メリノウールのインナーを、登山にアウトドアにと検討している方に向けての考察記事です。
合成繊維のインナー、ヒートテック、メリノウールの安いやつ(ワークマン)、高いメリノウール、、、
今までいろいろ使って、ウール素材について調べて、感覚と経験と情報を統合できたので報告する!
って感じなので、良かったら見ていってください!
メリノウール×登山
結論から申しまして、メリノウールは登山に向いているし、僕も良く使います。
それでもメリノウールは性質上、暑くてどうにもならん!
って思う時もあれば
この暖かさがありがてえ、、、
って思う時だってあります。
やっぱり臭わないし、汗冷えもしにくいので、万能だなあと思う時も結構多いです。
だから僕は使い分けをしていて、人に説明する時も、その人の代謝に応じておすすめしています。
これ以下を読んで頂ければ、きっと理解できると思います!
メリノウールの特長
- 保温性が高い
- 保湿もする
- 臭わない
登山やアウトドアにおいてメリノウールを選ぶときは、だいたい「暖かいから」という理由が多いかな?
あとは臭わないから、という理由がメインだと思います。
今回は登山やアウトドアにピックアップして、できるだけ詳しく解説していきたいので、「保湿」という側面から詳しく解説していきます。
繊維の特徴と、僕の感覚(僕は汗かき)から統合した話になります!
メリノウールの保湿性
メリノウールは保湿します。保湿するけど、湿度も逃がします。
分かりやすいように化繊を引き合いに出してみますね。
比較対象の、化繊の保温インナーは保湿しません。
合成繊維(化繊)は保温しない(しにくい)
顕微鏡レベルまで拡大したとき、化繊は一本の糸であり、中は密です。超極端な事を言うと、超極細の釣り糸みたいなものかな?
こういったポリエステル系の繊維は、石油由来の中実繊維なので、もちろん湿度はため込みません。もとは油なので。
細い繊維を立体的に縫製することで、保温性を作り出しているのが合成繊維です。
空気の層に保湿はすれども、繊維そのもの内部に湿度をため込む事がありませんので、身体から出た汗(湿度)は合成繊維を素通りして、外に、もしくはアウター側へと移動するだけです。
こうして化繊インナーは、ムレに強い構造になっています。
もちろん汗で濡れるほどの状況になると、素通りどころじゃなくなるので、繊維にまとわりついた汗で不快になりますがね。
綿(コットン)は汗を湿度を抱え込む
参考までに、合成繊維の真逆なのが綿(コットン)です。
汗も湿度も繊維の中にため込んで、大切にしてしまう素材なので、湿度はすぐに飽和してキャパオーバーを迎えます。
だから不快だし、残った水分は止まると冷えるので、登山やアウトドアに不適切って言われるんですよね。
メリノウールは保湿するし「放出」する
じゃあコットンほど湿度を大切に抱え込みませんが、繊維内に吸湿できるのはメリノウールも同じです。
だけど逃がす力はコットンよりも高いので、上手く湿度を循環させるイメージ。
ですので、程よく発汗する程度ならば、適切な循環で不快感は実質ゼロといったところでしょうか。
逆に汗の量、身体から出る湿度の量が多くなるほどに、放出が間に合わずに不快感を感じます。
またこうなったらメリノウールも最悪で、暑い&蒸れるのコンボをつくっちゃうのですが…
「湿度が高い」は暖かい
この画像のイメージから、既に暖かさを連想することでしょう。当たり前ですね、サウナなので(笑)
夏の湿度は高い方が暑いです。同じ温度でも、湿度が高い方がサウナは暑いです。冬は乾燥するのでさらに寒いです。
服の中もおんなじで、湿度が高いと暖かく(暑く)感じます。
メリノウールは発熱性があると言いますが、イメージが面倒ですし、詳しい仕組みは謎。ですので僕は、湿度があるから暖かいと思うようにしていて、実際そう感じています。
つまり何が言いたいかって、メリノウールは湿度も保つ特性があるために、見た目以上(薄さ以上)の暖かさを感じています。
同じ温度でも暖かくなります。
合成繊維も保温はするけど、湿度は逃がすので、温度以上の暖かさは得られない感じ。
だからメリノウールは、合成繊維よりも暖かいですし、世間でも暖かいイメージがあるのかと。
さっき言った暑い&蒸れるコンボというのは、吸湿ゆえのメリノウールの弱点だったり。
メリノウールの最大の欠点
簡単に言えば、キャパオーバーしたときの暑さは大変です。
ご丁寧に吸湿してくれるので、体感温度は暖かくなり、更に汗をかきます。
気化熱で奪われる温度以上に、身体から湿度は供給されるので、発汗&湿度上昇の連鎖が発生。
はっきり言って暑いのです。
虫食い・毛玉・乾きにくい
といった、メリノウールの分かりやすいデメリットは書いてありますが、アウトドアにおいてはこのオーバーヒートへの近道こそが、個人的に感じるメリノウール最大の欠点に感じます。
だから僕はいつも、汗かきの人には合成繊維をおすすめしているのですよね。
寒くなりにくいのはメリノウール
弱点かと思ったメリノウールも、程よい代謝ならば最大のメリット。
自分から放出される湿度を、程よく大切に扱ってくれるのも、メリノウールのいいところと言えるんですよね。
合成繊維は湿度をスルーしちゃうので、止まっていると結構寒いんですよね。
保温はしてくれるけど、もうちょっと保湿もしておくれよ…、という具合に湿度が恋しくなります。
なのでロープを使ったり、休憩が多かったり、そもそも風で湿度が飛びやすくなっていたり。
移動がゆっくり系の登山ならば、メリノウールが最適解だったりするのです。
代謝がほどほどの人なんかも、メリノウールのインナーは調子が良いです。
それにメリノウールは、ゆっくりとは言え休んでいれば湿度は少しずつ逃がしてくれます。
コットンみたいにずっと湿度を抱え込まないので、暑くなったら湿度を逃がして、体温調節すればいいだけ。
合成繊維のような、速攻的冷え方もしないので、汗冷えしたくない雪山なんかと相性が良かったりもします。
ガンガン湿度を逃がしたい、スピードハイク系の人は合成繊維の素通り性が効いてきますが。
Tシャツ一枚で寒い思いをして、風邪をひきたくない時とかも、メリノウールが良い感じ。
多少汗をかいていても、合成繊維ほどの冷え冷え感は無いのですよね。
夏場は薄いメリノウールを選んでおけば、割と万能っちゃ万能よ。