結構評判、アバウトドアの詳しく解説シリーズ!
今回は、「防水透湿素材について」めちゃくちゃマニアックにとらえていこうかと思います。
ゴアテックスってのが代表で~
登山のレインウェアに使われていて~
防水することと透湿の両方機能する素材のことですぅ~
なんて、当たり障りのないことは言いません(笑)
どうも!たなりょうです!
今回も、結構頑張って作り上げました!
このページが役に立った!と思ったら、他のも見ていってや!
今回はどんな内容かと言いますと、主に透湿性について語りたいなと思います。
この記事を読んで頂くと、多分こうなると思います。
- 透湿性○○,○○○gとかって、意味ないやんけ
- 自分が持っているレインは、どのタイプかな~?
- ファイントラックって、優しいのな
って、結論が無い!!
そう。もしかして透湿性についてってのは、知らぬが仏なのかもしれません(笑)
そんな奥が深い深い、防水透湿素材のお話です。
一旦数字については無視してください
最近流行りの透湿性。
2017年に出没した、ミレーのティフォンを皮切りに、透湿性インフレ状態にあります。
ってな具合に、どうしてもスペック比べがしたくなりますよね。
透湿性…たったの10,000gか…
ゴミめ……!
私の透湿性は
53万です。
ですが待って!
ほんとにスペック比べ、あんまり意味がないんですよ。
体感的に意味は無いわけではないんですが、本質的には微妙といったところ。
以下の表を見てください。
ブランド | 製品 | 透湿性 |
---|---|---|
ミレー | TYPHON | 50,000g |
モンベル | レイントレッカー | 43,000g |
ゴアテックス | シェイクドライ(素材) | 80,000g |
ファイントラック | エバーブレス | 10,000g |
ミズノ | ベルグテック | 16,000g |
問題!!
この中で透湿性が一番低いのはどれでしょう!
はいはい!
ファイントラックのエバーブレスです!!
ざんねん!
不正解!
!!!!!
数字をあてにしてはいけないっていう、わけがあるのですよね。
今回はそれを掘り下げるつもりで見ていきます。
メーカーの数字だけを信じたい!
怖い情報なんて見たくないよ!!
っていう人は、ここでご退室ください(笑)
防水透湿素材は4種類!
ゴアテックス、ベルグテック、オムニテック、イーベント…
いろいろとありますよね。
一個一個紹介しても、正直訳が分からなくなります。
そこで、種類・タイプで分けたいと思います。
実は防水透湿素材は、4種類のタイプに分けることができるのです。
覚えるべきは、4種類!
4種類覚えればいいんやな!
種類 | 代表 | 特徴 |
---|---|---|
ePTFE | ゴアテックス イーベント | 良バランス |
ナノファイバー | パーテックスシールドエア フューチャーライト | めっちゃ透湿 |
疎水性多孔質PU | パーテックスシールドプロ エバーブレス | 数値は良い |
親水性無孔質PU | 多くの防水透湿素材 | 個人的に良くない |
以上のようになりますね。
ePTFEって何や?
多孔質?ナノファイバー?
おそらく彼のように、初耳の言葉で拒否反応を示したことでしょう(笑)
ePFEって何ぞ、多孔質って何ぞ。
これらについて、詳しく解説していこうかと思います。
っとその前に、イメージをつきやすくするために、身近な素材で表してみます。(ただのイメージですが)
登場人物
この子はスポンジの裏側。
素材が折り重なってできたイメージで、ePTRE(ゴアテックス)のつもりで登場。
水は通さず、空気は通すのイメージです。
こいつはウレタンゴムです。
極小さい気泡の入った、クッション材的なゴム。
細かい穴が無数に空いた素材ということで、疎水性多孔質PUを表現してみました。
素材としては、パーテックスシールドプロ、ファインのエバーブレスですね。
これは分かりにくいですが、皮(レザー)です。
鹿の革なので、セーム皮ってやつ。
人間もそうですが、皮って湿度を吸いますよね?
