撤退と安らぎ│エベレスト街道トレッキング14日目 Lobuche▶Pangboche

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結局、頭痛は治まらず、夜中にシェルパのRohanに助けを求めた。

一人で寝ようとするが、頭痛と気持ちの悪さで、心配でどうにもならない。

明日は先へ行けない悲しさ、行きたくもない苦しさ、早く帰りたい、安全に帰れればなんでも良い。

ぐるぐると考え、どんどん消極的になる。

体調が悪かったら呼んでね、と言われていたので、頼って薬をもらった。

まさか、ちゃんとダイアモックスを服用する事になるとは。

薬を飲む時点で、先へ進むことは諦めた。

このままルクラへ戻り、暇なカトマンズを過ごすことになると悟っていた。

もう1人、一緒に歩いたシェルパも体調を気にしてくれ、優しさをありがたく思った。

とにかく、この日は寝られれば、なんでも良かった。

薬が効いたのか、安心感もあったのか、その後はすんなりと眠れた。

夜中もシェルパは気にし続けてくれた。

後で聞いたが、彼の方がその後、体調が気になり眠れなかったという笑

優しい人だ。

さて、朝になり行程を聞くと、楽な裏道から、行程の後半部分に戻れるという。

早朝出で、通っていない道から引き返す。

朝の冷え込んだエベレスト街道の静かな感じと、鼻に刺さる冷たい空気が心地良い。

EBCとカラパタールはパスするので、大メインは行けないけど、もう良いのだ。

ここに来れたことで満足している。

クラシックルートで見た、ネパールの村落にも、満足している。

あとは、なるべく心地よい感覚を、土産にしたい。

31歳にもなり、割り切ることが上手になったのか。

そもそも、3パス全てを歩き切ることが目標でもなかったからか。

安全と心地よい方向を、簡単に決められるくらいには、落ち着いた判断が出来ている。

このコースもなかなか良いでは無いか。

カラパタールからの、バッチリエベレストの朝焼けが見れなくとも、EBCの賑やかさを感じられなくとも、思ったよりも悔いは無い。

人生の重要な方向が、旅や山ではないと理解し始めたこの頃。

気持ちはほとんど家に帰っていて、それを充実させるための旅でもあるんだと、帰りを楽しみにしつつ、景色もそこそこ楽しみつつ、な感じで。

言い聞かせ、こじつけようとせずとも、心から納得できていた。

昔はカッコ良さから憧れていた、アイスクライミング的な登坂なんかも、興味は無くなった。

外から見ていて、あんなところ登るんかなぁ、と、遠い気持ちになるだけだ。

僕はこっちの平坦な道を、アレコレ考えながら歩く方が好きさ。

戻るとはいえ、思ったよりもコースの重複区間は少なく、普通に楽しめる。

個人的に静かで気に入っていた、Pangbocheの宿に着いた。

この日も11時前に着いたので、静かな食堂で、momoを食べた。

モチモチの中に、家庭的なツナポテトが入っていて、家庭的な薄味トマトソースとよく合う。

久しぶりにWiFiをが通ったので、奥さんや家族に連絡。

あとはひたすら、日記とKindle。

この、昼からじっくり、好きなことに向き合えるこの時間、この生活がかなり好き。

無理して先へ進まなくて良かったと思う思えた。

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