なるべく軽量で、なるべく使いやすい、そんなテントがあったら、、、
もちろん欲しいと思いませんか?
現存するダブルウォールの自立式テント中、最軽量にしてブッチギリ。
その重量、エアライズ1の1/2以下。
だのにだのに、抜かりなく、ちゃんと使いやすい。
そんな都合の良いテントがあるんかいな?
ええ、見つけました。
あるんです。
どうも!アバウトドアのたなりょうです!
軽量テントを見ていたら、どう考えてもコレが最適解じゃん?
そんなテントを見つけたので、詳しく掘り下げてみようかと思います。
その名も、ホーネットエリート オズモ
1Pと2Pが存在する、ニーモきっての自信作のよう。
ここでは、以下のようなことが書かれています。
- 【エリート紹介】メリットとデメリット
- 【ギミック多数】軽さと居住性の秘訣
- 【ニーモは安い】モンベルと価格を比較
- 【謎多き】OSMOファブリックとは何?
- 【そもそも論】軽量サブテントは必要?
ホーネットエリート オズモ1P
まあまあ、まずは概要から触れていこうじゃありませんか!
ホーネットエリートは、弟分であるホーネットストームの兄貴分に当たるテントでして、自立式ダブルウォール最軽量の称号を冠しています。
2022年に誕生した彼は、エリートというなんとも自信ありげなニックネーム。
そして何々、生地にはOSMO™ファブリックを採用とのこと。
さっぱり分からん(笑)
調べてみるとなにやらOSMOファブリックとは、エリートの名を冠するにふさわしいものということは分かりました。
OSMOファブリックについては、後にお話しします。
まずはこちらをご覧ください。
最小重量 | 657g |
価格 | ¥57,200(税込) |
面積 | 2.0㎡ |
前室面積 | 0.6㎡ |
ペグ重量含まずで657g。
…657g!!?
調べてみました。
すると、定番とされるアライテントのエアライズ、こちらの最小重量は1360gでした。
は、半分以下や…
この時点で僕は、粗探しモードに突入。
軽量なのに、快適なわけがない!
と。
ホーネットエリートのフロア面積は2.0㎡。
ちなみにエアライズ1は、2.05㎡でした。
何ならステラリッジ1は、1.89㎡とのこと。
!!
誤差!!
この時点で、フロア面積は他社と同等ということが判明。
ちなみに畳1枚が1.82405㎡だそう。
畳一枚あれば、結構快適ですよね。
そして価格は57,200円。
弟のホーネットストームより8,800円の価格差こそありますが、決して法外ではない価格。
むしろ関税やら為替レートを考慮すると、安いとすら思えます。
【メリット】ホーネットエリートオズモ
軽くスペックを紹介しただけですが、この時点で僕は相当心揺さぶられました(笑)
ですがこれはまだ序章に過ぎなかったのです。
見れば見るほど欲しくなる。
ここから先は、欲しい人しか見てはいけないかもしれませんよ…
何はともかく、以下をご覧ください。
3分にまとめられた、メーカーの紹介動画です。
ギミック多数、おそらく最新にして非常に優れた素材を使っていそう。
そんなことは、感覚で理解できます。
ということで、
ひとまず「分かりやすいメリット」を述べていきます。
居住性が高い
おやおや、床面積が2.0㎡だろう?
それはさっき聞いたぞ。
そう感じたことでしょう。
なにもここでは、畳一枚だとかフロア面積だとかの話はしません。
この子実は、完璧なるY字型のフレームなのです。
だけども上から見た感じ、普通にXフレームのような形をしておる…
ここで、ニーモらしい細かいギミックが活きてきます。
上部はクリップのようなアイテムで、横幅を拡張。
なにやらこのアイテム、特許申請中とのこと。
思いつきそうで、どのメーカーも思いつかなかったパーツといったところでしょうか?
後ろから見ると、居住性確保の理由が分かります。
張り綱で引っ張っておる!
センターポールから降りる流線形が実にそそる
フレームがY字になった分、当然居住空間は△になろうとします。
が、張り綱とペグのおかげで、テントの立体を保てているみたいですね。
なので正確に言うと、極めて自立式に近い半自立式。
といったところでしょうか?
前室は0.6㎡
居住性が高いのは、室内に限ったことではなさそう。
と、言われましても、イメージしづらいですよね。
60㎝×60㎝のスペースがあると聞くと、かなり広く感じませんか?
