化繊インサレーションの種類に、脳みそが混乱している方も多いのでは?
どれも同じなのかなぁ?
より暖かいのはどっちなのかな?
気になりますよね!
どうも!
今回はインサレーション特集!
プリマロフト…
エクセロフト…?
コアロフト…??
混乱するのも無理なかろう
僕もかつては訳が分からなかった。
という事で、見つけられる限りすべてを一覧にしてみましたぜ!!
インサレーション全種
インサレーション | メーカー | 特徴 |
---|---|---|
プリマロフト | ALBANY社 | 最大シェア |
クライマシールド | Climashield® | プリマロフトと二大柱 |
アルファ | ポーラテック社 | フリースに近いインサレーション |
3DeFX+ | 東レ | 日本企業だが強いシェア |
シンサレート | 3M(米) | 安価・アパレルや車に採用 |
エクセロフト | モンベル | 独自素材 |
コアロフト | アークテリクス | 独自素材 |
ファインポリゴン | ファイントラック | シート状・濡れ耐性 |
エアロゲル | アスペンエアロジェル社 | (特殊なので詳しく説明) |
い、一日かかったぜ…
お疲れちゃん
インサレーションの種類を大きく分けると、以下のようになりました。
- 化繊インサレーション専門メーカー
- 各ブランド独自の化繊インサレーション
やっぱり専門メーカーは、HPの作りから本気度がうかがえます。
各ブランドに素材提供も行います。
結局どれも似たようなもんじゃ…?
それが若干違うのよ
形や特性などが
製品開発までの歴史的背景や特徴を知ることで、ニーズに合わせた素材選びができるかも
これを機にスッキリさせちゃえ!
プリマロフト
米軍御用達の化繊代表格
米軍の要請を受けたALBANY社が開発した、羽毛に代わる画期的な超微細マイクロファイバー素材。
アウトドアメーカーのみならず、アパレルメーカーへの素材提供も非常に多いです。
プリマロフトが基準と考えて良さそうです!
プリマロフトの特徴は、羽毛(ダウン)と違って撥水するため濡れたとしても保温性を失わない点、湿気に強く通気性もダウンより優れるという点があります。
多くの利点があり、生物保護の観点からもダウンに変わる素材として注目されています。
なんと、世界500を超える有名スポーツブランドやアパレルブランドが、プリマロフトを採用。
そんなプリマロフトには、派生する二つの種類があります。
- プリマロフト・ゴールド
- プリマロフト・シルバー
プリマロフト・ゴールド
ダウンとプリマロフトのハイブリッド素材。
ダウン7に対してプリマロフト3割
そんなプリマロフト・ゴールドは、ダウンで言うフィルパワーで750FP相当になります。
ダウンの割合が高いので、化繊よりはダウンの特徴を強く残した中綿素材になります。
プリマロフト・シルバー
こちらもダウンとプリマロフトのハイブリッド。
ダウン6に対してプリマロフト4
プリマロフト・シルバーは、ダウンで言う650FP相当になります。
ゴールドよりもインサレーションの特徴に近づきます。
ところでプリマロフトは暖かくないのか?
よく、「プリマロフトは暖かくない」「エクセロフトは暖かくない」と言われますが、ダウンと比較して保温性はどうなんでしょうか?
答えなんですが、重量や収納性で比較するとダウンに保温力は劣る。です
上記のゴールドとシルバーでヒントを出していますが、ダウン量を減らすごとにフィルパワー相当が低下しています。
(ゴールドは750FP相当、シルバーは650FP相当)
ダウンの割合を増やすごとにフィルパワーが上がるんやね
各化繊インサレーションも温かく感じられるように工夫はされていますが、体感としてもダウンのほうが暖かいと言えます。
ダウンと比較した化繊インサレーションの利点は、「濡れてもペチャンコにならない」です。
プリマロフトもアルファシリーズも十分に暖かく、使い勝手はダウンを上回ります。
クライマシールド
プリマロフトと対をなすライバル?
