今日はちょっとだけ眠い、少し遅れて4:30の起床だ。
既に公園には数名の地元の方が散歩に来ていた。
以前、こうしたステルスキャンプ(と勝手に呼んでいる)では、なるべくゴミを探して拾うようにしていると綴ったが、理由はこれだ。
芝が潰れている。
植物は強いので、しばらくもすれば復帰もすると思う。
だけどのなんとなく悪い気になる、昨日の晩飯の油だって飛んでいるだろう。
これは善意の話ではなく、自分自身の罪悪感の話なのだ!
朝早く出発出来たことなので、距離を稼ごう。
コシヒカリが食べれない。
今日は長丁場、目的地は長野県白馬村である。
最初は富山方面へ南西移動、糸魚川まで来たら内陸方向へ南下だ。
白馬までは距離にして135km、標高は700m程の高さにある。
この時点で過去一大変なサイクリングになるだろうと、心して臨む。
だがしかし、新潟の海岸線というのはなぜこうもアップダウンするのだ。
標高を上げない上り坂に、いらないストレスを溜める。
そして、7:30だというのに28度という熱狂具合。
「トラック邪魔っ!」「坂○ネ!」「コシヒカリなんて食うかっ!!」
最終的に、新潟に向けた訳の分からない暴言に昇華した。
コシヒカリが食べれなくてダメージなのは自分の方だってのに…
奇妙な形をした町
途中から新潟は、ちゃんとサイクリングロードを用意してくれた。
これで僕は、無事新潟への好感度を回復させたのだ。
「コシヒカリを食べてやる」
…どの口が言うか。
サイクリングロードには小さなトンネル、いや、あえて隧道と呼ぼう。
湿気を含んだ冷たい空気と、響く自転車の音。
そこに桃色を帯びた蛍光灯が不気味に光り、程よい気持ち悪さを感じさせる。
隧道な何度か繰り返し、その間に小さな集落がぽつりぽつりと。
ここは能生地域。
おそらく漁師町なのだが、とにかく狭い。
それを表すかのような三階建ての建物。
路地は入り組んでおり、階段と坂道で迷子になりそうだ。
なぜこんな形をしているかというと、土地が狭いから。
外は海、内は山というどうしようも無い地形に発展した町だ。
どうしようも無いこの土地には、狭い路地と何とか工夫された住宅があった。
起伏に対応するように、1階を駐車場、2階以降を住処にするなどの工夫を凝らしている。
こんな所に人はまだ住んでいるのか、
と思うのだが、案外賑わっている。
地元のおばあちゃんが、案内係をしてくれた。
ここは狭くて、迷子になりやすいんだとか。
こんな町でもこうして立派なお社があったりする。
昔から存続してきたであろう、歴史も垣間見える。
こうして自転車で回っていると、その土地の特色が見えてきたりする。
車では感じられない、自転車の利点だ。
…
それでもやっぱり、住むには大変なのだろうと思う。
こうした町が無くなる前、特色が失われる前に、ここを見られてよかったと思う。
泣きっ面に蜂
興味深い街が見れて、順当に進むことが出来た。
新潟も案外悪くはないじゃあないか。
この男はすぐに手のひらを返す。
さて、気分も良くなったところで、気合を入れて長野を目指します!!
パツッ!
シューーーーーーーーーー
…やりましたね。
旅に出て5回目のパンクである。
しかも今回はバカでかい鉄片、補修は2か所必要であった。
クソっ!!
新潟なんてきら(ry
気を取り直して、白馬に向けて出発!
ここからは700mの登り。
だけど平均斜度は2%程度なので、程よい傾斜はテンポを上げて登ることができた。
問題なのは斜度ではなくトンネルだった。
5000mの長穴、歩道は極狭、爆速トラックの連続…
気を付けてほしいのだが、自転車というのは多分行政に嫌われている。
北海道以外の道は、すべてチャリダーに優しくないと考えるくらいでちょうど良いだろう。
爆速トラックにひやひやしながら、精神力をすり減らして歩いていた。
そして、自転車旅最大の悲劇が。
付けていたヘッドライトが、急にぶっ壊れたのだ。
自転車のライトは前日に破壊している。
予備のヘッドライトは、なぜか電池が切れている(多分中で光っていた)。
どうしようもないので、2㎞のトンネルを、ライトなしで歩く。
こんな細い側道だ。
トラックも走る、うるさい。
たなりょうの精神力は、過去最低まで低下していた。
最大のご褒美
恐怖と騒音で精神力は着きかけたが、命からがら白馬村へ到着。
140kmの道のりと、おそらく獲得標高は1000mを超えただろう。
なぜ僕がここまでして白馬村を経由したかと言いますと、とある知人宅に行きたかったから。
写真を撮り忘れたが、泊めてくれたのは「りょうま&さあや夫妻」
山好きスノーボード好きの知人で、1度遊びに行きたいと思っていたのだ。
そして二人は、お手製カレーに風呂に布団に…
僕をもてなしてくれたのだ!
カレーはお手製、なんとスパイスから作っているらしい。
食レポ下手ですまないが、スパイスが絶妙に絶妙なのだ。
これはどこか景色のいい場所で食べる、カップルが行きそうな「店のカレー」だ。
もちろんサイドメニューも美味い。
用意してくれた布団で、体をひたすらに休めさせてもらった!
2022.9.13
走行距離:140km