どうも!たなりょうです!
今回は、フィルパワーについてガッツリ解説!
フィルパワーって、どれくらいが高品質なの?
そもそもフィルパワーって何?
アウトドア業界で飛び交う、ダウンについてのこんな疑問。
それらに一気に応えるべく、図解を用いて徹底解説をする記事を作成しました。
もう貴方が悩むことはありません。
2024年現時点、どのくらいのフィルパワーの商品を選べばよいかを判断する材料を、ここで用意します。
フィルパワーについて図解
知っている方は飛ばしてください。
勘違いしているかも?って方は見てってください!
ダウン30gを放置すると何立法インチになっているか
=フィルパワー(FP)
フィルパワーとは、ダウンの膨らみやすさを表す数値になります。
同じダウン量なら、フィルパワーが高い方が体積があるので「暖かい」ということになります。
いわば、ダウンのフワフワ指数。
高フィルパワー=暖かい
とはならない点に注意だね!
いくらフィルパワーが高いとはいえ、入っているダウン量が少なければ、それなりの暖かさです。
900フィルパワーの薄いダウンより、800フィルパワーの分厚いダウンのほうが暖かいのはこのため。
1000FPの極暖ダウンは、コスト的に無理!
というのが正直な現状です。
何フィルパワーのダウンが何グラム入っているか?
という掛け算が暖かさの秘訣になります。
暖かさをメインに考えるのであれば、フィルパワーも大切ですが、ダウンジャケットの分厚さが結構モノを言います。
段階的にわかりやすい写真を見つけたので、転載しておきます。
900フィルパワーは白くふわっとしており、550フィルパワーは密で重そうですよね。
フィルパワーはこのように数値で表されるので、ダウンの品質について「嘘の付けない数値」となります。
ダウンの「品質」と「フィルパワー」
なぜフィルパワーが高いダウンが「高品質」とされるかを補足します。
一般的にダウン製品とは、ダウンとフェザーの組み合わせによるものがほとんど。
上の画像のように、「ふわふわ部分のダウン」と「羽部分のフェザー」で構成されます。
ダウン:90~95%
フェザー:5~10%
これが黄金比率と相場が決まっており、ここは正直変えようがありません。
(低品質だと70%対30%とかはあります)。
じゃあどこで差がつくのだ?
モンベルの画像をお借りしましたが、このように高品質のダウンはモコモコでフワフワなのです。
寒冷地に済む水鳥ほど、保温性の高いダウンを含んだ羽を生やすらしいです。
かつ、その中でよりフワフワなダウンのみをピックアップするようです。
高品質の目安
800フィルパワーは?
900フィルパワーは?
1000フィルパワーは?
と、様々な質問がありそうなので、それを一気に応えていこうと思います!
ここでは、フィルパワーを600~1000の5段階に分けて図解してみました。
勝手に作ったやで(笑)
結構評価が厳しいな!
近年はダウンの品質向上が著しく、各メーカーもフィルパワーを上げてきている状態です。
僕がアウトドアを始めた5-6年前だと、650FPは基本なレベルでした。
それが品質向上により、相対的にユーザーの評価も厳しくなってきている印象です。
現在では800FPは当たり前になってきたよね。
ちなみにですが、現時点でのフィルパワーの最強は1000FPです。
続いてフィルパワーとメーカーの分布についての図解が以下のような感じです。
では、フィルパワーとそのランク及び、メーカー分布について詳しく解説していきます。
例として商品もいくつか貼り付けておくので、価格の参考にしてみてください。
1000フィルパワー|現時点での最強品質ダウン
前は1200フィルパワーのダウンシュラフがあったような…
1100フィルパワーだったかもしれません。
いつの間にか消えましたね(^^;
ということで、現状最強は1000フィルパワー。
1000フィルパワーのダウン製品を作っているメーカーが数少ないことから、おそらくダウンの限界レベルに近いのかもしれません。
故に超高価格!
あのモンベルですら、薄手のダウンジャケットで30,000円近くします。
ニーズ的にも軽量&なる暖。
コスト的にも薄手のものしか存在しません。
後はアークテリクスのセリウム SV フーディとかもあります。
例外レベルなのが、ノースフェイスの1000FPダウンに、175,890円というぶっ壊れ価格のダウンが存在します(笑)
900フィルパワー|寝袋の最高級クラス
900フィルパワーになると、寝袋も存在します。
ダウンジャケットはノースフェイス・マムート・フォックスファイヤなど、選択肢が増えますね。
現在確認できる最高級シュラフは、ナンガのミニマリズム180。
930フィルパワーのシルバーグースダウンを使用した、超ULシュラフになります。
※なお、ミニマリズム180は在庫切れのよう。
現実的にはモンベルのシームレスダウンハガーが、ラインナップも多く価格も人外ではありません。
ですが、どちらにせよ900フィルパワーというのはコスパとしては悪い部類です。
700→800の価格比率に対し、800→900フィルパワーは価格上昇が著しいです。
(後で詳しく解説しています。)
940フィルパワーのNANGAホワイトレーベルは、国内最強ダウンとして名高いです。
ノースフェイスの900フィルパワーもありますね。
800フィルパワー|高品質と価格のバランスの良い所
以前はかなり高品質とされていましたが、今やほとんどのアウトドアメーカーが800フィルパワーの製品を揃えています。
マウンテンハードウェアやコロンビアなど、ダウンに拘っていなくっても800フィルパワーくらいならありますよっ、って感じです。
先ほどもチラっと説明しましたが、800フィルパワーは一般的な価格になります。
登山などのアクティビティで、軽量化を意識するなら是非とも選びたい軽量品質。
900フィルパワーまではインナーダウンばかりでしたが、800FPからは少々厚手が存在します。
シュラフにおいても、800FPまで落とすだけでかなりコスパは良くなります。
このクラスからは、ネイチャーハイクなどの中華ブランドも参戦してきます。
非常にコスパの良い価格となっており、国内ブランドはうっかりすると食われますね。
700フィルパワー|寝袋でコスパの良いクラス
800フィルパワーと並び、このクラスもわりかしスタンダードな印象です。
ただ、800フィルパワーと比べると収納サイズが小さくはなりにくいなと、明確に感じます。
ダウンが少し密になった分、ジャケットの弾力は感じられ、着心地としては好きな方もいるかもしれません。
いずれにせよ軽いダウンです。
イスカの寝袋「ダウンプラス」は720フィルパワーですが、モンベルダウンハガー650よりも安く、最コスパを叩き出しています(当ブログ調べ)。
最近では、しまむらが700フィルパワーのダウンを作ったとのことで話題になった気がします。
→しまむらのプレミアムライトダウン
信じられないのが、700フィルパワーで2000円という異常価格。
もはや他メーカーが価格勝負を放棄するレベル。
何がプレミアムなのか、価格がプレミアライトなのか?