真上からの写真を見れば、前室の広さがイメージしやすいです。
前室の広さは、快適さにかなり影響するよね!
ステラリッジ1と比べても、ホーネットのほうが快適そうな感じがします。
なお、前室面積は3600㎠(60×60㎝)と2475㎠(90×55㎝)で、ホーネットが1.5倍ほど広いです。
設営が楽
これは言わずとも、ですね。
吊り下げ式テントの楽さは、正直かなりのモンです。
僕の吊り下げ式初体験は、ネイチャーハイクのテント。
その際、旧式ステラリッジ(スリーブ式)がいかに強風下や稜線で張りづらかったかを痛感しました。
そしてもう一つ。
僕が所持する、ルナーソロの存在ですね。
めっちゃ良いテントなのですが、設営にまあまあコツが要ります。
使い始めて10回目以降の僕でも、やり直すこともチョイチョイ。
狭い所ではまともに設営させてもらえない場合も多いです(2倍くらいスペースをとる)。
ホーネットの吊り下げ式&省スペースが羨ましく思います。
ルナーソロはポールなしペグ無し680g。
ホーネットエリート、おまどんだけ軽いねん、ちゅう話ですよ(笑)
嫉妬するわ。
【デメリット】ホーネットエリートオズモ
おいおいエリート君よ。
君、完璧すぎやしないかい?
いえいえもちろん、彼にも弱点ってもんがあるわけですよ。
【デメリット1】メッシュインナーであること。
終わり?
終わりです(笑)
一応触れておきましょう。
日本の山岳では、なんでかメッシュインナーは敬遠されがち。
寒いからだとか、全気候に対応するのは、云々かんぬん…
声を大にして言いたいですね。
いや、日本こそメッシュインナーだろうが!(ボソッ)
声を大にするのはやめました(笑)
僕の最初のテントはステラリッジでした。
もちろんインナーは非メッシュ。
テン場についたPM2:00、蒸された室内はとても入っていられない。
冷え込む夜明け、結露したフライに、非メッシュインナーがペタペタと張り付く。
ドーム式テントって、↑だいたいこんなもんじゃないですか?
そして僕はメッシュ(ネイチャーハイク)系テントを、サブとして購入。
そして思う。
メッシュ気持ち良すぎ!!
考えても見てください。
日本は高温多湿なんですよね?
ならばなぜ、海外でメッシュが流行り、日本で流行らない。
メッシュインナーってのは、結露もほとんどしない、実は最高のアイテムなのに。
それはもう、登山の先人たちが築き上げた、古き固定概念のようにすら思えてきます(笑)
…
話が逸れましたね(^^;
ともかく、厳冬期でもない限り、僕はメッシュを推奨しています。
【デメリット2】売っていない
デメリットをもう一つ挙げるとするならば、転売価格であること。
公式サイトでも、ネットショッピングでも見かけません。
存在するのは法外価格の転売品?ばかりなので、価格は常にチェックしておきたいですよね。
※2023年7月現在、価格は安定しました。
【デメリット3】 ポールの耐久性
実は2023年より、エリートではない方のホーネットオズモが日本上陸しました。
こちらとの違いは、ポールの規格。
どちらもDACポールなのですが、オズモはNSL8.5、エリートはNFL8.7(より軽量)となります。
逆に言えば、ポールでの耐久性を落としたくない場合、ホーネットエリートよりもホーネットオズモのほうがいいかもしれませんね。
ギミック紹介
メリットとデメリットが説明しきりました。
魅力的でアバンギャルドなニーモのテント。
どうしても欲しくなってしまった、だのに公式価格で売っていない悲劇。
ここからは、皆さんを道連れにします(笑)
ちょいと好奇心を煽りますが、ご了承をw
こいつは別モンですが、インスタでフォローしておった、超写真の上手い人。
やっぱニーモかっけぇ!
ってなる、ロゴのスタイリッシュさよ。
モンベル使っている自分が、どんどん恥ずかしくなってくるんですよね(笑)
お次はコレ。
メリットでも触れた、このパーツとペグによってもたらされる居住空間。
居住空間とかこの際もう、どうでもいいです。
特許申請中だとかどうとかの、この小さな部品と部屋が、所持者の心にはどう映るか。
例えばとあるドライブ。
効いているかすら分からない、スポーツカーの後ろについたウイングのように。
あるいはカレーに入れた隠し味。
作った本人にしかとうてい分からない、満足感があるかもしれない。
ギアオタクって、そういうもんですよね(笑)
使いやすそうなポケットは、もちろん存在。
そんな大切なところをケチらなくても、オレならブッチギリで軽量化してやんぞ。
そんな気合すら感じられます。
何このオレンジメッシュ。
そう思ったのですが、実はこれ「ライト用メッシュポケット」。
このシステム、実によく分かってる!!
