アクションカメラの性能を決めるのは?
- 手振れ補正
- ハード面
- ソフト面
- 画質
アクションカメラの性能を決める要素と言ったら何でしょう?
①手振れ補正
もちろん。コレが弱ければ、アクションカメラとしての意味を持ちませんね。
②ハード面
これは耐久性・耐水性・耐衝撃性。
最近では耐寒性能も意識するでしょうか。
③ソフト面
意外と重要ですよね。
Wi-Fiの接続しやすさだとか、アプリのスムーズさはここ最近各社が力を入れている所でもあったりします。
④画質
結局コレが、一番重要なのですよね。
一番重要なのに、結局一番ワケが分からないところでもあるのです。
画素数?解像度?
レンズ?センサーサイズ?
画質を決める要素と言うのは、実は沢山の要素が組み合わさって決まります。
「画質が良い」
そう一口に言っても、スペック上の数値が高ければ画質が良いのでしょうか?
違いますよね。
出来上がりの「写真が綺麗」「動画が綺麗」。
僕らが見て、綺麗だと思った時、初めて画質が良いと言えるのではないでしょうか!
今回は、画質を決める要素について!
カメラに合計100万円以上は課金した僕が、多くの情報と感覚を交えて解説出来たらな!、と思います。
とはいえ僕も開発者ではありません。
憶測も含まれたりするので、間違えている場合はコメント頂ければと思います!
画質はどうやって決まるのか
先ほどは、解像度やらイメージセンサーなど、よく分からないことを申してすみません(笑)
これから画質を決める色々について、噛み砕いて説明できればと思います。
- レンズの性能
- センサーサイズ
- 画素数
- ダイナミックレンジ(HDR)
- チップ
レンズの性能
さて、レンズの性能とは言いましても、これ自体も多くの要素で出来ています。
出来るだけ分かりやすく解説するので、頑張って下さい(笑)
レンズの解像度
実は、レンズにも解像度というのがあり、簡単に言えば「パリッと映す能力」のこと。
要するに、レンズの能力そのもの。
上の参考図を見てもらうと分かりますが、左が解像度が高い状態、右が解像度が低い状態。
要するに、性能の悪いレンズ程ぼやっとします。
踏み込むと難しくなるので、コレくらいで。
四隅まで映す能力
これは、28万円のレンズと27万円のカメラ、合計55万円のカメラで写した写真。
高いですねー(笑)
そんな優秀な機械でも、右上にかけて段々ボヤけてくるのがお判りでしょうか?
実はこれ、この写真のこの辺りをめっちゃ引き伸ばしてカットした写真です。
高いレンズ程影響は少ないのですが、安いレンズは特にこの端っこの映りが悪くなる傾向にありますね。
特にアクションカメラは、広角レンズがメインです。
端っこほど湾曲したり、暗くなりがちだったり。
安いカメラはこういう細部が弱いです。
F値
F値はレンズ界隈では有名な話なのですが、F値が小さいほどに、レンズの底力があります。
そして、暗い場面にも強いです。
なんと例えましょう。
人間で言うならば、「目が良い人」といったイメージ。
F値が低いほど性能は良くて、暗い所でもよく見えるし、色をカラフルだと、綺麗だと感じる能力が高いです。
といっても、アクションカメラにおいてF値はそんなに気にしなくても大丈夫な要素ですが。
レンズだけでもここまで語れました。
ようするに、良いレンズはちゃんと高いし、画質にかかわる結構重要な要素という事が分かっていただければ!