お肌がシットリしたり、カサカサしたり。
そんな湿気を吸ったり放出したりする素材ってことで、皮をチョイスしました。
だけど穴は開いていないので、親水性無孔質PUということで。
これはオブラート。
吸いすぎ感はありますが、湿気を吸うイメージで表現。
鹿の皮を、極薄にしたものと考えてください。
実はePTFEは、フィルム有と無しがありまして、有がゴアテックス・無がイーベントといったところ。
ゴアテックスメンブレンの表面に張り付いていると思ってください。
これは和紙。
スポンジたわしの裏側より、もっと薄くて通気性のあるものととらえてください。
通気性のより素材、ナノファイバーだと思ってください。
フューチャーライトだとかパーテックスシールドエアが代表ですね。
以上の登場人物と、実際の素材を見ながら紹介していくで!
ePTFE系素材(コーティング有)
ゴアテックスメンブレンの拡大ですね。
厳密に言えば、ゴアテックスといっても種類が沢山あります。
アクティブ・パフォーマンス・プロ…
実はどれも、若干形状すら異なります。
2層か3層か・生地の薄さがどうか以上に、ゴアテックスそのものの形状が異なるのです。
ですがまあ…
この際ゴアテックスはゴアテックスで統一しましょう(笑)
ここで説明するにはちと、荷が重すぎます。
このゴアテックスと似ていると思ったので、スポンジの裏側としたわけです。
で、
そのゴアテックスを構成する、ePTFEは何かといいますと、テフロンのことになります。
一般的にはテフロンと呼ばれますが、テフロンはフッ素化合物のこと。
つまりはこんな式が成り立ちます。
ePTFE=テフロン=フッ素
非常にざっくり端折っていますが、この際分かりやすく説明するために許してください(笑)
フッ素は防水スプレーに使われます。
テフロンは熱を持つフライパンにすら使われる。
つまり、ePTFEは撥水性と耐久性に優れた素材ということが、日常生活から想像がつきますね。
ePTFEについて詳しく掘り下げたいよ、という人だけ見て行ってください。
そしてゴアテックスの場合ですが、ePTFE素材にフィルムが貼られています。
なぜかと言いますと、ePTFEの隙間が皮脂汚れで埋まらないように。
このコーティング(オブラート)は、湿気を吸って放出する素材でできていますので、放出した後はePTFE(スポンジの裏側素材)から抜けていきます。
ePTFE素材の利点と欠点(コーティング有)
- 耐久性が高い
- 透湿性はほどほど
- ダイレクト(コーティング無)より透湿性に劣る
- 柔軟性が無く、シャカシャカ
ePTFE素材は、見ての通り湿度をダイレクトに通しそうですよね。
ですが皮脂が詰まらないように、湿度を含んで放出する素材で、コーティングがなされています。
このおかげで、コーティング無のePTFEよりも透湿性は劣る傾向にあります。
逆に言えば、コーティングが守ってくれるおかげで、劣化はしづらいと思われます。
そしてもう一つ。
ePTEFはテフロンなので、耐久性そのものが高いです。
ゴアテックスが耐久性がある。
これは2つの意味があったわけ!
しかしそこはやはりテフロン、耐久性と柔軟性はトレードオフの関係にあるのでしょう。
ゴアテックスがシャカシャカしているのは、耐久性の裏返しでもあるってわけだ!