50 年以上にわたり、Climashield®は米軍と協力して、戦術的アプリケーションの極めて厳しい要件に対応するカスタム断熱製品を開発し、重量比に対する暖かさの厳格な試験において常に競合他社を上回っています。
climashield
米軍はプリマロフトと二股だね
クライマシールドを積極的に取り入れているのが、アークテリクス。
基本的には化繊の中綿素材なので同じような素材ではあるのですが、プリマロフトと比較するとどうやら耐久性や難燃性が高そうです。
数値的な比較できませんが、高耐久の秘訣は弾力性だとか。
CLIMA(気候)SHIELD(盾)
確かに強そう、米軍も好きそうw
ポーラテック アルファ
通気性が良いから僕は大好き
さすがはポーラテック、フリースに近い見た目。
これでも一応化繊インサレーションの分類です。
ミレーやフォックスファイヤーが積極採用
「呼吸する中綿」とも称され、その異常なまでの通気性がウリのようです。
ほんまや!フリースみたい!
亜種:アルファダイレクト
ポーラテックのアルファには、亜種があります。
その名も「アルファダイレクト」
通気性が良いアルファですが、さらに通気性を良くしてほしいとの要望から出来上がりました。
どちらかというと、毛のようにくっついた中綿剥き出し、って感じなのがアルファダイレクトです。
フリースじゃあないの…?
体感はフリースより有能
東レ 3DeFX+
JAPANが生んだストレッチ化繊インサレーション
なんと日本の企業からも名が上がりました。
東洋レーヨン略して現在は東レ、日経株の一角も担う日本の大手化学企業です。
3D構造の中綿をベースに、東レの最新ストレッチ素材と特殊な縫製技術を組み合わせることで、動きやすさと温かさを両立した「継続的な快適性」を追求しました。
TORAY
3DeFX+という名前は伊達じゃあない。
らせん状構造による高い伸縮性と豊富なデッドエアーの保持力です。
うわめっちゃ3D!
僕も所持していますが、ミレーのトイシリーズに採用されています。
通気性抜群で濡れにかなり強い。
だが3Dらせん構造のせいか、弾力性があり収納性には劣る印象。
3DeFX+はどうやらパタゴニアも開発に関わっているらしい。
代表はパタゴニアやミレー
東レ、やるじゃん!
3M シンサレート
安価なワークマン品
シンサレートは、アメリカの素材メーカーである3Mが開発したシート状の保温素材。
3Mはテープとかオフィス用品などで、ホームセンターでもよく見かけます。
綿シート状の保温素材。比較的薄いため、かさばりが少なく操作性が求められるシーンで有効な保温素材です。保温性はプリマロフト®に一歩譲ります。
ロストアロー
どちらかというとシンサレートは、安価かつ扱いやすい素材。
そのため、大手アウトドアメーカーというより、アパレルやワークマンといった大衆向けの商品に採用されている傾向にあります。
また、シンサレートは車の防音材としての知名度のほうが高いです。
僕の愛車であるジムニーを解体したとき、天井を外したら出てきました(笑)
こだわりアウトドア人は無視していい素材かもね!(笑)
モンベル エクセロフト
モンベルのインサレーション
基本的にはプリマロフトと似たような紹介をされているので、ああ、モンベルの独自素材なんだろうなー、くらいに思っていただければよいと思います(笑)
そんなっ、適当な!
なんせ保温性の比較などはメーカー名を伏せているので、いつだってライバル会社との性能差は数値的に比較できません。
特徴と呼ぶには弱いですが、太さの異なる繊維にそれぞれ役割を持たせています。
アークテリクス コアロフト
アークテリクスの独自素材のインサレーションは、コアロフトと言われます。
公式にも詳細は記載されておらず…
アークの類似品なんだろうな
程度で認識するのが良いかな
こちら、アークテリクスには詳細な情報は記載されていませんでした。
ファイントラック ファインポリゴン
ファイントラックはコイツに気合を入れているようだぜ!
さーて、ファイントラックのインサレーションはファインポリゴンです。
なんとこいつは、シート状の極薄インサレーションとなっており、特許取得もしています。
気合の入り方が違うや
極薄のシート生地を、最先端のシワ加工で凹凸のある立体構造にし、積層させて温かい空気の層を形成。驚きの軽さを持ち、温かく、水濡れに強いという特長を持っています。 特許取得済(特許第5752775)
ファイントラック
ファインポリゴンの特徴としては、ファイントラックらしく、とにかく濡れに対する耐性を高めています。
シャワークライミング文化を持つ日本。いかにも湿潤な気候の日本企業らしい発想のインサレーションですね。
シート状で撥水性も意識しているためか、他のインサレーションよりもシャカシャカしています。
エアロゲル
マニアックなのはここから…
あなた
『覚悟して来てる人』
・・・・・・・・・
ですよね
覚悟はいいか?