ぼやぼやした写真や動画って、嫌ですものね。
センサーサイズ
これは一眼レフで撮った写真、間違いなく綺麗ですよね。
合計45万円の機材で撮影しています(笑)
やれiPhoneの性能が良くなったなど言われますが、結局一眼レフに敵わない理由が主にコレ。
センサーサイズの大きさは、何が何でも大きい方が画質は綺麗です。
一眼レフのセンサーは、カメラ本体の中にあるコレです。
コレが「フルサイズ」と言われる、横35㎜のセンサーです。
ここでレンズを通った写真を捉えるのですが、例えばGoPro HERO12のセンサーサイズと比較するとこんな感じ。
アクションカメラは、これほど小さな領域で、多くのデータを処理しなくちゃあならないのです。
アクションカメラの画質が値段にしては悪い。
そんな風に思う人がいるのは、このセンサーサイズの限界が足を引っ張ります。
アクションカメラと言うのは、軽量化と画質の狭間で戦っているということを、どうか理解してあげて頂きたいですね(笑)
画素数・解像度
4kだとか8kだとか言われているのがコレ。
どっちも似た意味で扱われるんだけど、写真の場合は「画素数」、動画の場合は「解像度」と言われがち。
解像度=4k(3,840×2,160)とかで言われる
画素数=829万画素(3,840×2,160=8,294,400)
そんでもって、各社分かりやすく表示してきて、画質の指標になりがち。
解像度が高いほど、画素数が増えて画質が良くなるのは確かな話。
解像度が高いと、特に拡大するとよく分かりますね。
コチラ8k撮影が可能な Insta360 Ace Pro で撮影後、めいっぱいに寄りまくった写真です。
従来の4k撮影に比べ、8k撮影のほうが枝葉がくっきりしているのが分かります。
確かにAce Pro のスペックの高さが頷けるところかと。
とはいえ画素数・解像度は画質の指標にはなるのですが、注意点もあるのです。
大切なところなので、また後程しっかり解説しますね。
ダイナミックレンジ(HDR)
これは先ほど紹介した、レンズの力量、センサーサイズ、F値の掛け算で出来ると思ってください。
厳密には違いますが、総合力が試される箇所かと。
ダイナミックレンジとは、カメラの写せる光の範囲をいいます。
写せる範囲が広い場合はHDR、Highという意味でH(High)D(ダイナミック)R(レンジ)と表現されたりもしますね。
今の写真はInsta360のものですが、あえてダイナミックレンジを悪くしてみましょう。
影っぽい岩の表現力は失われ、真っ黒です。
空の光はまぶしすぎて、真っ白になっちゃっています。
これは、光の表現が悪いという意味で、ダイナミックレンジが低いという事になりますね。
安いカメラ、センサーサイズの小さいカメラはこの状態になりがち。
ここから少し余談ですが、僕はInsta360のGO 3という製品を使っていますが、正直めっちゃ使いやすいです。
だけど唯一の弱点として、センサーサイズの小ささがあります。
撮影した写真は、やっぱりダイナミックレンジが特に小さくなりがちだなと。
センサーサイズの小ささが、GO 3唯一の弱点にも感じましたところです。
余談でした。
GO 3は小さいので仕方ない感がありますが、安いアクションカメラはダイナミックレンジが酷いことが多いです。
チップ(画像処理エンジン)
画質における重要な要素の一つにして、最大のナゾである項目。
カメラや端末に使われるチップはいろいろな処理を施していて、画像処理エンジンと言われたりもします。
・RGB画像の生成
・明るさの調整
・ホワイトバランス調整
・シャープネス調整
・コントラスト調整
これらが出来るといいますが、ようするに調整ですよね。
キヤノンなら「DIGIC」、ニコンなら「EXPEED」、GoProなら「GP2」と言ったように、各社独自のチップを使っているようです。
ここで謎が解けかけるのですが、iPhoneでOKという結論になりがちな点について。
最近のiPhoneだとか、高性能スマホだとかは、どうやらチップが優秀なよう。
半導体だけで儲ける企業があるように、チップだけで巨額の富を得ている会社もいるよう。
それだけチップは重要な項目でもあり、iPhoneだとかGoogleだとかは、ノウハウをめちゃくちゃ持ってるぽいです。
小さなイメージセンサー(アクションカメラ並かそれ以下)、小さなレンズ。
スマホ端末という不利な環境下で、画質をよくするためにはどうやらチップの調整力がめっちゃ強い説がありますね。
約1年前の「Snapdragon 8 Gen 2」では、セマンティックセグメンテーションと呼ばれる技術がカメラ関連で導入された。被写体を捉えると、画像認識技術で「ここは人の顔」「ここは髪」などと識別して、その対象にあわせて背景ボケを加えたり、被写体に応じて画質がアップしたりするような加工を実現する。
ケータイwatch
イイ感じに調整してくれるチップは、要するにAI、要するにbrainです。
最近では調整以上に、人物認識などもしているみたいですね。
コレが、iPhoneの写真が謎に綺麗、という大きな一つの理由だと思っています。
逆に言えば調整しています。
良くも悪くも「iPhoneぽい写真」になるのもこのせいかと!