以上がePTFEのコーティング有というやつ。
主な素材はゴアテックスでしたね。
ePTFE系素材(ノンコーティング)
代表はイーベント。
eVent FABRICSは1999年に創業した、防水透湿素材メーカー。
ゴアテックスを追随する、数あるメーカーのうち一つと思っていただければよいです。
素材メーカーなので、○○テックなどのブランドオリジナル素材より信頼できるといった立ち位置。
参考画像で見て分かるように、コーティング無です。
スポンジの裏のみだと思っていただければ。
ePTFE系素材(コーティング無)の利点と欠点
- コーティングが無い分、透湿性はダイレクトに高い
- ePTFEなので耐久性が高い
- 皮脂が詰まるかもなので、機能低下するかも(ペースは謎)
- 耐久性の分、柔軟性は低い
おおむね予想はついたでしょうが、コーティングがあるのと無いので初期値の透湿性に変化があります。
これを見ていただければわかると思います。
ゴアテックスの透湿性が4,800gに対し、イーベントは6,400gです。
初期値こそイーベントが高いですが、コーティングが無い分皮脂による目詰まりが起きそうです。
頻回使用による機能低下が、どれほどになるかは僕にも分かりません。
頻回に使用するか?
こまめに洗濯をするタイプか?
などで、ゴアテックスとイーベントで選択するのも手ですね。
ていうか数字低くない?
そうなんよ。
数字が低い理由に関しては、のちに説明しますで!
では続いて、ナノファイバーについて!
ナノファイバー
最近流行りの、全候性ウェア。
いわゆる、雨も凌げる快適ウィンドブレーカー的なヤツ。
素材の例は和紙。
ePTFEよりも、透湿しそうな素材として選びました。
代表はパーテックスシールド・エアや、ノースフェイスのフューチャーライト。
フューチャーライトの紹介では、ナノファイバーはこう表現されます。
最も先鋭的、かつ世界最高レベルの防水透湿性を誇る アウターウエア・テクノロジー
防水に関しては、正直ゴアテックスのほうが高いです(^^;
が、透湿性は抜群。
透湿性を超えて、通気性さえあると言われるのが、ナノファイバーです。
ナノファイバーのメリットとデメリット
- 透湿性はかなり高い
- 通気性もあるため、ハイカロリースポーツ向き
- 逆に保温性は低い
- PUなので加水分解は避けられない
加水分解については、次の多孔質PUの項目で説明します。
ここではナノファイバーの最大のメリットについて。
こちらはフォックスファイヤーのナノファイバー素材の紹介動画です。
動画説明の1:00頃で、通気する様子がよく分かります。
仕組みとしては、ゴアテックスのePTFEや、次項の多孔質PUと似ており、隙間から透湿するタイプ。
それよりもっと、穴が大きいために通気すると思っていただければ。
逆に言えば、多少は通気してしまうため、保温性は低いと言われます。
厳密に言いますと、外からの風はシャットアウト可能ですが、透湿性の高さ故に乾燥=寒いという図式が成り立つようです。
【疎水性】多孔質PU
パーテックスシールドプロ・ファイントラックのエバーブレスがここに該当します。
読んで字のごとく、穴が沢山開いた(多孔性)ポリウレタン(PU)になります。
ちなみに【疎水性】とカッコで表したのは、のちに出てくる【親水性】と間違えないようにです。
【疎水性】は字のごとく、水を受け付けません。
【親水性】は水と親しむので、湿気を吸います。
疎水性多孔質PUは、クッション材のウレタンゴムで表現しました。
PUはポリウレタン、テントの防水コーティングにも使われる、防水素材の超メジャー素材ですね。
水を受け付けない(疎水性)の穴が開いている分、そこから湿度は通しますよ。
という理屈。
個人的に、結構いい素材だと思っています!
【疎水性】多孔質PUの利点と欠点
- PUの特性として、ストレッチ性が高い
- 透湿性は高い
- PUなので劣化が早い
- 極度の軽量化ができない
PUの特徴として、ストレッチ性の高さが挙げられます。
ゴアテックスやイーベントのようなePTFE素材は、なんせテフロンなので。
逆に、ポリウレタンの宿命が加水分解。
これを克服したPUは無いほどに、経年劣化は避けられません。
もし興味があれば、以下の記事も読んでみてください。
重量が軽量化できないというのは、PUが多孔性なので。
穴が開いている分、軽量化できそうなものだけど?
