山岳マットでお悩みの方に朗報です。
今年2024年、NEMOがマットのラインナップを一新し、かつ分かりやすくシンプルにまとめてきました。
どうも!アバウトドアです!
去年まではサーマレストの陰に隠れて、あとちょっと惜しい感じだったNEMOですが、今年になって逆襲を仕掛けましたね。
これで元々良かったインフレータブルはそのままに、エアマットまでサーマレスト超えを実現した感じ。
しかもコスパまで優秀ときているので、ユーザーはNEMOから選びやすくなったのではないでしょうか?
では、NEMOの全種マット紹介、参りましょう!!
2024年 NEMOのマットが更新
前述のとおり、NEMOのマットが更新し、ラインナップはシンプルに。
そして一つ一つ見ていくと、スペックもイイぞこりゃ。
エアマットが最強クラスに
まず注目すべきはTENSORシリーズですね。
R値を前モデルより大きく増やし、カサカサ音の軽減や耐久性の向上に成功した模様。
当然価格は上がりましたが、サーマレストのような暴力価格ではないために、ホッとしたユーザーも多いはず。
これでTENSORシリーズはエアマット界のトップに君臨するか?
インフレータブルは健在
インフレータブルはもとよりサーマレストを若干上回るような性能であり、かつショップでもよく見かける人気製品でした。
僕の友人も使っており、安定感としても定評がありました。
ZORとORAに関しましてはそのまま健在ですね。
フライヤーがひっそりと廃盤
その陰で、ひっそりと廃盤になってしまったのはフライヤー。
サーマレストのプロライトエイペックスと比較しても、どっこいどっこいの性能で、なかなか面白いと感じつつも買わなかった品です。
僕と同様に、面白そう、良さそうと感じつつも、どこか中途半端そうなその立場故に、選びにくいと感じていたユーザーは多いと思います。
残っている在庫も値上がりしているというわけではなく、どちらかと言えば値下げして売ってしまおうの方向性。
多分そのうち、市場から姿を消しちゃいますね。
NEMOのマットの特長(まずはざっくり)
では、ざっくりとNEMOのマットの特長を、マットの分類に軽く触れながら解説していきます!
スイッチバック(クローズドセル)
「早い」「安い」「安心」の三拍子で、初心者がとりあえず選びやすいクローズドセルタイプ。
だけども故障の心配がほぼ皆無という特徴から、玄人的なユーザーからも長年の支持を受けているタイプでもありますね。
そしてこのNEMOのスイッチバックは、古くより人気があったサーマレストのZライトの模倣をするわけでもなく、ただ一人盾突いた張本人。
何が違うというと凹凸のパターン。
独特なパターンを掲げ、「お前らのようなプロトタイプとは違うぞ」と言わんばかりのケンカ腰な姿勢は、見ているコチラも気持ちよくなるほど(大げさ)。
ともあれ打倒Zライト、一強状態を虎視眈々と狙う若きルーキー。
評価されつつあるのか、だんだんと値段が上がっているのが悲しい所。
エアマット
今回の大目玉。
空気で膨らむエアタイプのマットで、「軽い」「断熱性が高い」とあって、機能重視なハイスペックユーザーに人気。
破れる危険を含むため、玄人的なユーザーはあまり使っていない印象ですが、昨今のULユーザーには人気。
R値を大きく上げ、吊り下げ式内部構造によるカサカサ音の軽減、ボトム素材の改良による耐久性増加と、機能改善のオンパレード。
もともと頼りないR値とボトム素材だったのですが、ただ一つ価格は安かった(サーマレスト高杉問題)。
もちろん価格は上がりましたが、サーマレストより大幅に安いことは変わらず安心。
インフレータブル
「寝心地が良い」「穴が開いてもギリ機能する」「初心者向き」とあって、広い層に人気なインフレータブルタイプ。
EXPEDはラインナップせず、SEA TO SUMMITのインフレータブルは性能に劣るとあって、NEMOとサーマレストの二社で国内市場は取り合っている印象です。
古くから人気なのか、山岳系の人にはサーマレスト、若いユーザーはNEMOという感じに、人気の層が分かれている気もしないこともありません。
性能はギリサーマレストに勝っているので、まずはエアマットに集中工事をしたのでしょう。
【ライバル】サーマレストと比較していくよ
先ほどから何度も耳にするでしょう、このサーマレストというメーカーですが、マット界隈のキングのような存在。
大座にふんぞり返っているのか、それとも他に理由があるのか、NEMOとアメリカを同じくして、なぜか高い。
右手に安定のZライトソル、左手に超絶スペックのネオエアーを引っ提げて、これまで大きな顔をしていましたが、今年からはそうはいかないかもしれません。
という事で今回は、NEMOのマットとスペックを並べて比較しながら見ていきましょう!
