旅で最も過酷な一日 【45日目:宮崎→大分→愛媛】

当ページのリンクには広告が含まれています。
  • URLをコピーしました!

ウィーン…ウィーン、
自動ドアの開閉で目が覚めた。

耳栓を買おう、顔を拭いたウェットティッシュを丸めただけでは、防音効果が薄い。

だがどうだろう!
4:30まで完全なる熟睡だ!

さすがベッドです(だから違う)、寝心地が違うもんだ。

ソファをきちんと戻して、出発としましょう!

これより暗かったの

…嫌だ、、、

外はザーザー降りの暗闇だ。

だが今日は、北海道で出会った旅人の「ながくん」が四国で待っている日だ。
早く行かなきゃ。

雨は降り止まない。

逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ

乗りません!

なんとたなりょうは、空が明るくなるまで二度寝をかましたのである。

目次

旅で最も過酷な日

せっかく5時に起きたのに、せっかくテントも張ってないのに。

結局スタートは6:30を過ぎていた。

雨は降り止まないが、外は明るい。
気持ちはなんとか出来上がった。

防水対策をしっかりして、いざ雨の中へ!

しっかしいきなりマトモな雨だ、直ぐにビシャビシャだぁ!

こんな時はやっぱりGoProが役に立つ。

朝も早く、こんな山道だ、ほとんど車が通らないのは幸い。

雨の日の自転車は、全くもって不愉快。
トンネルがこんなに有難いと思ったのは、初めてか。

恐らく今日が、旅中最も過酷な日になるだろう。

復活の兆し

過酷かと思ったが、案外慣れてくるもんだ。

ゴアテックスも濡れてしまえば蒸れてくる、そんな不快感ももはや雨に比べたらどうでも良い。

過酷な状況に身を晒すと、意外と人はおおらかになるのかもしれない。

あまりの雨にフィーバーしたのか、道路にはカニちゃんが大量発生。

おい、道の真ん中にいたら危ないぞ。

うお、こっちにも!
危ないってww
踏んじゃうって!

威嚇するなってw
助けてやるからw

次々現れるカニちゃんを、次々道脇に放り投げる。

しかしキリがねぇ、10匹以上放り投げたところで終了。

だって100くらいいたんだもん!笑

悠長にしているようだがペースは早い。
なんせ覚悟を決めている分、足は進む。

そんな時、ふと振り返ると空がちょっと明るくなっている!

兆しか!

こんな時、だいたい空は晴れてくるもんだ。

ようやく使えたNikonちゃんで、景色を撮影。

秋の渓流も綺麗だ。

やっぱり旅はこうでなくっちゃ!

I amクレイジー!

兆しかと思った天気はフェイク。
さっきよりも酷い雨に襲われる笑

今日の僕は1ミリもストレスがない、覚悟をした人間は、黄金の魂を宿している。

滅茶苦茶な雨の中、段々と狂い始めるテンション。

「僕はっ!」
「今っ!」
「変なテンションだっ!」

「I amクレイジーテンション!!」
「イッツアクレイジージャーニー!!」

1人で叫んでも、静かな森とやかましい雨が消してくれる。

どうも楽しくなっていた笑

しかし朝ごはんを食べていない。
グラノーラはミルクかヨーグルトがないと沢山食べられないし、チョコでは腹が満たされない。

実は街まで50km、糖質だけで凌いでいた。

街まで降りると本物の青空が。

勝ち確なので、とりあえずすき家に入店し、モーニングセットを注文。

今日も結局すき家である。

こじろう倶楽部

すき家を出ると、残り25kmほど。
ここからさらに、2度のヒルクライムである。

と言っても、100-200ほどの小さな峠。

今日の黄金魂に傷一つつかない。

峠が残り二つと分かっていれば、ひとつも動じないのだ!
HAHAHA!

午前とは打って変わってギラギラした太陽、クソ暑い蒸し風呂状態にも動じない!

2つの峠を気持ちの良いダンシングで登りきる。

どう考えても、この先に臼杵(フェリーの街)があるだろうと分かるトンネルに、勝ちを確信。

降りた先で腹が減り、「こごろう倶楽部」という店に入店。

おばあちゃんが店番をする、のんびりした店だ。

頼んだのは「とり天」
大分に来たら食わねばなるまい!

写真では伝わりづらいが、1個1個が丁寧に作られている。

とり天はふんわりサクサク、酸味の聞いた大分らしいタレも、とっても好み。

うまいっ!!!
煉獄杏寿郎のように、飯を3杯食べさせてもらった。

出てくる時には、おばちゃんがとり天サンドをひとつくれた。

とっても優しいおばちゃんに、美味しいご飯。
居心地も良い店だったので、また来たいなぁ。

ありがとう!!

バイバイ九州!!

フェリー乗り場に到着、予定よりも1時間ほど早くつくことが出来た。

これでナガくんを待たせまくることは避けられた。

ところで余談だが、ゴアテックスの靴はそれほど役に立たないことが判明。
午前の雨で、靴の中は完全に死んでいた。

フェリー待ちの際、濡れたものを一式、この炎天下で少しでも乾かす。

足掻いてやるぜ。

しかし昨日今日とめちゃくちゃ頑張った。

雨ニモマケズ、風ニモマケズ、おまけに坂にも夜の寂しさにも負けなかった!

ここに来るまでの達成感の気持ちでフェリーに乗る。

そしてとりあえず充電&休ませてもらった。

いつも通り仮眠を15分に収め、甲板に出る。

「ああ、九州が遠ざかっているのだ」
急に寂しくなってきた。

思えば福岡で従兄弟達との時間を過ごし、天草では奇跡的な出会いの連続だった。
鹿児島では素敵な女将さんが一緒に飲んでくれ、リベンジの開聞岳も晴れていた。

なんだ、九州素敵なところだったじゃあないか。

思い出で感傷的になりすぎないよう、大きく手を振り叫んだ。

「九州バイバイ!!」
それは甲板の爆風でちょうどよくかき消された。

クレイジートラベラー

愛媛県の八幡浜について、まず行ったのはふろだ!

実に500kmぶりくらいの風呂である。
汚い、クサイ状態でさすがに会いたくないのだ笑

そう、これかは僕は会いたい人物に会う!

それは、稚内で出会った旅人の「ナガくん」だ。

実に2ヶ月ぶり、距離にして4000kmぶりくらいだろうか?笑

彼は今、愛媛のみかん農家でバイト生活をしている。
(たしか稚内ではコンブバイトをしていたはず…)
何者なのかはいまいち分からない笑

とにかく、会えたこと、街まで会いに来てくれたことがとても嬉しい。

農業バイトの経歴、これからの旅の目標を聞かせてくれた。

これから西表島のサトウキビバイトの後、ついに自転車でアメリカ横断をするのだそう。

そんなクレイジーな彼の応援を出来るのだ、とっても嬉しい。
これからも楽しみにしていよう。

閉店までしゃべり、彼は文明の利器で帰って行った笑

さて、今回の寝床は、フェリー乗り場すぐそこの道の駅だ。
風呂、飯、寝床が近くにあることは珍しい。
ありがたくもベンチを使わせてもらった。

走行距離85km
宮崎県▶大分▶愛媛(八幡浜)

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次