蒸れないはずなのに、思いのほか蒸れるんだが!
レインウェアで重視すべきは、耐水性よりも透湿性のような気がする!
そんな結論に至った方は多いでしょう。
僕もでございます!
ここでは、透湿性が最高クラスに高いレインウェアを、ひたすら集めてみました!
ですが、ただ適当に並べるわけではありません。
前半は、透湿性の数値が高い製品を集めています。
もちろん前半でも素晴らしい製品はあるのですが、そうでもないものも存在します。
だから前半は、一旦流してみていってくだされ!
本当に見てほしいのは、中盤以降ですね!
後半では、公式に透湿性の数値が明記されているものはもちろん、明記されていないものも紹介します。
そのためには、素材への理解がちょっとだけ必要。
そのために中間で、素材についての情報をちょこっとだけ解説するよ!
公式に数値が明記されているレインウェアを紹介
まずは素材に対する理解をちょっとだけ
公式に数値が無い素材を紹介
透湿性最強クラス
まずは入門編。
公式が数値を出してくれているので、参考にすれば迷うことなく選べますね。
製品 | 透湿性 | |
---|---|---|
ゴアテックス | シェイクドライ製品 | 80,000g |
ミレー | TYPHON | 50,000g |
モンベル | トレントフライヤー | 44,000g |
モンベル | レイントレッカー | 43,000g |
モンベル | バーサライト | 43,000g |
ラドウェザー | 謎レイン | 33,600g |
え?
これだけ?
うん、僕も少ないと思った
5年ほど前までは、各ブランドの○○テックとかはほとんど、透湿性が数値で表されていたはず。
だけども最近、耐水性だとか透湿性だとかを前面に出してこないことが増えました。
まあ仕方がありません。
その話は後半するとして…
とりあえず数値がはっきりしている奴だけ紹介と行きましょう!!
ゴアテックスシェイクドライ製品
透湿性80,000g
耐水性50,000㎜以上
バケモノスペックの登場です。
まずはシェイクドライについて補足。
シェイク(振る)するだけで、ドライ(乾く)になるウェアという意味。
その実態は、ゴアテックスメンブレンが表面剥き出しという、逆転の発想にて生まれた製品。
ゴアテックス=ePTFEという素材=テフロン=フッ素
上記の式は成り立つため、テフロン剥き出しの素材が水をはじかない訳がありません。
常に弾き続けるため、透湿性も低下するはずもなく、高い透湿性を保ちます。
ちなみにシェイクドライは、後半で説明したのちでも、透湿性が高いと言える製品やで
逆に言えば、ゴアテックス剥き出しというのは大きな弱点。
擦れに弱いとも言われます。
実際手に取ったところ、テラテラガンメタ素材はどこか合皮のような質感で、いかにも強い摩擦厳禁な印象。
重たいザックを担いだり、ハーネスつけたりしたくないですね。
逆にトレランザックだとか、自転車競技で使いたいかも!
そんなゴアテックスシェイクドライを使った製品を紹介します。
ピークドライシェル
まずはモンベルのピークドライシェル。
コイツのおかげで、シェイクドライの透湿性が判明しました。
なお、ゴア剥き出しなので色はすべて統一。
ガンメタテラテラのみになりますね。
ハイパーエアーGTX
シェイクドライのノース版。
どれもテラテラなので、好きなブランドロゴで選んでしまうのが吉な気がします。
ノースなので、いかにも走る人って感じ。
ライトレインジャケット
DAIWAということで、おそらく釣りをメインターゲットとしているのでしょう。
それにしても釣りとは考えましたね。
アクティブに動かないスポーツは、擦れに弱いシェイクドライとの相性が良いです。
いずれにせよ高いです(笑)
ミレー TYHON
透湿性50,000㎜
耐水性20,000㎜
透湿性ブーム?を起こした張本人。
2017年に出てきて以来、ドラゴンボールのように戦闘力のインフレが起きました(笑)
耐水性20,000㎜は嵐が目安と言われているので、これも合格ラインです。
数値は信頼できないとも言いながら、僕はコイツは結構いいと思っています。
冬用を買いましたが、透湿性は明確に感じました。
ミレーはたまにセールするのもうれしい所。
サイズ感は僕はLにしました。
ここにミレーのサイズ感も乗せています。