どれだけAIが良くなろうと、フルサイズの大きなセンサーに敵わないのはこのため。
ここまでよくついてこれました!
では、結局何が言いたいのでしょうか?(笑)
画質は総合力!
- レンズの性能
- センサーサイズ
- 画素数
- ダイナミックレンジ(HDR)
- チップ
ここまで良い画質を構成する、5つの要素について見てきましたね。
レンズの性能は?
はっきりした写真のために重要です!
センサーサイズは?
大きいほど、間違いなく綺麗です!
画素数・解像度は?
細かい程表現力がありますね!
ダイナミックレンジは?
暗い所と明るい所の表現に大切!
チップ・画像処理エンジンは?
iPhoneを見れば明らか!!
というように、全部大切なのです。
最近の安いアクションカメラ
一部では「コスパ最強」だとか言われてはいるのですが、正直最強ではないなと思っています。
というのも、謳い文句ばかりは立派ですが、やはり安いものは安いです。
近年のスマホ端末の高性能化を考えると、完全な「安物買いの銭失い」となるかもしれません。
4kなのに??
試しに、メルカリで中古の4kアクションカメラを1,500円で買ってみました。
その写真がコチラ。
ひとことで言えば、「画質が悪い」ですね。
右にある空き缶の文字は読めません。
室内程度がテーブルに反射するという、この程度の光ですら、白く飛んでしまいます。
おそらく色味についても、色あせた表現しか出来ていませんね。
つまり
- 解像度が低い
- ダイナミックレンジが狭い(光の表現が弱い)
- 色味の表現が悪い
上記の画像は動画から切り取ったものですが、肝心の動画はこんな感じ↓
手振れ補正とかも酷いですね(笑)
4kだけど、他が酷い場合
途中で触れたように、解像度は何やら高性能の指標のような扱いをされがち。
だから安いアクションカメラも、こぞって4kを打ち出してきていますね。
4kつまりは(3,840×2,160)に横縦のピクセルを割ったとして、ダイナミックレンジの表現が出来ていなければ?
ただ黒く潰れた箇所を細かく割り、白く飛んだ明るい部分を細かく割っているだけ。
細かいだけで黒は黒、白は白です。
そもそもレンズの性能が悪ければ?
いくら一生懸命解像度を増やしたとて、センサーに辿り着く前のレンズ側で、情報を拾えなければ意味がありません。
このように、他の性能が揃ってこその4k画質だと、僕は考えています。
形上はちゃんと4k
先ほどの動画も、確かに形上は「3840×2160」の4k動画であり、サイズも70MBでした。
無駄に容量ばかり食うのは頂けませんね。
安いアクションカメラを買うくらいなら、おいしいご飯を食べに行った方が有意義だと思います。
各社のアクションカメラ
アクションカメラの3大ブランドと言えば、GoPro / Insta360 / DJI の3社ですよね。
これら3つのブランドが、現在どんな立ち位置か、各アクションカメラの性能はどれくらいか。
比べてみたいと思います!
GoPro | Insta360 | DJI | |
---|---|---|---|
カメラ | HERO 12 | Ace Pro | Ozmo Action 4 |
レンズ | (情報なし) | ライカレンズ | (情報なし) |
チップ | GP2 | 5nm AIチップ | (情報なし) |
センサーサイズ | 1/1.9 | 1/1.3 | 1/1.3 |
動画解像度 | 5.3K | 8k | 4k |
重さ | 154g | 179.8g | 145g |
手振れ補正 | HyperSmooth6.0 | FlowState手ブレ補正 | HorizonSteady |
GoPro HERO 12
知らない人はいない、GoProのHEROシリーズ。
アクションカメラと言えばGoProという印象がありますが、最近はうかうかして居られない立場かもしれません。
HERO 12は、巷では1インチセンサーが搭載するのでは?
