登山用マットのサイズと長さについての解説です。
ショートサイズとレギュラーのどちらを選べばよいか?
ワイドサイズの必要はあるか?
その他、エアマットとクローズドセルタイプのどれが良いか?
こんな質問にお答えできれば!
と思います!
多くのマットが183×51cm
まずはこちらの表をご覧ください。
マット | サイズ |
---|---|
サーマレスト・ネオエアー | 51×183cm |
ニーモ・テンサー | 51×183cm |
サーマレスト・プロライト | 51×183cm |
ニーモ・ゾア | 51×183cm |
サーマレスト・Zライトソル | 51×183cm |
ニーモ・スイッチバック | 51×183cm |
この通り、サーマレストとニーモのマットを比較して分かるのが、どれも標準サイズは51×183cmであるということ。
一般男性の肩幅が45.6cm、身長が171.5cmであることから、横幅にも長さ的にも数%~1割程度の余裕があることがわかります。
逆に言えば、寝返りをすることや手を広げてもはみ出さないということは、諦めた方が良いということですね。
ショートサイズやミディアムサイズがある
通常のサイズは180cmあるので、日本人男性はゆとりを持って横になれることがわかりました。
マットによっては、女性用と思われる「ミディアム」や「ショート」サイズの160cm前後のマットがあります。
160cm前後の長さを「ショート」と読んだり、「ミディアム」と呼ぶ場合があります。
逆に、120cm前後の長さを「ショート」や「XS」や「S」と表現されます。
混乱の無いよう、呼び名よりサイズで考えると良いです。
ここでは一応、160cm前後をミディアムと呼びましょう。
こちらは女性用に断熱性が若干高かったりと、その他得点も付属している場合もあります。
ミディアムサイズが展開されていない商品もあるので、女性の方は「あればラッキー」と思って選ぶと良いと思います。
ショートサイズの使い方
写真のマットがZライトソルのSサイズ(130cm)です。 うちの妹でも足がはみ出てしまっていることが分かります。
145cmというチビ
これでははみ出た足が地面に接地して、寒さやゴツゴツ感を寝袋越しに感じます。
そこで対策として、ザックを足元に置くことでマットの代わりにするわけです。
ショートサイズは上級者向け
ショートサイズを選ぶメリットとデメリットは何でしょう?
もちろん、メリットは軽量化でしょう。
デメリットは以下のようになります。
- 雨の日の濡れリスク
- 寝相の悪さによるズレ
雨の日の濡れ
大雨に遭遇してザックが濡れた場合はどうでしょう?
ザックカバーをしていたとしても、背面はどうしても濡れてしまいます。
濡れていなくとも、湿ったザックの上に乗せたシュラフというのは、どうしても湿って保温性を落とします。
テントが浸水した場合はどうでしょう?
実際の出来事ですが、上記の写真の時は小さな穴からテントが少しずつ浸水しました。
マットが長ければ、エスケープゾーンが180cmありますが、短いマットだとエスケープゾーンが小さくなります。
シュラフの保温性は失い、乾くこともありませんでしたので、結構手を焼きました。
以上から、ショートサイズはあくまで上級者向けといっても良いでしょう。
快適な眠りはやはり、十分な長さを持ったレギュラーサイズです。
エアマットのショートサイズは特におすすめしない
エアマットは最も厚みのあるタイプです(サーマレストで6.4cm、ニーモで8cm、シートゥサミットで10cm)。
厚みがあるマットでSサイズを選択したとして、枕を別で用意したとします。
厚みがある分枕が低くなりがちなので、どうしても頭が低くなってしまいます。
マットのギリギリに枕を用意したとして、エアマットのようにつるつるした生地では滑って落ちてしまいます。
こうなってくると、シートゥサミットのピローシステムが羨ましくも思います。
ということで、エアマットのショートサイズは、個人的にはあまりおすすめはしません。
クローズドセルやインフレータブルのSサイズは「アリ」
なぜかというと、マットが薄いからです。
サーマレストのプロライト(インフレータブル)が2.5cm、Zライトソルは2.0cmなので、枕との落差はさほどなくなります。
マットのギリギリにおいても、ふわふわもしていないのでそこまで滑る事はありません。
また、クローズドセルマットは収納サイズに直結するため、ショートサイズを選ぶメリットは大きいです。
ということで、個人的にはクローズドセルマットやインフレータブルマットはSサイズを選ぶ余地があると思っています。
マットの厚みと岩場の関係
次にマットの厚みの話をしましょう。
マットの厚みが関係してくるのが、岩場との相性です。
テントの下に、一部露出した岩が存在する場合があると思います。
アレが背中の辺りに位置していた場合が最悪です。
テントのマットには厚みの大小があり、エアマットが最も厚みがあります。
露出した岩の痛みを最も緩和してくれるのが、エアマットタイプになります。
最も寝心地が良いとされるのはインフレータブルですが、岩場でも整地でも安定した寝心地を維持するのがエアマットの利点になります。
中にはちょっと固めのマットもあるので、一概にその他のマットがいけないわけではありません。
ですが、個人的には不整地に対する耐性は
このようなバランスになると感じています。
さきほど紹介した、ニーモのオーラを含めた27種をすべて詳しく比較した記事を作成しました。
かなり詳しい記事になりましたので、時間があるときに見てください。
冬季マットの長さと幅と形の話
冬季マットは例外的に、長いマットや幅広マットを選ぶ余地はあると思っています。
冬季マットにショートサイズはナンセンス?
上の写真は雪洞泊をしたときの写真ですが、長いマットは壁にもなります。
とはいえ、雪洞泊やイグルー泊をした場合のみの利点なので、無理に200cm近い「ロングサイズ」を購入することはありません。
気を付けたいのは「ショートサイズ」です。
例えばニーモで最もR値の高いマットである「テンサーアルパイン(R値4.8)」にはショートサイズ(122cm)が存在します。
ただでさえ底冷えをしたくない冬季や雪上キャンプにおいて、ショートサイズを選ぶ事は、足元の底冷えの覚悟をしてくださいね。
冬季マットと幅広の有効性
冬季は寝袋が大きく、中にダウンも着こみますよね。
モコモコして自分のベストポジションを失うことが多々あります。
そんな時、ちょっとでも肩がはみ出ていると、はみ出た腕が冷えてきます。
「べスポジを探して眠りが浅くなる」、そんな経験は少なくない。
通常幅の51cmでも慣れてしまえば平気にもなりますが、冬季キャンプ初心者のころは細いと感じていました。
長さの183cmは十分なのに、幅が細いよなー…
ちなみに僕の身長は169cm、体重63㎏の通常体型です。
肩幅が広い方は、幅広タイプの検討をしても良いかもしれません。
余分をカットした形状
このように、四角い形と丸い形状を見たことがあると思います。
登山用マットは主に下の形状ですよね。
ですが、こちらも冬季においてのみ、長方形の選択がアリになってきます。
理由は先ほどと同じ。
「はみ出ると睡眠の邪魔をするから」
足元に向けてちょっとずつ細くなっていきますが、このちょっとが結構変わってきそうな気がします。
まとめ
- マットの長さはレギュラー、ミディアム、ショートサイズがある
- ショートサイズは雨の日の濡れリスクがある
- エアマットのショートサイズは枕と相性が悪い
- 岩場と相性がいいのはエアマット
- 冬季は長さや幅広の恩恵を感じやすい
以上、僕の経験談でしたが参考になれば嬉しいです!
では!
読んでくれてありがとう!