2022 4月27-28日
燕岳 テント泊
北アルプスの女王と言われる燕岳
4月は残雪が美しく、女王として相応しい装いになる時期でしょう。
そんな燕岳に、テントを担いで燕山荘まで登ってきました。
4月末、燕岳の積雪状況、気温、難易度を含めてレポートしていきます。
ピッケル・アイゼン装備のうえで臨みましたが、人によっては結構辛い山行になったようです。
中房温泉からスタート
どうもこんにちは!
ミレーマンたなりょうです!
標高は1462m、定番の中房温泉からの出発です。
開始時刻は訳あって12:00スタート、4月末の中房は暖かく、すでに半袖で大丈夫なほど。
富士見ベンチ辺りまで長袖では暑かったので、ミレーマンで歩く羽目になってしまうのでした。
さすがは北アルプス三大急登が一つ、合戦尾根。
登山開始から熱烈な歓迎が嬉しいのなんの。
残雪:なし
第一ベンチ ~ 富士見ベンチ
中房温泉から燕山荘までは5.5㎞の道のりです。
休憩にちょうど良い距離、実に心地よいタイミングでベンチが用意されているので、遠慮せず座る。
ウグイスの声が聞こえてくるので、心地よさに座ったまま意識が飛ぶのも心地よい。
第二ベンチを超えたあたりから、残雪がちょこちょこと増え始めます。
第三ベンチを超えたところから、急に残雪は増えてきます。
クマ笹と残雪のミックスなので、滑落には注意したい感じでした。
このエリアからはアイゼンが必須です。
チェーンスパイク、軽アイゼンでも行けるっちゃいけますが、ここからずっと雪なので8本以上のアイゼンの方が楽です。
富士見ベンチは、「富士、見えないベンチ」でした。
春ならではのカスミの空。写真を撮る者としてはどうにもやりにくい季節でございます。
富士見ベンチ以降
急登は続き、ベンチを挟みながら坦々と上ります。
結構勾配があるもんで、友人はスローペースで頑張っております。
僕はそれを後ろから、頑張れー頑張れと、黙ってみているのでした。
第一・第二ベンチ間:積雪わずか
第二・第三ベンチ間:道に残雪がありますが、ここまでツボ足可
第三・富士見ベンチ間:ここからほぼ残雪、勾配も急なのでアイゼンが望ましい
合戦小屋以降
これは帰りの画像です。
なぜかというと、この時点で16:40分を超えていたために、写真撮影の余裕がありませんでした。
友人の体力では、残雪の燕岳は難易度が高かったのかもしれません。
残雪は脆く、ところどころ踏み抜きによる穴に足を取られます。
岩の露出もあり残雪とのミックスルートです。総合的な身体機能に自信のない方や小柄の女性は、コースタイムより時間がかかるかもしれません。
同行した友人は、体力には余裕がありましたが、思いのほかここまで時間がかかってしまいました。
スタートが12時近くになってしまったこともあり、ここからは時間の勝負でした。
ちなみにここまでのコースタイムは2時間30分ですが、今回は5時間近くかかっています。
そして、合戦小屋から燕山荘まで、1時間30分と書かれた看板を見つけてしまいます。
二倍かかると考えると、到着が20時になってしまします!
どうしたもんか…。
燕岳は北アルプス入門だよ!
と言って誘ってしまった手前、僕にも責任がありますし…。
結局、ザックを2個背負えばよいという脳筋的解決を思いつく。
僕は案外マゾなので、このあたりからがキモチヨクなってきたのでした。
燕山荘で朝を迎えたい vs 安全な選択を取るべき
体力に余裕はある vs 時間がない
素人ガイドをしている手前、安全策をとるべきとは思っていたのですが、素人ガイド故、山頂で喜んでもらいたいという気持ちも持ち合わせているのです!
山の先輩方…、頑張ったので、どうかこの行為を許してください!
空身の友人は余裕があったのでしょう、ちょっとキモチヨクなってしまっている僕を、後ろから撮ってくれていました。
燕山荘到着 19:00~
ダブルザックを担ぐこと2時間。結局到着は19:00
この時期としては、ヘッドライトが必要のないギリギリの時間帯でした。
急いでテントの設営をします。
燕山荘のテント場はこんな感じ。
残雪の上なので、ワンポールテントもキッチリ立ち上がります。
裏銀座方面の残雪と星空が美しいです。
富山の街明かりですかねー。公害ともいわれますが、人の営みを感じるという点では、僕は少し好きだったりします。
こちらは表銀座方面(大天井岳)と槍ヶ岳。4月、南西の空は夏の天の川とコラボします。
撮影はNikon Z6Ⅱ NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S を使用しています。
燕岳の翌朝
友人はどうも足をくじいてしまった模様。
結局帰ることはなんとかできましたが、燕岳まで足を延ばすのは今回は断念。
僕だけ周辺を散策して、燕岳を写真に収めます。
春の霞の時期、冬の真っ赤な朝焼けや夏の黄金の夜明けのような激しさはありません。
これはこれでゆっくりとした時間が過ごせるというもんです。
晴天といえど平日。僕らのほかにテントは2張りでした。
いいロケーションのテン場です。
僕のテント、ルナーソロの中からは、ひょっこり燕岳が見えています。
開放感があるのもルナーソロの利点です。
友人と行くときも、ドーム型テントとの相性もめちゃいいです!
ルナーソロだけでなく、個性はテントは美しいですね!
下山します!
燕岳はまた今度行くこととしましょう!
登りは薄暗く、45㎏程度の荷物を背負ってキモチヨクなっていた道です。
赤テープを目印に歩くので、残雪上でもコースは基本見失いません。
ただ、稜線なので左右どちらかに滑るとどうしようもありません。
絶対に滑らないことか、ピッケルの持参を考えたいですね。
- チェーンスパイクや軽アイゼンでも可能だが、8本以上のアイゼンが使いやすい。
- 滑落すると怖いので、ピッケルがあった方が断然安心。
- 残雪の踏み抜きなどコースは悪いので、慣れない方は時間は2倍を見積もるとよい。
画像の編集をしました!
Lightroomを使って、画像の編集を行いました。
ポイントは、マスクを使うことで山のダイナミックレンジに影響を及ぼさないようにすることでした。
雪の残る山脈を、できるだけそのまま綺麗な描写を保つように意識しました。
仕上げたかったイメージとしては、霞が発生してしまい、朝っぽさの足りない光を作り上げることです。
山の左側、影の部分の明るさも足しますが、のっぺりとした画にはしたくなかったので、マスクを使って光を演出しました。
春の霞は、優しいイメージとして残した画に仕上げたいところでした。
それでいて、朝感を出すために暖色の光を追加。それでいて、後ろの山脈の緑や青は失いたくなかったので、暖色の追加はマスクを使用。光の射す部分にのみ黄色や赤を追加しました。
レタッチは、どんな写真に仕上げていきたいか、最初のイメージが大切だなーと、最近思うようになりました。
天の川のように強調するのも楽しいですが、ちょっと冴えない朝の山も、良さを活かしたレタッチもいいかも?
最近はLiteroomの扱いにもだんだん慣れてきて、楽しくなってきました。