実は逆で、穴が開いているから脆いと考えるのだそう。
余計に素材を厚くしなければならないらしいよ。
そしてもう一つ。
透湿性が高いという、最も重要そうな利点があります。
メーカーが掲げる数値としては、パーテックスシールドプロで20,000g、エバーブレスで10,000gです。
低いじゃんか!!
混乱してきたよねー
もうちょっと待ってね(笑)
メーカーが掲げる数値が低いのに、透湿性が高いという理由。
それを開設するのは、もうちょっと後なので頑張ってね!!
【親水性】無孔質PU
多くの防水透湿素材が、ここに該当すると言われます。
が、コイツがクセモノ。
メーカーが表記する数値と、実際の快適性がかけ離れるであろう素材。
そしてもう一つ。
疎水性無孔質PUであることを紹介する防水透湿素材は少ないです。
なぜだ?
紹介するものでもないっていうか、むしろあまり突っ込まれたくない所だからかな?
ePTFEや【疎水性】多孔質PUが穴から湿度を逃がすのに対して、【親水性】無孔質PUは湿度を含んで外へ放出します。
だから保水(保湿)しやすい、皮を表現として用いました。
仕組みはちょっと複雑。
メンブレン内の水酸基が水蒸気と結合して、いったん保水(保湿)。
その後、気化することで透湿するという流れ。
表現はどうでもいいですが、透湿という言葉はあまり似合いませんね。
そんな【親水性】無孔質PUのメリットとデメリットはどうでしょうか?
【親水性】無孔質PUのメリットとデメリット
- PU系なのでストレッチ性は高い
- 薄く軽量に仕上げられる
- 見かけ上の透湿性は高い
- 加水分解は避けられない
- 実際の透湿性は低い可能性が高い
多孔質PUとの違いは、穴が開いていない分薄くても丈夫ということで、軽量に仕上げられるという点。
PUなので、劣化に弱いことに変わりありません。
一番重要な点は、メーカーが謳っている数値よりも、実際の透湿性は大きく劣るであろう点です。
もう一度この表をお借りします。
【親水性】多孔質PUのパーテックスシールド(無印)は、透湿性が3,600gと非常に数値が低いですね。
何もこれは、パーテックスシールドに限ったことではありません。
透湿性50,000gだとか、30,000gだとかの高い数値を謳う製品も、これに該当するとも言われます。
逆にパーテックスは、エア(ナノファイバー)やプロ(疎水性多孔質PU)との差別化に、あえて無孔質PUという情報を出しているのでは?
とも考えられるかもしれませんね。
じゃあなんで、実際の数字と変わるの?
それをこれから、実験の項目で見てくぞ!
【間違いが多い?】透湿性の実験方法は2種類ある
国内で行われる、透湿性の実験は主に2つあります。
それがJIS-L1099法の、A-1法とB-1法。
内訳は以下のよう。
実際の運動時に近い透湿性の数値を出すのがA-1法。
実際にはありえない透湿性の数値を出すのがB-1法。
それなのに、ほとんどのメーカーが、B-1法を用いた数字を使用しています。
げっ!
これが知らぬが仏ってやつよ(笑)
国際基準(ISO)ではないが、各ブランドは日本の工業規格であるJISの検査2種を用いて測定している。
なお、2種のうちA-1法を選ぶかB-1法を選ぶかは自由な状態である。
ということらしいです。
A-1法を選ぶか、B-1法を選ぶかは自由である!
A-1法を選ぶか、B-1法を選ぶかは自由であるっ!
