天の川のレタッチを、ライトルームを使った方法で紹介していきます。
まずは全く真似してしまっても大丈夫です。
強調の程度は好みがあるとおもうので、編集の程度を自分の好みに少しずつ変えてみるのも良いと思いますよ!
マスクを使わなくても、こんな感じには出来ちゃいます!
ではやってみましょう!
RAW画像を準備
今回は、4月の燕岳に登った時の残雪の北アルプスと天の川の写真を準備しました!
天の川(星空)は、光の情報をめちゃめちゃ細かく扱います。他のレタッチよりも、RAW画像であることはとっても重要です。
よく比較される画像の保存形式について、RAWとJpegがありますね。
Jpegが完成された写真に対して、RAWは撮影時の情報がたくさん詰まった「データ」になります。
Jpeg画像は、いくら編集しても色や明るさまでは大きく変えられません。対してRAWは、色や明るさの編集できる範囲が非常に多くなります。
必ずRAW画像での撮影をしてくださいね!
ライトルームで編集
ライトルームはスライダーを左右に動かすだけで、写真の色や光を編集できる超便利ソフトです。フォトショップなら苦手ですが、ライトルームなら触れるという方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなライトルームを使った、簡単な天の川のレタッチ方法を紹介します!
- 天の川を明るく、空は少し暗めに、天の川を強調!
- 空を自分のお好みの色に調整
- ノイズを減らして優しい画像にする
- コントラスト
- ハイライト
- 白レベル
- トーンカーブ
- 色温度と色かぶり
- カラーミキサー
- 明瞭度
- かすみの除去
- ノイズ軽減
なんか多いなー、と思うかもしれません。
ですが、順番にやっていけば案外簡単に終わってしまいます。
一緒にレタッチしていきましょう!
明瞭度とかすみの除去を上げる
レタッチは影響力の大きい項目から調整していくと良いです。
テストで得点の取りやすい、得意な問題から回答していくような感じでしょうか?
その点では明瞭度やかすみの除去は、結構影響力があるので早めに触っちゃいます。
明瞭度に関しては、+20~70くらいで上げるといいと思います。
明瞭度は「輪郭」を強調してくれます。星も際立ちますが、背景の山もパリッとしますね。
注意点としては、明瞭度は上げすぎるとノイズ感になります。
スマホなどの小さな画面で見る分にはいいですが、大きな画面で写真を見せたい方は抑えめにすると良いです。
かすみの除去は空の透明度を上げてくれます。
空の透明度が上がれば、天の川が浮き上がってきます。
ただ、かすみの除去は影響力が強いので上げすぎに注意です。天の川がグッと浮き上がるので一気に宇宙感が出ます!
これはこれで結構綺麗なので、好きな方は多めに上げてもいいでしょう。
とはいえこれからライトの調整でも天の川は強調されます。上げてもまずは+30程度で様子をみると良いです。
今回は+10で調整することにしました。
ホワイトバランスで空の色を調整
もしも撮影時の設定が、晴天モードやオートになっているのなら、空の色が茶色やグレーっぽくなっている事でしょう。
天の川や星空は、やや寒色系が綺麗に映えます。色温度を下げてブルーを足す、色かぶりを足して紫を上げます。
両方一気に上げると、めちゃめちゃ青紫になっちゃいます。色温度と色かぶりを右に左に行ったり来たり…、細かく微調整をするのです。
ここの色選びは結構時間がかかるんですよねー(^^;
迷走しちゃった場合は、ライト調整などをした後に再度お好みの色に仕上げても大丈夫です!
左がホワイトバランスを触る前、右が後になります。
撮影時の設定が寒色系(ニコンでいう蛍光灯)だったので分かりにくいですが、少し触るだけでも印象は変わります。
色はお好みでどうぞ!