モンベル トレントフライヤー
透湿性44,000g
耐水性50,000㎜
モンベルレインの超軽量モデル。
ゴアテックスを使った、最高級レインでもあります。
ちなみにゴアテックスは、後に説明しますePTFE系ウェアなので、透湿性には通常レベルに定評があります。
モンベル レイントレッカー
透湿性43,000g
耐水性30,000g
耐水性より透湿性やストレッチ性を意識した、ゴアテックスインフィニアムを使ったモデル。
ちなみに前モデルのレイントレッカーからの劇的出世で、別製品ってレベルに機能向上しています。
ゴアテックスインフィニアムの詳細はいまだ不明。
公式サイトにも、どのタイプかは触れられていません。
高いストレッチ性を持つことから、ポリウレタン系ということは予想が付きます。
耐久性はゴアテックスより劣りそうだね
現時点では、それくらいしか言えません
バーサライトジャケット
透湿性43,000g
耐水性30,000㎜
モンベルのレインジャケットで、最軽量なのがバーサライト。
その重量、わずか134g。
ここまで軽量にできるということは、ゴアテックスインフィニアムは、親水性無孔質PUということになるでしょうか?
もしかしたら、数値ほどの透湿性は感じられない可能性があります。
ラドウェザー 謎レイン
透湿性32,000g
耐水性20,000㎜
価格は1万円未満。
数値通りだとしたら、最強コスパのトンデモスペック。
だけどもレビューは結構散々(笑)
僕は買う気がしません。
まあまあ酷い言われようなので、興味本位でレビューを見ても面白いかもしれません。
僕は買う気がしません。
と、まあ、透湿性30,000g以上のウェアはこれだけ。
ここから先は、気になった人だけ見ていってください!
【後半】最近の防水透湿素材について
序盤で触れた、最近は透湿性を明記しない問題。
まずはここから、再度触れていきます。
ラドウェザーとかクソ安いくせに、高い数値を出してるよね
ちなみにワークマンも積極的に数字を採用しているよね
そこで僕は、一つ仮説を立てました。
自身のないブランドほど、数字をウリにするしかないのでは?
ていうか、たぶんそう(笑)
地位が確定したゴアテックスも、ノースフェイスなどの大手ブランドも、数値にこだわっていません。
むしろ、数値が定着してきた頃に、下のメーカーが数字を出してきた印象です。
防水透湿素材おさらい
防水透湿素材は、大きく分けて4種類あります。
- ePTFE系
- ナノファイバー系
- 疎水性多孔質PU
- 親水性無孔質PU
以上を抑えておけば、だいたい分類が可能です。
詳しくは上記で説明しています。
休日を3日かけてリサーチ&記事を完成させています(^^;
ePTFE系素材
分類はゴアテックス、イーベントがこれに該当。
ePTFEはテフロンのことで、テフロンはフッ素化合物のこと。
撥水スプレーに使われるフッ素であり、フライパンにも使われるほどの耐熱性。
要するに、撥水して耐久性の高い素材でできた素材です。
画像のような穴あき構造で、そこから透湿するという構造。
ナノファイバー系
ePTFE系をポリウレタンにしたバージョン。
より粗目の隙間から、湿度どころか通気してしまうという素材。
最近流行ってきている印象。
代表はパーテックスシールドエアや、ノースフェイスのフューチャーライト。
フォックスファイヤーのナノエボなんかもコレに該当。
説明するよりこれを見ていただいた方が早いかも。
1:00の所で、通気する様子がよく分かります。
厳密に言えば、外からの風はシャットアウトします
通気と言っても、圧力をかけた場合の限定的。
むしろ、通気するような透湿性の高さが魅力的、という表現が正しいと言えそう。
実際にナノファイバー系の透湿性は高め。
今回はここから紹介していこうかと思います。
疎水性多孔質PU
水を含まない(疎水性の)ポリウレタンに、細かい穴が沢山開いています。
この細かい穴から、湿度が抜けていくという分かりやすい仕組み。
代表はパーテックスシールドプロ・ファイントラックのエバーブレスがここに該当。
結構有能素材で、ポリウレタンの加水分解さえ考えなければ、透湿性は高い部類。
ここからも紹介していきます。
親水性無孔質PU
穴の開いていないポリウレタンで、透湿性を発揮します。
穴が無いのにどうやって?