そりゃあ、透湿性の数値が出やすいB-1法を選択するわな。
JIS-L1099 A-1法について
模擬的な実験写真を撮影してみましたが、A-1法の実験方法はこう。
一般財団法人 カケンテストセンター
- 規定のカップに塩化カルシウム(吸湿材)を入れ、3mmの区間をあけて試験片で密封します。
- 40℃,90%RH下で1時間放置します。
- 試料を通過して塩化カルシウムが吸湿した水蒸気量を測定します。
これであれば、運動により内部が湿潤した「空気」で、それが外に透湿するという流れが実験できます。
実際の着用ににているね!
A-1法を採用しているのが、ファイントラックただ一人なんだ!
どうしても数値的に不利になりやすいA-1法。
その実験法をあえて使っているのが、ファイントラックのエバーブレスになります。
メーカーの意地・男気ですね。
ちなみにA-1法だと、透湿性は20,000g程度が限界ともされています。
これは、そもそもただの水が自然蒸発する数値がコレくらいってことらしいです。
ウェアを着たら、普通20,000g以下になるよねって話。
だから、A-1法で透湿性10,000gを叩き出すエバーブレスは、相当凄いんじゃあないかと思います。
JIS-L1099 B-1法について
一般財団法人 カケンテストセンター
- 30℃の恒温装置中に23℃の水が入った水槽を置きます。
- 試料裏面が水槽内の水に浸るよう取り付け固定します。
- 酢酸カリウム飽和溶液(吸湿材)の入ったカップを測定用補助フィルムで密閉します。
- 3の補助フィルム面が試料に接触するよう、倒立させて設置します。
- 15分放置します。
- 試料を通過して酢酸カリウム飽和溶液が吸湿した水蒸気量を測定します。
ちょっとテストセンターの説明をお借りしました。
僕の撮影した写真がそんな感じなのですが、直接水に接して測定するのですよね。
実際それをウェアに例えたら、多分こんな感じ。
内部から水蒸気というかむしろ汗。
汗でびっちゃびっちゃになり続ける人間が、防水透湿素材に汗が触れ続けて外に蒸発する状態。
おいおいそりゃねえぜww
風呂上りびちゃびちゃすぐに、裸にウェアでもいいですよ(笑)
これじゃあむしろ、透湿性というより水を湿度に変えて放出している状態。
いかにB-1法が、現実の運動にそぐわない透湿性だということが分かりました。
そもそもこの実験自体、医療を想定されているとかの話。
数値を高く出すためだけに、無理やりアウトドアメーカーが採用している感がすごいです。
追記 ※2023.1.14
A-1法とB-1法の数値の違いを示したグラフが、公式で見つかりましたので記載します。
ちょっと見づらいですが、紫色がおそらくPU系防水透湿素材。
赤いグラフが、ドナルドソンのテトラテック。
テトラテックはゴアテックスと同じく、ePTFE素材になります。
こうしてみると、どちらもA-1法のほうがB-1法よりも低い数値というのが分かります。
有利な防水透湿素材
エバーブレス以外が採用しているB-1法。
どれも透湿性が伸びやすいことに間違いないのですが、特に有利な素材が1種類。
それが、【親水性】無孔質PUです。
特徴をおさらいします!
親水性なので、まず湿度を保水します。
保水したのちに、外に放出します。
つまりは、湿度を保水すればするほど、放出にも働く。
【親水性】というキーワードが非常に重要だったというわけです。
多くのその他防水透湿素材が、親水性無孔質PUを採用しており、B-1法を採用している。
だから数値なんてあてにならないってことか!
ようやく迫って来たね!
