北海道民であれば説明不要、北海道民以外は「ナニソレ?」となるコンビニがある。
道内各所に散らばった、白とオレンジの鳥ロゴ。
そう、セイコーマートである。
そしてこんな格言がある。
「セコマ食わずして、北海道を去るな」
ゴメンナサイ、僕が言いましたw
いやー、どうもどうも。
アバウトドアのたなりょうです。
セイコーマートは、2021年7月の時点で1171店舗のシェア。
これ実は、道内にあるセブンイレブンの1000店舗よりも多い数字だそう。
もはやローカルコンビニの枠を超えているコンビニである、「セイコーマート」。
そのセイコーマートの、体感半数以上の店舗に格納されているのが「ホットシェフ」。
コンビニの裏でパートさんが毎日米を炊き、総菜を作り、飯を作る。
だからウマい。
そして、ワンコイン(500円程度)ドンブリ。
100円パスタといったように、非常にコスパに優れます。
北海道の旅中では、できるだけこのホットシェフの弁当を食い漁りました。
それを、できるだけ貴方の食欲を刺激するようにレポするで!
カツ丼
これを食わずして北海道を去るではない。
ウニよりカニより、セコマカツ丼である。
ウマさ★★★★★
醤油ベースの味付けは、万人受けを意識している。
甘さとカラさのバランスは、モナ・リザの黄金比率のように整っている。
万人受けする味付けは、カツ丼に限った話ではありません。
ただ、セコマカツ丼の味は、ホントにドストライク。
まず見て分かるように、タマゴもしっかり味付けがされています。
そんな味付けがなされたタマゴは、恐ろしいほどの濃厚さ。
一口味わえば、「チーズでも食っとるんか?」そう思うほどに、濃厚なタンパク質を感じます。
この旨味からとある想像がつく。
ホットシェフの裏側でおばちゃんが、しっかりと玉ねぎを煮込んでいる。
おそらく僕らが起きる前から出勤し、朝の繁忙時間に向けた下ごしらえを。
なんという手の込んだ一品。
(しらんけど)
特筆すべきはタマゴだけでありません。
税別500円という価格にも関わらず、ちゃんとカツが厚いのにも注目。
偉い。
特色のない道の駅より、やる気のない個人店でもない、そんな薄いカツを想像してはいけない。
これはもはや、某チェーン店のカツ丼とそん色ないレベルの肉厚。
そして味はセコマが好み。
ご飯の量もしっかり確保されているので、旅人の腹をある程度満たすのには持ってこいなのだ。
ガツンと旨味が来るにもかかわらず、味はバランスよくしつこくない。
それでいて、どこか家庭的な優しさを感じるカツ丼。
セコマの枠を超えて、北海道に来たらベストバイで食ってほしい一食だ。
豚玉丼
ネッチョリした温玉がもたらす、舌と口腔内に対する幸福な触感
そして交わる、濃いめカルビとの調和
ウマさ:★★★★☆
豚丼が500円、豚玉は550円。
だが、余裕があれば「豚玉」を食べてほしい。
松屋の豚丼のように、だし醤油系ではない。
しっかり焼肉カルビ系だ。
肉の厚みに関しても、牛丼屋の薄い肉ではない。
焼き肉屋の分厚い肉だ。
前者が豚小間だとすると、こちらは豚ロース。
肉は米に対して満足なほど入っており、米も決して少なくない。
ホットシェフ共通の気合い、価格に対する量の満足は十分。
玉子は温泉卵で、どちらかと言うと固め。
言い方は悪いが、ネッチョリと水分を飛ばした具合。
この、ねっとり温泉卵がカルビ系の豚肉にベットリと絡みつく。
それが、口にした時の滑らかな舌触りをもたらす。
まずはそんな温泉卵の柔らかな舌触りと味。
それを追うようにして、隠れていた濃いめカルビのパンチのある味。
咀嚼により見事な調和をもたらすのだ。
だが
それでも…
カツ丼の衝撃を越えられはしなかった。
カツカレー
ウメーからいっぺん食ってみ?
飛ぶぞ
ウマさ:★★★★★
見ての通り十分な大きさのカツ。
カレーの味は、ちょっと酸味の効いた中辛カレーと言ったところ。
例えていうなら、専門店のカレー。
道の駅のカレーではない。
もう一つ例えていえば、キッチンカーのカレー。
各イベントに出展されるような、ちょっと拘ったカレーである。
だけども決して「本格カリィ」のような、慣れていない味ではない。
何なんだ?
この丁度よいバランスは?
あくまでホットシェフらしい、日本人向けかつ家庭的。
この、家庭的なのにオシャレ感のある味を演出する。
絶妙に良い味の隙間を突いてくる。
カツ丼に並ぶエース級の食事である。
ネギ塩鶏タツタ重
ウマさ:★★★☆☆
食べたのが夜だったからか?
チキンのサクサクは失われていた。
ネギ塩なので味としては間違いがない。
だが、サクサクが失われていたことを思慮の外にしても、飽きが感じられる味ではあった。
ネギと塩コショウ、なんか食ったことのある味だ…
そうか、ネギマだ!
ネギマはずっと食べていても飽きるだろう?