※2023年更新情報
と思いきや、2022-23シーズンより、ユニクロのULダウンが750FPに格上げ。
それもお値段据え置きで。
ダウン品質の平均値が上がったことが、最も分かりやすく証明された瞬間でしたね。
600フィルパワー|かつては高品質
かつては600フィルパワーは高品質とされていました。
そして、大手アウトドアメーカーが作るダウンは、以前まで650フィルパワーが基本の印象でした。
650FPが高品質というのは
過去の話だね。
ですが、ユーザーが賢くなったのか?フィルパワーの知名度が上がったのか?
いずれにせよ軒並みダウンの高品質化が加速しており、相対的に600フィルパワーは低~中品質に置かれ始めました。
そのおかげで、以前は高品質を謳っていたユニクロのウルトラライトダウンも、650フィルパワーではちょっと置いて行かれている印象です。
※2023年以降 ユニクロダウンの品質向上
650FPでは時代遅れと感じたのか、しまむらの720FPに対してこちらもやはりFPを上げてきました。
しかも、壊れやすかったジッパーや肩回りの立体縫製など、使い勝手も格段に向上させてきています。
これで価格据え置きというのは、この物価高の中、非常に頑張ってくれていると評価できますね!
激押ししますが、本当に覚醒しています。
大手アウトドアブランドは、700FP以上ばかりだよね
モンベルのダウンハガーも、800からは新素材の「シームレス」を採用していますが、650フィルパワーのダウンハガーは旧型のまま放置されています。
まだまだ普通にラインナップはされています。
なんならマーモットに関しては、1000フィルパワーと価格がほとんど差がない商品もあります。
ぜひ、店頭でセール品を見つけた場合などは、フィルパワーに注意したいと思います。
600フィルパワー以下|Amazonのよく分からんメーカー
600フィルパワー以下にもなってくると、流石に山では使いたいと思えなくなってきます。
600フィルパワー以下の製品はどのようなものかと言いますと。
このように聞いたこともないAmazonの中華メーカーが採用していたりします。
それでも600FP以上がほとんどなので、シュラフでも1万円を下回るクラスです。
登山というより、キャンプ用の域。
ですが、中華メーカーは激安なので、下手に高いモンベル650フィルパワーシュラフを買うよりも潔いかもしれません。
また注意したいのが、ノースフェイスなども全然550フィルパワーダウンなどを出しています。
高品質ダウンの選別に余った素材でしょう。
タウンユースと考えれば、SDGsの観点からは良い取り組みだとは思います。
中華メーカーのフィルパワーも軒並み向上しています。
(なんなら中華が一番著しい)
もはや大手=高品質、中華=低品質の構図は覆されています。
フィルパワーとコスパの話
ダウンジャケットに関しては、ブランド力やその他機能により大きく異なるので、シュラフで考えます。
例えばモンベルのダウンハガーで比較しました。
モデルチェンジの影響で、650フィルパワーは「ダウンハガー」、800フィルパワーは「シームレスダウンハガー」、900フィルパワーは「ドライシームレスダウンハガー」になっています。
ダウンハガー #1 | 650FP | 800FP | 900FP |
---|---|---|---|
快適温度 | -5℃ | -3℃ | -3℃ |
価格 | 38,500円 | 49,500円 | 68,200円 |
こうしてみてみると、650→800では¥11,000の差額があります。
対して800→900では¥18,700の差額となります。
もちろん、900フィルパワーは防水透湿素材なので、その影響は大きく受けそうですが。
ですが、こうしてみてみると650フィルパワーを買うなら800フィルパワーを買っても良いような気がしませんか?
900フィルパワーはさすがに買うのに勇気が要りそうです。
あとは、中華性のシュラフは800フィルパワー未満であればよく見つかります。
(※中華シュラフは当ブログでは検証していないので、購入には責任を持てません)
ということで、今回はフィルパワーについて図解をしてみました。
分かりにくかったらコメントなどどんどん受け付けます!
分かりやすかったら、他の記事も見ていってくれると嬉しいです!
では!
読んでくれてありがとう!