との期待が高まっていましたが、実際は据え置きの1/1.9インチセンサー止まり。
それどころか、他社2つのカメラはセンサーを大きくしてくるという、厳しいとも思える状況に。
HERO 10で少し話題となったのは、チップがGP1からGP2に変わった事。
HERO 10の頃はまだ、GP2の性能を活かしきれてないとの話もあったので、要するにGP2にはまだ余力があったものと思われる。
現在HERO 12では、GP2の性能が活かしきれるようになっているか。
いかんせん、GoPro HEROシリーズのチップは優秀なイメージを、個人的には持っている。
解像度は常にトップをキープしていたが、Insta360 Ace Proの登場により、その座を奪われる形に。
Insta360 Ace Pro
2023年11月21日に発売した、Insta360の超本気アクションカメラのAce Pro。
センサーサイズはDJIと並ぶ大型センサーを搭載し、このカメラは特に夜間撮影にも自信があるとのこと。
アクションカメラと言えば、青空下での撮影は綺麗だが、曇り空だとか森の中だとか、薄暗いときの画がぱっとしない。
そんなイメージが僕はありました。
ですが、今作で完全にそのイメージを払拭し、晴天下でも夜間でも美しい映像が撮影できるように。
こだわりはそこだけではない様で、ライカと共同開発したレンズがウリ。
ライカといえば一般人は手が出せない、超高級レンズメーカーである。
チップの名前については公表されていないが、5nm AIチップと搭載しているとのこと。
Insta360はAI画像処理、つまりはソフト面にも注力しており、今作ではAIが適切な動画編集をしてくれる、Pure Videoを搭載した。
前作の写真編集機能である、Pure shotは僕も好んでつかっていましたが、それの動画版はかなりアツい。
知名度こそGoProがまだまだ勝る印象ではあるが、画質の面ではInsta360がトップに立ったと言ってよさそう。
その分、重量と価格のどちらの面でも、やや重なのが痛い所。
それでも性能を考えると対価以上の性能があると言えそう。
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DJI Osmo Action 4
小さいボディの割に、実はInsta360と並ぶイメージセンサーを搭載。
前作の3は1/1.7だったので、やはり各社ともセンサーの大型化による、画質向上を考えているのは間違って無さそう。
チップやレンズについては明記無し。
というより、DJIのアクションカメラは画質以外の所に利点があると、僕は勝手に思っています。
Osmo Action 4は、3社で一番軽量かつ、小型。
4kという十分な解像度はあえて止めているのか、そこの競争に入り込んでくる印象は受けない。
防水性能は他社が軒並み10mに対して、18m防水という頑丈さ。
見るからに防塵性も高そうな見た目(偏見)をしており、おそらく耐久性はトップクラスかと考えられる。
今や定番化されつつあるクイックリリースシステムは、ちゃっかりAction 3 にて、しれっと搭載。
画質の競争からは一歩引き、独自の路線を行こうとしている気もします。
でも、結局4kの意味はある
PCモニターがHDだから、4kは必要ないんじゃないか?
そういった意見は、多くのブログや解説サイトで目にしますよね。
ですが、どうやらそうではないよう。
多くの人たちは
「スマホやタブレットで1080pの動画を見る為、4Kは必要ない」
と思われますが実は4Kには多くのメリットがあり、
note
「品質と編集」の幅を広げる事ができる力を備えています。
これは僕でも体感していることですが、画面のサイズ以上の設定にすると、やはり画質は良く感じます。
というか、絶対よくなります。
4K対応のカメラで撮影した動画は
note
とても細かいディティールが記憶されています。
「1080pへダウンコンバートしても
そのディティールは維持されます。」
どうやらこれは、情報量が多い(1080Pより4kなど)解像度を用いることにより、表示画面を小さくしても情報量はちゃんと活かされるようです。
確かに4kは4kモニターで見た方が綺麗です。
ですが1080Pの動画を1080Pで見るよりかは、4kの動画を1080Pで見た方が綺麗。
という事でしょう。
例えるならこんな感じでしょうか?
大は小を兼ねるという表現もできそうですね。