みなさま、登山のテント泊におけるマット選びですが、一体何を重視しますか?
テント泊のマットの役割についてですが
- 底冷えを防ぐ断熱効果
- 地面の凹凸を緩和する効果
この二つがメインだと思います。
ここでは、1の底冷えについて、快適な睡眠を得るための考察をしていきます。
いち早く、マットを選びたい!
様々な種類のマットについて、特徴を知りたい!という方は
種類やコスパで選ぶ、登山用スリーピングマット オススメ14選をご参照ください。
底冷えについて
登山でのテント泊は、夏~秋は地面もしくは芝の上にテントを設営しますね。
冬、もしくは春は雪の上にテントを設営すると思います。
雪の上では、底冷えするのは想像にたやすく、地面でも体とほぼ接した状態であれば、熱が伝わりやすく、寒い思いをします。
テントはせいぜいインナーとグラウンドシートのみなので、寝袋に入って寝たところで、寝袋はつぶれてしまい、底冷えだけはマットがなければどうしようもありません。
当たり前ですね
マットにはR値という数値が記載される
R値という数値をご存じでしょうか
R値 とは、外断熱住宅には欠かせない断熱材の性能を示す値。「熱抵抗値」とも言う。数字が大きいほど断熱性能が高い。
iz・ZAT HOUSE より
R値とは、建築業界で用いられる用語なのですが、断熱性が値として表されます。
それでも、これまでは各メーカーが独自の実験方式でR値を測定していたため、メーカー間の数値にばらつきがありました。これではユーザーも選びにくくなってしまいます。
そこで、大手マットメーカーが集まり、同様の検査方式によるR値の測定をするようになりました。それが民間国際標準化・企画設定機関【ASTM】による測定規格になります。
R値の基準が統一され、商品比較がより判りやすくなりました。
春夏秋冬をR値で選ぶ
季節 | R値 |
---|---|
夏 | 1~2 |
春秋(無雪期) | 2~4 |
春(残雪期) | 4~6 |
冬(厳冬期) | 6以上 |
こんな感じのイメージで選んでいただけると良いと思う
ただし、4種類もマットを持つ必要はありません。冬用の暖かいものと、夏用のもの2種類でだいたいOKでしょう。
2~4程度のものと、6以上のものがあれば、雪シーズンとグリーンシーズンで分けるといった使い分けで大丈夫です。
なぜ2種類かというと、R値が高すぎても夏は背中が暑いためです。2000mを超えるテン場では気温こそ低くなりますが、背中だけは体温の反射が強いと、汗ばむほどです。いくら寝袋を薄くしても背中の暑さだけは感じてしまいます。
R値を上げるためには重ねてしまえばいい
R値というのは実際に足し算で計算が可能です。
マット選びにおいて、予算が足りないという方は、足し算で考えても良いと思っています。
R値が6を超えるような厳冬期用マットは3万円ほどするため高価ですが、対してR値が4程度のものなら2万円程度で購入が可能です。例えば、R値が2程度の銀マットを持っているという方は、重ねてしまえば実質R値は6に達します。
西穂高山荘で雪洞泊をした写真なのですが、安いマットの下にサーマレストのZライトソルを敷いてあります。
寝袋のスペックを一段下げられる
実はテント泊において、マット(R値)の存在は思っているよりも大きな割合を占めます。
例えば10月の涸沢カールに紅葉登山をしたとして、テント泊用に銀マット(R値2)と3シーズン用の寝袋(モンベル♯3)を用意したとしましょう。
これでは若干寒い思いをして、夜間に目覚めるでしょう。対応策としては、寝袋を1段上げて、冬対応のものにするか、マット側のR値を上げることでどちらも快適に過ごせるでしょう。
そして、これは私の体験でもあるのですが、銀マットしか持っていないとき、厳冬期のテント泊にて銀マット+寝袋2つという組み合わせで就寝しました。厳冬期用の寝袋の中にさらに3シーズン用の寝袋を突っ込んで、2重シュラフにするという作戦です。体は良かったのですが、底冷えだけはどうしようもなく、結局寒い思いをしました。そこで、R値が6を超えるマットを購入したことで、シュラフを1つに減らしても、底冷えもせずに快適に過ごすことができました。
このように、防寒対策として、マットの占める割合は結構大きい物です。
昔、先輩に言われたことなのですが、「マットを良い物に変えると寝袋の値段が1段落ちるよ」といわれましたが、その通りなのです。
まとめ
底冷え一つで、マット選びは結構悩まされますが、寝袋同様に非常に大きな存在となります。
寝袋とマットは2種類ずつ持っていれば、それらの組み合わせで対外の登山が適温で過ごせるのも事実。
残りは、地面の凹凸についての役割もありますが、こちらについては登山マットの種類によっても性能が違います。季節や好みに合わせたマット選びができると思いますので、よければ次の記事も見ていってください。