そしてここにきて、もう一度表をお借りしました。
これは、ULギアブランドの山と道さんが、A-1法であえて測定した透湿性になります(縦中央)。
親水性無孔質PUである、パーテックスシールド(無印)は最も数値が低く、多孔性やファイバー系のプロやエアは、比較的高い数値を示しています。
防水透湿素材まとめ
種類 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
ePTFE | 耐久・バランス | 低柔軟 |
ナノファイバー | 超透湿・柔軟 | 低保温 |
疎水性多孔質PU | 透湿・柔軟 | 劣化 |
親水性無孔質PU | 軽量・柔軟 | 劣化・低透湿 |
ということで、おさらいになります。
ePTFE
ePTFEはフッ素系素材であり、テフロンと同義でした。
ゴアテックスやイーベントが採用しており、耐久性の高さの代わりに柔軟性が低いですね。
直接透湿するタイプなので、透湿性はA-1法でもそれなりの数値を示します。
コーティング有無では、初期値の透湿性の高さを優先するか、今後の機能低下を見据えるかによりそうです。
ナノファイバー
ePTFEのPUバージョンといったところ。
最も隙間が多いので、通気するほど透湿性が高いのがウリ。
それゆえ保温性は低くなりがちで、動き続けたいウェアに使われます。
ちなみにPUなので、劣化は避けられません。
【疎水性】多孔質PU
実際の透湿性は高めで、PUの柔軟性も含みます。
加水分解の懸念さえ除けば、めちゃくちゃ良い素材にも思われるのですが…
多孔性ゆえ軽量化しずらい、透湿性がB-1法で出にくいというというのは企業的デメリット。
重量だとか透湿性といった、見かけ上の数値に不利な素材でした。
【親水性】無孔質PU
PUの柔軟性、軽量化可能、高い(数値上の)透湿性。
「わずか150gの極薄生地で、抜群の透湿性とストレッチ性によるストレス軽減を実現しました」
なんて謳い文句で、非常にそそられるキャッチコピーが作れそう。
ですが本質は、B-1法では透湿性が高いが、A-1法だとどうなんだろう?程度。
加水分解も存在し、個人的に最も怪しい防水透湿素材でありました。
だけども結局…
透湿性の高いウェアは快適な気がするけど…?
僕もそう思うんよ
ここまで力説しといてなんですが、結局数値上の透湿性が高いウェアは快適に感じます。
今回はウェブ上にある情報を、ひたすらたくさん集めてまとめたといったところ。
他の方も、大なり小なり同じようなことを述べています。
もちろん数値上でしか語らない、適当なサイトも見かけますが(^^;
実際の所、無孔質PUなんかもA-1法ですら分からない快適さがあるのかもしれません。
実際の所、どうなのか分からんね(^^;
透湿性は鵜呑みにしちゃいけない。
これだけは確かだね!
B-1法で透湿性50,000gだから、それより低いかなぁ。
B-1法で15,000gは、ちょっと低すぎだなぁ。
ナノファイバー系だから、ある程度信頼して良さそうかな。
これくらいの温度感で、ウェアを探せると良いのではないでしょうか?
ゴアテックスを超える素材
Google検索にて「ゴアテックス」と打ち込むと、予測変換で出てきたので、おまけとして紹介してみます。
ゴアテックスを超える素材というのはあります。
ただし、防水透湿素材は要所でメリットが変わることは、ここまで読んでくれた方は分かりますね。
パーテックスシールドエアや、フューチャーライトといったナノファイバー系は、透湿性と柔軟性においてゴアテックスを超えます。
ただし加水分解・耐久性・保温性において劣ります。
その意味では、その辺のポリウレタン生地も、柔軟性においてゴアテックスを超えるでしょう。
でも耐久性も透湿性も敵わないものが多いと思われます。
イーベントも透湿性においてゴアテックスを超えます。
ただし、使用年数による機能低下は、おそらくゴアテックスに敵わないでしょう。
ということで、部分的にゴアテックスを超える素材はいくらでも述べられます。
ですが劣化もしずらく耐久性もあり、透湿性もそこそこの数値を叩き出し、耐水性もあるのがゴアテックス。
総合点において、ゴアテックスはやっぱり超えられないと思われます。
さすが王者たる存在意義。
ゴアテックス最強説は、まだまだ揺るがないかもしれません。
最近では、ゴアテックスもインフィニアムを押している感があるのですが。