NEMOがやりよりました。下剋上です。
登山用マット界隈で、サーマレスト一強時代が終わりを告げましたね。
何がやばいって、サーマレストよりも安いのに性能が良い。至極分かりやすい理由です。
さて、2024年突如現れたNEMOのTENSORシリーズの詳細に迫るとしましょう。
久々のギアまとめレビューにワクワクしますね
NEMOがサーマレストに下剋上を申す
まずはこの表を見てください。エラい変わり様ですよ。
ブランド | マット | R値 | 重量 | 厚み | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
NEMO | 旧テンサー | 1.6 | 345g | 8cm | 17,500 |
NEMO | 新テンサートレイル | 2.8 | 369g | 9cm | 24,750 |
THERMAREST | Xライト | 4.5 | 354g | 7.6cm | 39,600 |
新テンサーは、テンサートレイルとして計量モデルはR値2.8からスタート。
おいおいこの時点で3シーズン行けちまうよ。
重量はほぼ変わらず、価格もXライトより大きく引き離した24,750円。15,000円も違いますや。
7,000円近い値上がりに関してはこの物価高と円安の今、よくぞここまで踏ん張ってくれた。
本命はコッチの冬用テンサー。
旧型アルパインから、エクストリームに名を変え登場。
Xサーモと比べた場合の厚みとR値。
そしてこの価格、Xサーモの2世代前と同じような価格で踏ん張ってくれています。
ブランド | マット | R値 | 重量 | 厚み | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
NEMO | 旧テンサーアルパイン | 4.8 | 475g | 8cm | 28,600 |
NEMO | 新テンサーエクストリーム | 8.5 | 472g | 9cm | 35,200 |
THERMAREST | XサーモNXT | 7.3 | 439g | 7.6cm | 44,000 |
スペックを比較するだけでワクワクしちゃうぜ。
では、新旧テンサーでどんな変化があったのか、見ていきましょう。
【2024年新作】TENSORシリーズの変化
R値の爆上げ
マット | R値 | 重量 | 厚み | 価格 |
---|---|---|---|---|
旧テンサー | 1.6 | 345g | 8cm | 17,500 |
新テンサートレイル | 2.8 | 369g | 9cm | 24,750 |
マット | R値 | 重量 | 厚み | 価格 |
---|---|---|---|---|
旧テンサーインシュレーテッド | 3.5 | 410g | 8cm | 21,120 |
新テンサーオールシーズン | 5.4 | 400g | 9cm | 29,150 |
マット | R値 | 重量 | 厚み | 価格 |
---|---|---|---|---|
旧テンサーアルパイン | 4.8 | 475g | 8cm | 28,600 |
新テンサーエクストリーム | 8.5 | 472g | 9cm | 35,200 |
夏用・3シーズン用・冬用と、R値は軒並み凄いことになりました。
元々が低かったというのはもちろんありますが、サーマレストのラインナップよりもシンプルで、丁度良いR値具合で選びやすいって人も多いのでは?
XライトがR4.5なので、微妙に暖かい感じで難しかったのですよね。
【ボトム生地の変化】20Dから→20/40Dへ
以前はボトム生地まで20Dというのがネックでした。
サーマレストのXライトが30Dという事もあり、耐久性でも引け目を感じていましたね。
ちなみに僕のサーマレストXサーモは、70Dだったのに継ぎ目で空気漏れが発生。Dが厚くてもダメな時はダメらしいです。
何はともあれ、NEMOのテンサーマットは20Dから40Dに厚み増強!
重量増加はそれなりに留めていますね。
【脱カサカサ音】吊り下げ式の断熱フィルム
NEMO的な今回の注力ポイントは、どうやらカサカサ音軽減。
どうやら内部構造を「吊り下げ式」にすることにより、カサカサカサカサと触れ合うのをやめたそう。
こりゃあ良さそうです。
タダでさえ寝心地良さそうだったテンサーが、さらに寝心地向上したとあれば、まじでサーマレスト危うきです。
僕のは2世代前ですが、まじでカサカサします(笑)
空気の入れやすさは主流
もはや当たり前となった、ポンプサックでカンタン空気入れは健在。
電動エアポンプとかもういりませんね。
では、これよりテンサーシリーズを見ていきましょう!
TENSORシリーズ3種
TENSOR トレイル
本体重量 | 369g |
---|---|
幅 | 51㎝ |
長さ | 183㎝ |
厚さ | 9㎝ |
収納サイズ | 25.5×φ9.5㎝ |
R値 | 2.8 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン |
R値が2.8という、無雪期ならすべてこれでオールオッケー的なマット。
それにしてサーマレストのネオエアーXライトより15,000円程も価格を落とす、おそらくエアマット最適解になりました。
弱点だった20Dという薄さも克服し、エアマット特有のカサカサ感を軽減。
これで寝続けたわけじゃあないので空論ではありますが、エアマットを選ぶ場合、理論上はほとんどのユーザーがこれを選ぶことになるんじゃあないでしょうか?
- サーマレストより安い
- R値が実に丁度良い
- 弱点を克服
TENSOR オールシーズン
本体重量 | 400g |
---|---|
幅 | 51㎝ |
長さ | 183㎝ |
厚さ | 9㎝ |
収納サイズ | 25.5×φ10㎝ |
R値 | 5.4 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン |
トレイルに31g増加させるだけで、R値が5.4という厳冬期にまで手が伸びてしまうスペックにまで向上。
サーマレストXサーモが40,000円超えというブルジョワになってしまった以上、TENSORオールシーズンで妥協する人が出てきたっておかしくは無いです。
そもそも昨今はR値の暴力が凄いことになっているので、一昔前ならこのスペックで厳冬期行き決定です。
男性ならほぼほぼこれで完結でしょう。
- サーマレストより安い
- 厳冬期に行けてしまうスペック
- 男性ならこれで雪山OK
TENSOR エクストリーム
本体重量 | 472g |
---|---|
幅 | 51㎝ |
長さ | 183㎝ |
厚さ | 9㎝ |
収納サイズ | 25.5×φ10㎝ |
R値 | 8.5 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン |
サーマレスト、EXPED、SEA TO SUMMITの4社のうち、これが最もR値が高く、ブッチギリました。
ガソリンの価格が高騰するように、ソシャゲのキャラがインフレするように、R値もここまで来てしまったか。
といった印象(言い過ぎ)。
ともあれ、R値8.5というのは、日本においては既にオーバースペックの域に来ている気がします。
もちろん暖かい程寝袋のスペックを減らすことはできますので、これから厳冬期の装備を揃えるうえでは、寝袋とマットの組み合わせでこちらを考えても良いかもしれません。
逆に言えば、既存のR値6以上のマットがある場合は、買い替えって程でも無いかもしれませんね。
- R値最強
- なのにサーマレストよりも安い
TENSORシリーズまとめ
という事で、テンサーシリーズは2024年に大幅進化をしました。
もちろん何割かは価格上昇しているものの、それでも物価高と円安の流れにギリ逆らった感覚で、よくぞここまで値を抑えてくれたという感じです。
むしろサーマレストよりもかなり安く、それも性能が高いとあって、これからしばらくサーマレストが新型になるまでは、TENSORシリーズがエアマットの覇権を握る気がしますね。
日本ではNEMOがかなり人気ですし。