ライトの調節をして天の川を引き出す
長時間露光では、天の川以外の空部分まで明るくなっていますよね。
ハイライトを少し下げてあげることで、空の明るさを抑えることができます。下げすぎると天の川の細かい星が消えていってしまうので、下げすぎ注意ですね。
今回はハイライトはー20にしてみましたが、撮影時の露光時間や空の明るさにもよるので、写真によって数値は増減します。
コントラストを上げることで、明るい部分(天の川)がさらに明るく、暗い部分(空)がより暗くなります。
明瞭度が「輪郭強調」だったのに対し、コントラストは「明暗差の強調」になりますね。
これで天の川とそうでない空の部分がより、はっきりとします。
上げすぎるとギラギラしちゃうのと、景色(今回は山岳)の色情報も失われてしまう(黒つぶれしちゃう)ので、+50くらいにしておくといいでしょう。
空が暗くなったことで、天の川が浮き上がりました。
今回はちょっと大袈裟なレタッチをしているので、景色は少し黒つぶれしちゃってますね。
景色を見せたいか、シルエット程度で良いのかによってコントラストやハイライトの設定は変わりますね。
ハイライトを抑えた次は、白レベルを上げていきます。
ハイライトを下げたのに、白レベルを上げるの?、と思った方もいらっしゃることでしょう。
ハイライトは画像の「明るい部分」になり、白レベルは画像の「最も明るい部分」になります。
ハイライトの明るい「空」を落としながら、白レベルで最も明るい「星や天の川」を引き出していきます。
白レベルは上げることで結構印象が変わります。
どれだけ大袈裟に天の川を引き出したいかによって、数値を+にスライドさせるかが変わります。
白レベルを上げたことによって、天の川がパッと明るくなりましたね!
次はやってもやらなくても大丈夫です。
トーンカーブの明るい部分を持ち上げ、暗い部分を落としてS字にします。よりコントラストが生まれますが、同時に黒つぶれを起こしやすいので注意が必要です。
どんどん天の川がはっきりとしてきますね。
同時に景色の方は黒つぶれしていっていることにも注目です。
今回は残雪の山であることさえわかればよいので、大袈裟でも良いこととしています。
全体を微調整して写真を整える
細かいところに移っていきます。
山岳写真でよくあるのが、街の光害です。この写真だと槍ヶ岳の南西側なので高山かなにかの街明かりでしょうか?
光害カットフィルターを用いれば抑えることができるのですが、持ち合わせていない場合はこのように要らない明かりが目立ちます。
海に向けて撮影した場合や、盆地で撮影する場合は光害は目立ちませんね。
もし目立っている場合は、特定の色の彩度や輝度を下げることで光をおとなしくさせてあげましょう。
特定の色を編集することになるので、大きく数値を動かしすぎると逆に目立ってしまいます。
今回は、カラーミキサーという機能を使ってオレンジの彩度をー30下げてみました。
お次はノイズ軽減です。
ISO感度は6400で撮影かつ、散々レタッチしてきたのでノイズでザビザビしちゃいます。
ノイズ軽減を使って全体のノイズを和らげてあげます。
左がノイズ軽減なしで右が100まで数値を持ち上げました。
ノイズ軽減無しだと拡大写真では結構ザビザビしています。ただ、軽減しすぎも細かい星の情報が失われてしまいます。
今回はノイズだけ気持ち抑える程度として、+20としておきました。
完成!
かなり天の川が強調されましたね!
今回は天の川のレタッチを、マスクを用いずにやってみました。
ただ、どうしても山の残雪や地面の情報は減ってしまっていますね。このあたりは、マスクを用いることで回避する方法もあるので、マスクを用いたレタッチ方法も紹介していこうかと思います!
撮影した場所が、燕山荘という標高が3000mに近い場所から撮影しています。
もとより天の川が肉眼でもはっきりと見えるほどの場所ですので、レタッチをしなくても結構映りました。
そんな高くに行かれる方も少ないでしょうし、山岳以外を景色としたい方もいらっしゃるでしょう。
その場合に、レタッチで天の川を強調してあげることは非常に有効ですね!
天の川に関しては画像編集ソフトが必須レベルですので、ライトルームを持っていない方はこの機会に利用してみてはいかがでしょうか?
天の川以外にも、美しい風景を思うように再現するには必須ソフトですね!
それでは!
読んでくれてありがとう!