頭上にプラプラと、フックにかかったライト邪魔な時ありませんか?
この中にライトを入れておけば、ポケット&優しい色合いのライトになるのだとか。
でもって、インナーとフライをつなぐ最低限のコード。
これを引っかければ、あら不思議。
居住空間がさらに拡張されるみたい。
これは、フライを巻き上げるクリップだよね…?
実はこれ、新開発のゲートキーパー™️との名前まであるらしい。
ニーモ曰く、「巻き上げたフライシートを簡単かつ確実に固定する事ができる」とのこと。
確かにフライシートって、巻くのも外すのも面倒な時多い。
雨の時とか濡れるし、テントの中で両手使いにくいよね
ですがこのギミック、ゲートキーパーだなんて専用名が付いちゃっているわけです。
おそらく簡単に引っかけられるのでしょう。
見た感じ片手でチョイっとできそうな予感…!
実際に手に取ってみないと、分からないというのもソソるよね
標準装備でスタッフバックはロールトップ式ドライバック。
この時点で、2,000円は得した気分です(笑)
…
これだけギミックが充実しているのにも関わらず、もう一度確認します。
657gですって。
信じられねぇぜ…
あぁ、同感だ
まさしくエリートだぜ…
価格の比較
ここらで他のULテントとの比較をしてみようかと思います。
ブランド | テント名 | 重量 | 税込価格 |
---|---|---|---|
モンベル | ステラリッジ | 1.14㎏ | 44,000 |
モンベル | ルナドーム | 1.58g | 57,200 |
アライ | エアライズ | 1.36g | 42,900 |
MSR | カーボンリフレックス | 660g | 69,300 |
ニーモ | ホーネットストーム | 760g | 48,400 |
ニーモ | ホーネットエリート | 657g | 57,200 |
こうしてみてみると、意外とモンベルとニーモってほぼ同価格なんですよね。
関税、為替だとか諸々あるだろうに。
ニーモはテント生地も優秀(シルナイロン)だし、コスパのモンベルだとか言ってられません。
MSRも片面シルナイロンにはなっていますが、価格面で大きく突き放されます。
ホーネットがいかに良心価格かは伺えますね。
ところでOSMOファブリックって何よ?
名前の一部にもなっている、オズモファブリック。
どうやらニーモの超自信作フライ素材ということまでは分かります。
ではその詳細について、触れていきましょう。
試行錯誤を繰り返し、誕生したエリートリップストップ
この子ルナーソロは、「シルナイロン」。
シリコンを染み込ませた、ナイロンです。
対してこういった、いわゆる「よくある山岳テント」。
これはたいてい、PUコーティングがされたポリエステル。
じゃあOSMOファブリックは??
ナイロンとポリエステル混合繊維だとか。
それもリップストップで。
分かったのはここまで。
それ以上詳しいリサーチは、いくら探しても出てきませんでした。
濡れても「パリッと」3倍伸びない
OSMOファブリックの一番の特徴は、濡れても生地が伸びないこと。
これは公式でもウリにされていることですね。
こんな経験ありませんか?
雨に濡れたテントが、翌朝にはヘロヘロになっている事。
あれ、ピンと張ったつもりなのに…
雨に濡れて、風が吹いて…
バタバタというより、もはやバチャバチャとフライがなびく…
う、うるせぇなぁ…
濡れた時も、3倍伸びずにピンと張った状態を維持するOSMOファブリック。
なんとエリート、というかエレガント。
ニーモのイケメンロゴが、全く台無しにならん。
撥水性が4倍
さっきの話にも通じますね。
生地が伸びにくいのは、あくまで水を吸った状態の話。
じゃあ撥水性が高ければどうだ?
もっと生地が伸びにくいのでは?
OSMOファブリックの撥水性は、従来の3倍だそう。
そりゃあもう。
加水分解はどうなん?