スイッチバック(クローズドセル)
スイッチバック | Zライトソル | |
---|---|---|
本体重量 | 415g | 410g |
幅 | 51cm | 51㎝ |
長さ | 183cm | 183cm |
厚さ | 2.3cm | 2.0cm |
収納サイズ | 13×14×51cm | 51×13×14cm |
R値 | 2.0 | 2.0 |
価格 | 9,350 | 9,020 |
アウトドアブームによるものか、昨今ネイチャーハイクやモザンビークといった、多くのZライトの影武者が誕生しました。
そしてそれらは偶然か必然か、色までZライトソルに似る始末。
そんな中ただ一人、Zライトソルに盾突いた張本人がこのスイッチバックという新人。
長年に渡って目新しい変化がなかったクローズドセルフォームパッドのカテゴリーに大きな前進をもたらすパッド新型です。
同カテゴリーの一般的なパッドよりもはるかに快適なアイデアを提供しながらもコンパクトに収納できます。
表現を抑えながらも、どう考えても従来のマット達に挑戦的な姿勢を見せています。
ちなみに友人のスイッチバックには寝させてもらいましたが、確かに寝心地は良い。
といっても僕のZライトソルがそもそも古いので、比較対象になりません。
この独特パターンが生み出す寝心地が、本当に良いと信じて寝ることこそが、最大の幸福かもしれません。
そしてこのカラーリングもいいセンスをしてまして、ただのパクリじゃあねえぞ、という意思が感じられます。
今のところECサイトでは8000円台ですが、公式サイトでは既にサーマレスト超えの価格になっていますね。
もともと7000円程度で登場し、8000円→9000円と値上げ傾向。
ただの物価高にしてはペースが速いので、もしかしたらニーズの上昇、つまり人気で価格が上がっているのかも?しれません。
TENSORシリーズ
今年進化したTENSORシリーズは、名前新たに「トレイル」「オールシーズン」「エクストリーム」と非常に分かりやすい3段階表示に。
ぱっと見のイメージでどんなものか分かりますね。
低かったR値は適正に、むしろオーバースペックとまで感じられるので、一段スペックを落とすことでコスパを求める買い方も◎
エアマットの弱点はだんだんと改善傾向にありますので、気になっているユーザーさんが手を伸ばすのは今かもしれません。
TENSOR トレイル
TENSORトレイル | ネオエアーXライト | |
---|---|---|
本体重量 | 369g | 370g |
幅 | 51㎝ | 51cm |
長さ | 183㎝ | 183cm |
厚さ | 9㎝ | 7.6cm |
収納サイズ | 25.5×φ9.5㎝ | 23×10cm |
R値 | 2.8 | 4.5 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン | 30Dリップストップ ナイロン |
価格 | 24,750円 | 39,600円 |
ネオエアーXライトと大きさ重さをほぼ同等。
違いがあるとすれば、TENSORトレイルは安く、ネオエアーはR値が4.5と暖かい。
これは非常に難しい差であり、価格をとるか、汎用性をとるかの選択になりそうです。
とはいえTENSORにはオールシーズンの存在があり、Xライトよりも安くてR値が高いという優位性があります。
あえてXライトを選ぶ必要性が「軽量性」くらいになり、サーマレストは非常に厳しい状況に追い込まれたのかもしれません。
2.8というR値も決して低い訳ではなく、むしろスイッチバックよりも高いです。
無雪期ならだれでも2.8で十分な性能ではありますので、かなり良い値の所に落ち着いたなという印象。
そして吊り下げ式の内部構造を採用し、今期からカサカサ音の大幅軽減に成功したとのこと。
ボトム素材も前作20Dから40Dに改善してきているので、弱点をことごとく改善してきたようですね。
もちろんポンプサックによる簡単設営と、空気の調節は昨今の流れに沿って使いやすく仕上げてきています。
TENSOR オールシーズン
TENSORオールシーズン | ネオエアーXライト | |