そう、あれは焼き鳥の合間に食うから美味い。
ビールのつまみだからこそ、美味い。
そんな塩梅で、ネギ塩タツタも味には飽きが来る。
これは個人の好みの問題にもなるのかもしれないが、後述するチキン南蛮重が美味いと思う。
酸味が入る方が飽きが感じられないのかもしれない。
だが、温かければほとんどの弁当はウマい。
ホットもっとの弁当を買って後悔をしないように、温かいホットシェフの弁当に間違いはない。
汚ねぇ食いさしで申し訳ないが、肉の厚みはこんな具合に贅沢である。
チキン南蛮重
自分でも驚いたよ。
まさか、白いキャベツに心奪われるだなんて…
ウマさ:★★★★★
カリッとしたフライドチキンに、甘酢ソースとタルタルのかかった商品。
ねぎ塩チキンと比べると、水分を吸いにくいのか、チキンがサクサクしている。
それとも朝に食べたことが良かったのだろうか?
どちらにせよ、出来立てに近い状態ならばコレは買いだ。
ケッタッキーフライドチキンと比較すると、チキン単体の塩味は抑え目。
そこに、甘酢ソースとタルタルで食らう感じ。
非常に美味しい。
僕が拍手を送ったのが、間に挟まれたキャベツ。
白い根本側が多く使われている。
別に大したキャベツでもないし、なんなら切り口は少し茶色い。
そのキャベツの何がいいのだ?と疑問に思うだろう。
歯ごたえがいいのだ。
サクサクのチキンカツと、ザクザク白キャベツの触感。
これが、食べ応えと歯の幸福度を増幅させる。
「焼そばに入ったキャベツが妙にうめぇ」、そんな気持ちにちょっと似ている。
カツのサクサクと、キャベツのザクザク食感で食べ応えもあり。
非常に満足な1品だった。
個人の主張だが、チキンもタルタルも甘酢も好きなので、★5に決定。
チキンデミパスタ
おいおい、127円で買えちゃっていいのかよ
ウマさ:★★☆☆☆
ここからは番外編。
ホットシェフではないので、チンして食べます。
作り置きのパスタなので、もちろん伸びているのは承知の上。
決して絶品ではないが、給食に出てくる味と言えば理解が早いだろう。
特筆すべきはその価格。
127円というのは、インパクトとしては十分。
ではそれを、考察していこうではないか?
このパスタは「チキンデミパスタ」。
チキンのブロック肉が入った、ミートソース系の味だ。
缶詰の焼き鳥缶を想像して頂きたい。
缶詰には、大体大きめの肉塊が5~6個入っている。
このパスタには、その焼き鳥的鶏肉が5~6個入っているのだ。
ん?
ちょっと待て。
安い焼き鳥缶でも、100均かドラッグストアの98円。
コンビニだと150円がせいぜいだろう。
…パスタ部分は20円か。
コンビニのおにぎりも、実はしれっと値段が上がっていっている中、この価格はありがたい。
もちろん、肉の質が良いかと言われるとそうでもないし、パスタといえば激安食材。
一応客寄せも含めて採算は取れているのであろう。
それでも旅人の「小腹」を満たすのには非常にありがたい存在、それがセコマパスタである。
お見事ッ
おかかの卵焼き
スーパーのお惣菜はご家庭用
セコマはおひとり様
ウマさ:★★★★☆
セイコーマートはこの手の小さなお惣菜も売っている。
もちろんスーパーと同等かそれ以下の値段で。
スーパーより量は少ないが、スーパーの半額と言ったところ。
要するにおひとり様用総菜といった位置づけ。
朝ごはんにチョイスしたのだが、これまた正解。
こちらはちょっと甘めの優しい味。
ガッツリと、ご飯のおともになるかと言われるとそうでもない。
炊き立て美味しいご飯のおともに、箸休めのつもりで味わって食べたい卵焼き。
例えば冷えたおにぎりのお供には、味の濃い肉や汁物を流し込みたいだろう。
対してこの卵焼きは、炊き立てご飯のお供。
ご飯だけでもイケるような、おいしいごはん。
そんなおいしい白米と、上品に食べたいと思わせられる。
酒のアテになるかと言われると、微妙なところ。
序盤に飛ばすビールのアテではなく、ペースが落ちてきた後半の優しいお供になら良いだろう。
おかかが入っているのだが、卵のふんわりした触感にちょっとモサっとしたおかかが気になるときはある。
だが味としてはセンスがいい。
玉子の味を控えめにしている分、おかかの塊を噛んだ時、じわっとお出汁が染み出てくる。
これがまた、おいしくて嬉しい。
北海道行ったらセイコーマート
旅人が一度セイコーマートに頼り始めたら最後、自炊の機会が半分以下になってしまうだろう。
北海道という限定条件もあり、できるだけ口腔内にホットシェフを入れたくなる、なるだけ胃袋をセコマで満たしたくなるものだ。
500円という安さも、1月も自炊の機会を減らせば結構な金額になってしまう。
そんな魅力も危険もつまったセイコーマート。
僕のようにしてやられた奴を増やすためにも、ここで一度悪い誘惑をさせていただくこととしました。
最後まで読んでいただき、ありがとう。