ニーモと言えば加水分解。
数年前までの、僕のイメージはまさしくそれでした。
ですがどうでしょう、ニーモのテントは進化しています。
具体的には、加水分解に弱いとされるPUからシルナイロンに置き換わっている、ということ。
OSMOファブリックがPUコーティングなのか、シルナイロンなのかは、残念ながら掴むことが出来ませんでした。
…
以前ニーモに、直接テント生地についてメールで聞いたことがあります。
モンベルについても同様にメールで。
結果、細かいことまでは聞き出せませんでした…
やはり企業秘密とかあるんだろうねー
OSMOファブリックについては、おそらく詳細が出るまで分からないかも。
でも、PUコーティングより圧倒的に優れるのシルナイロン。
弟ホーネットストームは、まぎれもない両面シルナイロン製です。
では、兄貴エリートのOSMOファブリックは?
エリートに粗悪な素材は使わないだろう。
これが一旦僕が落ち着かせた考察になります。
関連記事
シルナイロンについて、まだあまり知らない方は見てもらうといいかも!
結構掘り下げて考えましたので、記事も面白く出来上がっていると思いますよ^^
【そもそも論的】軽量テントはサブに必要か
ここまでホーネットエリートを持ち上げておいてなんですが、そもそもテントのUL化ってそんなに必要なん?
という話。
結論、必要じゃ!
というのも、ステラリッジ(モンベル)があるからそれで良いっしょ。
そう思っていた僕が、軽量テントを買った時から、登山に対して捉え方は変わりました。
ということで、ここからおまけ。
テントの軽量化が、登山に与える影響のデカさについてお話してみますね!
ULハイクって、ハードル高そう…
ハードルが高い、走らなければならない、お金がかかる。
そんな風に思っている方も、少なくないはず。
僕が提唱するUL化は、何もガチガチのウルトラライトハイカーになるわけではないのです。
実際僕は、ギアの軽量化を意識するにも関わらず、以下の矛盾を抱えています。
- 重たい一眼レフを所持
- なんなら三脚とか変えレンズも所持
- 靴は重たい革靴の時も
- 山メシが好きなので、ドライフードほぼ持たない
- なんならコーヒーとかコップとか無駄多い
無駄ですねー(笑)
そんな人間が、ステラリッジがあるのに軽量テントを買うなんて…
無駄に思えましたか?
これが結構違うんですよ。
ULテントを手に入れると、僕はこうなりました。
ルナーソロを買ってみたら、思いのほかの軽量さに、30Lザックで1泊2日テント泊ができました。
立山ロープウェイを使わず、五色ヶ原往復の長丁場ですね。
しかもこの時、山頂で一人鍋をしています(笑)
週休2日の病院勤務は、2泊3日なんて行程がそうそう取れません。
今までなら、ここまで気軽に足を運べなかったでしょう。
要するに何が言いたいかというと
ULテント買ってみ?
飛ぶぞ?
えー、失礼しました(笑)
登山スタイルを変えるわけでもなく、ギア全てを軽量化するわけでも無い。
ただちょっとだけ。
軽量化するとインパクトの大きいギアを変えるだけで、案外登山が広がるということ。
そのインパクトのデカいギアってのが、テントというわけ。
テントを軽量化して、ULハイカーの片足仲間入りだぜ!!
こんな風に、気分だけでも属してみるのも楽しいですね^^
テントがもう一個ある場合
僕もステラリッジがあるのに、もう一個テントは贅沢ではなかろうか?
そう思ったりもしました。
結局、全然別モノでした。
寒いときは、ドーム型。
暑ちィ時はメッシュテント。
近くで快適さを重視する登山と、遠くに行きたい時で使い分けてもいいですね。
それに、僕のステラリッジは力尽きつつあります。
底が破れたり、テンションがかかる部分が裂け始めています。
いわば使い過ぎによる寿命とでも言いましょうか。
テントはどうせ寿命が来るので、2つ買えばダメージも分散!
そんな大義名分で、僕はULテントを買いましたが、結果は言い訳に足る事実でございました。
ということで、僕はコイツを狙っている
ルナーソロも良かったのですが、正直設営しにくい場所が多すぎます。
MSRのカーボンリフレックスよりも軽く、1万円ほど安い(正規価格なら)。
ダブルウォールで超快適そう、それでいて超イケメンエリート。
そのほかの超軽量を謳っているテントは、せいぜいギリ1㎏未満がいいとこ。
なんでこれ(ホーネットエリート)だけこんなに軽いん?
何回も思います(笑)
これ以上軽くていいテントは、個人的に数年は出ないような気もしていますので、価格のチェックは怠らず!