---|---|---|
本体重量 | 400g | 370g |
幅 | 51㎝ | 51cm |
長さ | 183㎝ | 183cm |
厚さ | 9㎝ | 7.6cm |
収納サイズ | 25.5×φ10㎝ | 23×10cm |
R値 | 5.4 | 4.5 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン | 30Dリップストップ ナイロン |
価格 | 29,510円 | 39,600円 |
ネオエアーよりも高いR値、10,000円以上も安い価格。
たった30g増加するだけでこのスペックが手に入ってしまうとあれば、ネオエアーXライトの存在意義が揺らいでしまいます。
黒い方のエクストリームはR値8.5という暴力値となっているので、国内の厳冬期登山程度であれば、正直R値5.4でもいいんじゃねえかと普通に思います。
この選択にしてしまえば、エアマットの価格上昇も数年前と変わらないと捉えることも可能。
どう考えても厳冬期登山装備の救世主となりそうな、テンサーオールシーズンというお有難い存在です。
TENSOR エクストリーム
TENSORエクストリーム | ネオエアーXサーモ | |
---|---|---|
本体重量 | 472g | 439g |
幅 | 51㎝ | 51㎝ |
長さ | 183㎝ | 183㎝ |
厚さ | 9㎝ | 7.6cm |
収納サイズ | 25.5×φ10㎝ | 23×11cm |
R値 | 8.5 | 7.3 |
素材 | 上:20D 100%リサイクルナイロン 下:40Dナイロン | 70Dナイロン |
価格 | 35,200円 | 44,000円 |
R値はXサーモを大きく上回る8.5という暴力数値。もはやこれでどこに行けと?
国内登山においては明らかにTENSORオールシーズンで十分だと感じられるので、ここから先はスペックで語る世界になってしまいました。
僕はR値6程度のマットで厳冬期に行っていますが、十分十分すぎます。
もしかしたら8.5だともっと暖かくて快適かもしれないし、暑いくらいかもしれません。僕でも分からない領域です。
一つ言えることは、スペックに対してNEMOは安いということ。
逆に言うとXサーモの方は、70Dという厚みでよくこの重量を維持したよなぁ、、、って思います。
インフレータブル
ZOR(ゾア)
ZOA | プロライト | |
---|---|---|
本体重量 | 450g | 510g |
収納サイズ | 20×Φ11㎝ | 28×10cm |
素材 | 20DポリエステルRS | 50Dミニヘックスポリエステル |
厚さ | 2.5㎝ | 2.5 cm |
R値 | 2.7 | 2.4 |
価格 | 17,600円 | 19,800円 |
縦横方向の中抜き加工を行った、軽量系のインフレータブルマット。
価格とR値を見る限りZOAが良さそうには見えますが、20Dと50Dの違いがありますね。
破れても最低限何とかなるという点では、エアマットよりは生地厚みのインパクトは薄いかもしれません。
僕の友人も使っている、人気のマットです。
大きさはレギュラー、ミディアム、ショートとあります。
ORA(オーラ)
ORA | プロライトプラス | |
---|---|---|
本体重量 | 530g | 650g |
収納サイズ | 20×Φ13㎝ | 28×12cm |
素材 | 30D(トップ)/75DポリエステルRS(ボトム) | 50Dミニヘックスポリエステル /50Dポリエステル |
厚さ | 2.5㎝ | 3.8 cm |
R値 | 2.7 | 3.2 |
価格 | 16,500円 | 22,000円 |
それぞれZOAとプロライトよりも、重量を増やしたモデル。
ORAが生地を強化&中抜きを減らし、寝心地と耐久性を増やしました。
プロライトプラスは単純に厚みを増やすことで、R値と寝心地を増やしました。
快適性を重視するならプロライトプラス、これが気持ちよさそうです。
岩場のゴツゴツでも本領を発揮しそうなのが、ORAの中実感でしょうね!