き出しのバーナーよりよほど風に強かったです。
独自のウインドシールドにより効率的に酸素を取り込む構造になっており、風が吹けば吹くほど火力が強まるよう設計されています。
trangia
これが80年形を変えないというのは、ロマンすら感じさせる機能美って感じ。
僕は結構すき。
シンプル
そりゃあ80年も前から作れるのですもの。
今の製品のような複雑さは無く、シンプルで気持ちの良いフォルム。
アルミ自体もしっかりしているので、よほど雑に扱っても壊れないのがイイ所ですね。
多分一生モノだと思います。
スタッキング性
結構気に入っているのが、このマトリョーシカ構造。
外側から
ゴトク/風防/鍋大/鍋小/小物。
そして最後にフライパンでフタして終わり。
ベルトで絞めるっていうのも、なんだか古めかしい感じがして香ばしいです。
結構火力ある
これは結局アルコールの火力なのですが、軌道に乗ってこれば十分な火力って感じです。
米二号を炊飯できるし、鍋物とか意外と簡単に沸きます。
ゆらゆらと煽るので、中心だけ焦げ付くことも少なめ。
さすがにコーヒーの湯を沸かすとかだとじれったいですが、鍋なら全然待てるくらい。
寒さとか標高に強い
ガスバーナーは一部の製品を除いて、どうしても火力が低下します。
0度未満だと特に顕著。
安いものを買って後悔するくらいには、ダメなバーナーは寒さに弱いです。
ストームクッカーはアルコールが燃料なので、引火さえすれば火力は一定。
標高を上げてもヒヨったりしない感じは、登山においても非常に安心材料ですね。
結構たよりになる
アルコールの引火点自体は11度らしいので、冬はライターで引火させる必要がありますね。
この点はアルコールの難点かもしれません。
【デメリット】不便なストームクッカー
- 温めなおし
- 大きめ
- ランニングコスト
- 火力調整
温めなおし
温めなおしだとか、スタート時の火力とか。
やはり手軽さとしては、ガスバーナーには敵いませんね。
特に湯を沸かしたい時や、もう一度温めなおしをしたい時。
アルコールを使い切らなければいけないストームクッカーに比べ、使う分だけ開放できるガスは手軽です。
大きさ
これは鍋という特性上仕方が無いのですが、やっぱりバーナーのほうがコンパクトな感じです。
ストームクッカーは風防とゴトクが余分な重量になりがちなので、ザックにしまっておくには少々難あり。
軽量登山に割り切る場合は、ストームクッカーはお留守番な感じです。
継ぎ足しの必要性
これも面倒っちゃ面倒ですね。
ガスの場合は、消して着火して、消して着火して、いつでも短時間でも切り替えられます。
ストームクッカーはアルコールなので、最後まで続けるなら残量が無くなります。
もう一度温めなおすのならば、アルコールをつぎ足します。
まあ、その程度の手間といえば、その程度ですが。
じゃあ、ストームクッカーは不便であまり使わなくなるかと言いますと、別にそんなでもないのです。
それでも楽しい
ストームクッカーはいらない、という声もちらほら聞かれますが、僕のストームクッカーは使用頻度が多いかも。
先ほども触れたとおり、不便さも「その程度」です。
僕はキャンプで焚き火の回数も、炭をおこす回数も、タープを張る回数も減りました。
そんな面倒くさがりの僕ですら、ストームクッカーの手間はその程度です。
炭や焚き火をする手間を好み、タープを張り、じっくりと手間を楽しめる人なら、ストームクッカーは手間ですらないかもしれませんね。
登山だとしても、荷物が多少多くても良い日は結構あるんですよ。
今日は盛大にやるぞ!
って思った時は、全然ストームクッカーを持っていきます。
むしろ晩御飯の方をワクワクするくらい。
多少は不便なようですが、このギア感がたまんないんですよね。
使い古されていきますが、物理的に強い衝撃でもない限り、ぶっ壊れません。
年季が入った無機質なアルミが、個人的にはたまんないです。
このへんの構造とか、絶妙によくできていますよね。
金属の曲げ感だけでどうにかしていて、安物ならそのうち外れてきそうなものです。
ただ、ストームクッカーが壊れたっていう話は聞きません。
風防とゴトクは微妙な出っ張りで引っかける構造。
空気が通るようにパンチ穴が多数ある事。
このバンドを通すところとか、昔っぽくて好きです。
なんならベルトがちょっと通しづらいのですが、最近ではそれすらストームクッカーのシブい所にも感じられてきました。
基本的にオールアルミですが、強度を重視する金具だけスチール。
擦れて錆が発生していますね。
50年くらい使ってやりたいわ。
ってなわけで、僕はストームクッカーのことを、買った当初よりも愛でている感じですね(笑)
とはいえ便利な世の中、ガスと組み合わせることで、使いやすさとハイブリッド出来ることは有名なお話。
ガスとの組み合わせ
トランギアには、ストームクッカー対応の、純正バーナーが付いています。
でもこれ、OD缶専用だし、結構高い。
ランニングコストもアルコールと同じみたいになっちゃうし、ストームクッカー以外での出番がありません。
それよかどうやら、パチモンの互換製品が人気みたいですの。
これは、BULINっていう中華バーナーでして、ストームクッカーの互換製品としてはある程度の知名度あり。
BULINという謎ブランドに関しては、過去記事にて解説しています。
まあまあ悪くはなさそうな印象です。
クッカーバーナー界隈では、中華ブランドの上位層。
余談でした。
なお、ストームクッカーはアルスト前提の構造となっています。
ガス化で高火力を出しすぎると、テフロン加工が溶けるなど、劣化を早くする可能性があることに注意してください!
