最近テトラテックスというタグを、アウトドアショップの端っこで見かけました。
決してアルパインウェアのど真ん中でなく、あくまで端っこのアパレルポジションで。
ゴアテックスでもポーラテックでもないそのタグが、どうも気になったため調べてまとめることにしてみました。
気になったら調べる!
素材オタクの修正だねw
結論としては以下のようなことがわかりました。
- テトラテックスとゴアテックスはほとんど同じ。
- ゴアテックスのほうがめっちゃ先に作ってた。
- ついでに防水透湿の仕組みも調べた。
特に①のテトラテックスとゴアテックスが同じ理由。
これについては、ここから先を読んでいただければほぼ理解できると思います!
ちょっとマニアックな内容になっていますが、結論に向かって解説を進めます!
テトラテックスのウェア
まずは触りから。
最近アウトドアショップの端っこで、テトラテックスというタグを見かけます。
決して登山ウェアのど真ん中にあるわけでもなく。
何ぞや?
と思って調べてみると、どうやらこれも防水透湿素材。
いわゆるゴアテックスと同じような分類だということが、簡単にわかります。
公式によると耐水性は20,000~50,000㎜※
※JISL1092法
ゴアテックスのウェア
説明不要の防水透湿素材のゴアテックス。
耐水性は45,000㎜※
※B-2法
この辺りまでは、知っている方は多いはず。
皆さんが知りたいのは先だと思うので、ここから超絶詳しく解剖していきまっせ!!
覚悟はできてるか!!
俺はできてる!!
テトラテックスについて超絶詳しく
テトラテックスの生みの親はドナルドソン。
マクド??
ちがうちがうw
ドナルドソンは「フィルターメーカー」
テトラテックスを説明する前に、生みの親である「ドナルドソン」についてちょいと補足。
ドナルドソン
- 1915年:農機具のエンジンフィルターを発明時に創立
- 1964年:日本ドナルドソン設立
- 1998年:テトラテックスが誕生
ドナルドソンは、オイルフィルターやエアフィルターなどの、ろ過フィルターとしてのメーカーとして機能しています。
ちなみに、日本ドナルドソンは東京に本社を構えているようです。
テトラテックスについて
テトラテックスメンブレンとは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を特殊加工し、極めて微細な構造を持つ連続多孔質膜としたものです。口径サイズが0.5μm~5μmの多彩なラインナップをもち、尚且つ空孔率が非常に高い特長を持っています。
ドナルドソン
こうして画像と説明を見ていると、当然ながらゴアテックスのそれと同じような印象を受けますね。
気になるのは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とは何ぞやってこと。
実はドナルドソンが1998年に生み出したテトラテックスは、実はいくつかの種類に分かれます。
それがコレ。
実はテトラテックスは、バグフィルタや燃料電池フィルタといった、防水透湿素材以外にもテトラテックスのテクノロジーが用いられているとのこと。
テトラテックスの防水透湿素材は、厳密にいうとテトラテックスのパフォーマンスファブリクスという位置づけになります。
一応混乱しないように説明は致しましたが、その他のことは関係ないので、ここではテトラテックス=パフォーマンスファブリクスを指すこととします。
蒸気は通し、水は通さない。 耐水・透湿に優れた快適でしかも劣化に強い画期的素材。
パフォーマンスパブリック│日本ドナルドソン株式会社
テトラテックスには様々な用途があることがわかりました。
そのどれもがPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でできているということですが、PTFEって何ぞや?って訳ですよね。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、フッ素樹脂の中で耐薬品性、耐熱性に最も優れ、一般にフッ素樹脂(テフロン)と呼ぶ場合、このPTFEを指すことが多く、フッ素樹脂の代表ともいえる樹脂であり、生産量・使用量ともにフッ素樹脂の中で最も多くを占めています。
東葛テクノ株式会社
PTFEは実はフッ素のことであり、発見したのはデュポン社になります。
デュポン社といえば防水透湿素材を含む最大手素材メーカーであり、PTFEを発見したのは1938年とのこと。
フッ素(テフロン)といえばあれだよな
くっつかないフライパン!