オレはできてる
「え?ナニコレww」
と、思う方もいらっしゃるでしょう。
その通り、エアロゲルはさっきまで紹介したインサレーションとは分けて考えて頂きたい。
ドイツ読みでエアロゲル
英名でエアロジェル
どちらでも同じ意味です。
この半透明について説明致す
エアロゲルは、無数に穴が開いた半透明の超軽量断熱素材。
開発自体は、1931年と90年以上の歴史を持ちます。
本当に物体かよ!!って思いたくなりますが、非結晶性と呼ばれる物体なので厳密には固体ではないらしいです。
ガラスやゴムと同じ部類と聞くと、納得。
まずはとにかく、こちらの4分動画を見てほしいです!
炎で炊いても燃えない、水すら包み込んでしまう撥水性、とんでもない素材です。
なんとイカれた素材だこいつは
エアロゲルの特徴をいくつか紹介します。
なお、特徴に関してはこちらの論文を参考にさせていただいています。
(※論文なので読まなくて大丈夫です(笑))
シリカエアロゲル及びその装飾体の作成と構造及び熱的・機械的・物性評価に関する研究
エアロゲルの開発と応用
気孔率95%
95%が空気だぜ
あの見た目ゼリーっぽいっぽい見た目からは想像できない気孔率。
イメージするならば「軽石」
あれの超絶ゲルバージョン。
ほぼ空気という特性を生かして、高い断熱性を持ちます。
ほとんど透明・低屈折
「ほとんど」というにはちょっと無理がありそうですが、一応そう表現されます。
屈折率も低いので、ガラスとガラスの間に挟んで、断熱ガラスを作る企業もあるそうです。
低熱伝導
高い気孔率のたまものでしょう。
先ほどの動画でも見て頂いたと思いますが、炎で炙っても平気です(笑)
なんとなくスゴさは認知して頂けたでしょうか
で、結局コイツは何なんだ?
って事ですよね(笑)
エアロゲルは、最近になってアウトドアウェアに取り入れられ始めました。
でもなぜ?
90年も前から開発された有能素材です。
今まで素材として扱われなかったのでしょうか?
それは、製造コストの高さと素材の虚弱性にありました。
有能素材にはいつも付きまとう事実…
製造コストについては、最近は研究により克服されたそうです。
(超臨界乾燥法から常圧乾燥法が発見されたとかなんとか…)
ただ、素材としての耐久性に関してはどうしようもありません。
焼かれても平気なのに、物理耐久はゴミ…
ドククラゲのようなパラメーター。
ですが、それを克服するものが開発された模様
↓↓
プリマロフトクロスコアエアロゲル
(PrimaLoft Cross Core)
細い繊維が、先ほども紹介したプリマロフト。
画像ではPrimaLoft Fiber(ファイバー)と書いてありますね。
その内部のぷっちょグミのような粒粒が、エアロゲルのようです。
画像の下に張ってあるリンクから、1分ほどの融合動画がYoutubeで閲覧できます。
要するに、プリマロフト繊維の内部に虚弱なエアロゲルを融合してやった。です。
とんでもない技術力なんじゃあ…?
そんなウェアが登場しました
ノースフェイスがプリマロフトと共同開発をし、完成した技術「サーモボール」。
化繊の中に、エアロゲルが内蔵されています。
こ、こんな贅沢なものが買えていいのか!
しかもノースフェイス、案外価格もお手頃だよね。
これからも技術改心、進化はしていくと思われます。
ふぅ…(;^_^A
疲れたぜ
おつかれちゃん
結局一日使って調べてしまったぜ。
インサレーション | メーカー | 特徴 |
---|---|---|
プリマロフト | ALBANY社 | 最大シェア |
クライマシールド | Climashield® | プリマロフトと二大柱 |
アルファ | ポーラテック社 | フリースに近いインサレーション |
3DeFX+ | 東レ | 日本企業だが強いシェア |
シンサレート | 3M(米) | 安価・アパレルや車に採用 |
エクセロフト | モンベル | 独自素材 |
コアロフト | アークテリクス | 独自素材 |
ファインポリゴン | ファイントラック | シート状・濡れ耐性 |
エアロゲル | アスペンエアロジェル社 | (トンデモ素材) |
復習がてら、表の一覧を載せておいたよ!
ブックマークしていつでも来てくれや!
まってるぜ!
こんなマニアックな文章を、最後まで読んでくれてありがとう!
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