ストームクッカーの種類、どれがいい?
- ウルトラライト
- デュオーサル
- ノンスティック
- ブラック
- ハードアノダイズド
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
ウルトラライト | ¥16,500 | 900 g |
デュオーサル | ¥22,000 | 1130 g |
ノンスティック | ¥18,150 | 905 g |
ブラック | ¥20,350 | 1075 g |
ハードアノダイズド | ¥24,750 | 900 g |
どうせガスバーナーよりは大荷物になってしまうので、個人的にはLサイズがおすすめ。
大は小を兼ねるという言葉が、ストームクッカーに良く似合う気がします。
2024年になり、以前より1.3倍くらいの値上げしているのが気になりますね。
それでもセールが結構されているので、Amazonや楽天は要チェックです。
ストームクッカーをAmazonでチェックする!
ストームクッカーを楽天でチェックする!
セール時は3割引きとかになっています!
ひとまず種類を全て見ていきましょ!
ウルトラライト(UL)
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
ウルトラライト | ¥16,500 | 900 g |
- 定番で良い
- 登山もしたい
- 経年変化でシブくなる
ストームクッカーの定番型であり、最も安価・最軽量なので、多くの人におすすめしたいのがウルトラライト。
これならLサイズにしたとしても、重量によるストレスは軽減。
オールアルミですが、焦がしやすいフライパンにのみ、ノンスティックっていうのが良く分かってらっしゃる。
鍋にノンスティックはそこまで要らないですものね。
通常よりも強度のあるアルミニウムを使用することで軽量化を図ったストームクッカー
trangia
公式の文言通り、ウルトラライトでもしっかり丈夫です。
ただ、表面こそ傷が付きやすいので、どんどん経年劣化というか、使用感バリバリに出てきます。
逆にそれを楽しみにしたいところ。
デュオーサル
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
デュオーサル | ¥22,000 | 1130 g |
- オールシルバーが渋すぎる
基本的にですが、ステンレスのクッカーは使いにくいです。
アルミが外側なので、それなりに熱伝導はあると思いますが…
熱伝導率の高いアルミを外側に、耐久性の高いステンレスを内側に使用したフライパンとソースパンを組み合わせたストームクッカーのシリーズ
trangia
ハイブリッドな気もしますが、重量増も結構ありまして、価格も5000円以上高くつきます。
個人的にはあまりメリットが感じられません。
フライパンのノンスティックも消えるのがイタイ。
でもこれ、オールシルバーが渋すぎますし、フライパンも含めてマジの一生モノだと思います。
大切に焦げ付かせず、焦げてもしっかりメンテナンス。
モノを大切にする人に、50年選手で使って欲しいのが、デュオーサルかも。
ノンスティック
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
ウルトラライト | ¥16,500 | 900 g |
ノンスティック | ¥18,150 | 905 g |
- とにかく使いやすさ重視
フライパンだけじゃあなく、鍋にまでノンスティック加工。
ULと比べてみましたが、1,650円増加とたった5g増加でこの性能は、アリよりのアリすぎる。
他社に後から加工を頼むより、最初から付いていた方が安く付きますね。
ソースパン・フライパンの両方にノンスティック加工が施され、使いやすいモデルです。軽量さと使い勝手のバランスが取れ、様々なアクティビティに対応します。
trangia
公式様の言う通りでございます。
鍋に加工は要らないようで、思ったより洗いやすくなります。
それでも塗装がある分、実質寿命としてはテフロン側に依存しそうなところ。
擦って洗えばいいや、っていう方は、ウルトラライトの鍋のほうが逆に使いやすいのかもしれません。
ブラックバージョン
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
ノンスティック | ¥18,150 | 905 g |
ブラック | ¥20,350 | 1075 g |
- ブラックかっこエエ!
基本的にノンスティックと機能は同じ。
ブラック塗装を掛けた分、塗装分の丈夫さは出ているかもしれませんね。
それでもノンスティックよりも高くつき、重量も+170 gというハンデ。
ストームクッカー・ウルトラライトモデルの表面に黒色塗装を施したシリーズです。
trangia
公式の文言的には、性能差はほとんどなさそう。
ということで、機能的に存在意義の無いモデルなのですよ。
色以外は。
いやほんとに、
カッコいいから困るんですよ。
オールブラックというか、その辺の黒には無い、艶やかで深く、しっとりとしたブラックですよ。
色で選ぶのもアリですよね。
ハードアノダイズド
Lサイズ | Lサイズ | |
---|---|---|
ウルトラライト | ¥16,500 | 900 g |
ハードアノダイズド | ¥24,750 | 900 g |
- 最強をお求め
価格を気にしなければ、ウルトラライトの上位互換。
だって追加重量+0gでありながら、腐食しない最強のアルミバージョンですよ。
上位互換ですよ、価格以外は。
ストームクッカー・ウルトラライトモデルにアルミニウムの腐食を防ぐために、ハードアノダイズド(陽極処理)加工を施したシリーズです。
trangia
アルマイト加工とも言われる陽極処理をしており、ただでさえ腐食に強いアルミが、さらに最強に。
ただ、最強とはいえ腐食に強い程度。
アルマイト加工自体の耐久性としては、100度以上の高温や曲げに弱いです。
空焚きに気をつけなきゃあいかんですし、衝撃にも注意したいです。
その点経年的最強は、やっぱりウルトラライトなのかもしれんですね。
ストームクッカーの類似品もあります
ALOCSに関しても、先ほどのBULIN同様の立ち位置。
中華性ブランドでは割と上位の印象で、悪くないかな、くらいのイメージですね。
もちろんストームクッカーの耐久性が凄いので、おそらく製品精度としては本家を超えることは無さそう。
という、勝手な印象。