そう!
物質を寄せ付けないという特性!
PTFE=フッ素樹脂=テフロンの特性である、物質を寄せ付けないという特性が、防水性に関与しています。
つまりPTFEの水を寄せ付けないという特性が、高い耐水性を持つ理由だそう。
じゃあゴアテックスは??
1969年にボブ・ゴアが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を発見したことにより、PTFEの可能性はさらに大きく広がりました。
日本ゴア合同会社
ePTFE??
ePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)
→伸ばしたPTFE
多分「extend」(伸ばす)じゃないかな?
ちょいと昔話を…
1958年に、PTFEに可能性を見出した「ボブ・ゴアさん」は、デュポン社を退社。
自宅の地下室でゴア社を設立したんよ。
だけども創設者のボブさんは、PTFEの扱いに四苦八苦していたそう。
PTFE、何度伸ばしても千切れちゃうんよな…
ある時息子のビル君が、PTFEを急速に伸ばしたそう。
えい!!
ってやったのかはわかりませんが(笑)
そしたら、めっちゃ綺麗に伸びるやんけ!!
ってなったらしい。
それを、ePTFEと名付けたそう。
だからePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)なのね!
…あれ?
ePTFEって、ようはPTFE??
ようやく結論に達しましたね。
ゴアテックスとテトラテックスの原材料は、PTFEで共通のもの。
どちらも細かい穴が開いたPTFEなので、湿気は通すが水は寄せ付けない!
実は同じだった、ゴアテックスとテトラテックス
会社が違うので、同じといったら怒られてしまいますね。
あくまでPTFEを薄く伸ばしたもの。
水は通さないが湿度は通す、この特性と仕組みは同じというわけですね。
では先ほどから、1998年だの1938年だの年数をいちいち紹介していた理由も明かします。
1938年 | デュポン社 | PTFEを発見 |
1958年 | ゴア社 | ボブ・ゴアがデュポンを退社 |
1968年 | ゴア社 | 息子がePTFEを発見(伸ばした) |
1976年 | ゴア社 | ゴアテックスとして初の商品化 |
1998年 | ドナルドソン | テトラテックスメンブレン販売開始 |
おお!
さすがゴアテックス!
そう
20年以上も早いのよ
やっぱりゴアテックスとでもいいましょうか、ゴアが世界で認められている理由がわかる気がします。
最近では、各メーカーがこぞって〇〇テックや〇〇ファブリクスなどを作っている状況に似ています。
先を行く素材メーカーはいつだって、時代を牽引する開発や革新を起こします。
防水透湿素材としての性能は、やはりゴアテックス社のものが優れているといっていいでしょう。
ところで防水透湿の仕組みは?
水は通さないのに、湿度は通す。
当たり前のように思っていますが、ふと気になったので仕組みを理解してみました。
赤1つ、青2つの結合が水分子。
この水素結合により、水分子間がつながり、水分子の集合(水クラスター)が形成されます。常温の水では、5~6個から十数個の分子がクラスタを形成しています。
出典:SUNTRY
水分子というのがH2Oというのは、小学生の理科でなんとなく理解しています。
そのH2Oと一言で言っても、氷・水・水蒸気で結合が変わってくるとのことでした。
水蒸気は水分子が自由に動いている状態。
それに比べて水は、水分子が5、6個~十数個のクラスターを形成しています。
水は結合性があり、自由に動き回れない状態だそう。
1個なら通れる水分子も、5~6個に結合した状態では隙間を通れないのでしょう。
分子の結合力の違いをうまく逆手に取ったのが、ゴアテックスなどの防水透湿素材ってことですね!
なんとなく理解した!!
ざっくりだからね!
これらを研究して商品化する人たち、本当にすごいと思います。
僕はちょこっと調べて理解した気になるくらいしかできませんからね(^^;
今回の記事が誰かの役に立ったら幸いです!
では!
読んでくれてありがとう!!