ちょっと複雑な仕組みなんだ
メンブレン内の水酸基という物質が水蒸気と結合して、いったん保水(保湿)。
その後、気化することで透湿するという流れ。
穴が無い(無孔質)が、保水する(親水性)ことで透湿する。
という名前ですね。
代表はパーテックスシールド(無印)ですが、そのへんの防水透湿素材もたいがいこれという話です。
問題はこの系が、実際の透湿性と数値が全然違うということ。
なのでこのタイプからは紹介しません!
この辺りもここで詳しく説明しています。
透湿性の高いレインウェア 裏メンバー
裏メンバーは、実はそう多くありません。
それもこれも、ナノファイバー系がそこまで多くないため。
全候性ウェアとも称されるナノファイバーは、まだまだ取り扱うブランドが少ないようです。
情報も少ないですねー。
他にも探せばあるのでしょうが、国内大手ショッピングではコレくらいしか見つけられませんでした。
山と道 UL All-weather Hoody
A-1法による透湿性実験にて10,000g
B-1法による透湿性実験にて40,000gという、高い透湿性を誇るウェア。
僕が防水透湿素材を理解するために、非常にお世話になったのが山と道さんのコラムです。
特別編 全天候型行動着の誕生
理解の7割は、このサイトからといっても過言ではないので、もちろんこの製品も信じております。
パーテックスシールドエアを用いた製品はほかに多くありません。
今後流行りで増えてくる可能性はあるでしょう。
エバーブレス フォトン
透湿性:10,000g
先ほどの山と道のオールウェザージャケットに、公式値で唯一迫ることができるのがコイツ。
ファイントラックのエバーブレス。
雪山用など様々なラインナップがありますが、レインウェアはフォトンです。
実験法は2つあるんだぞ!
俺たちはあえて不利なA-1法を使っているんだぞ!
とする、唯一のブランドがファイントラックだったりします。
実際本当に、多くのブランドが使っているB-1法はあてにならないと思っています。
エバーブレスは疎水性多孔質PUの中でも、ポリカーボネート系のPUです。
素材的にはプラスチックに近くなるため、経年劣化しづらいというファイントラックの謳い文句は、ここに秘訣があるのかもしれません。
ミレー ティフォン50,000
表でも裏でもランクイン!
A-1法による測定は不明。
ですが、とある記事にてティフォンが疎水性多孔質PUであるとの情報を得ました。
エバーブレスが疎水性多孔質PUと同じ素材にして、A-1法での透湿性が10,000gでしたね。
山と道のウェアも、B-1法で40,000g、A-1法で10,000gでした。
では、B-1法で50,000gの透湿性を誇る、ミレーのティフォンは一体いくつの透湿性なのでしょうか?
ざっくり計算して、A-1法で12500gありそうですが…
分かりませんね(笑)
B-1法測定にて、最高の数値を誇るミレーのティフォン。
A-1法に置き換えても、その数値は高いものであることが予想されました。
冬用を買いましたが、透湿性は明確に感じました。
ノースフェイス フューチャーライトミストウェイジャケット
ノースフェイスの独自素材である、フューチャーライト。
だいぶ前から、虎視眈々と研究していたようです。
そんなフューチャーライトのジャケットは、ナノファイバー系メンブレンを活かした「通気するほどの透湿性」。
数値こそ明記されませんが、おそらくクラス最強レベルかと思われます。
ポリウレタン系生地を活かして、高いストレッチ性も誇ります。
ゴアテックスほどの耐久性は無いので、加水分解に気を付けないといけません。
濡れたまま袋に放置するようなことはせず、ちゃんと干して管理できる人じゃないと買えませんね。
フューチャーライトジャケットは70Dの厚手ジャケット。
4万円台かつ、重量は500gだったので、汎用性レインとして不適切ととらえました。
対してミストウェイジャケットのほうが、軽量かつ安価(半額以下)。
生地も薄いので、こちらの方がおそらく透湿性も高いと思われます。