雪山登山の装備。
色んな人やサイトが、命を守るための装備選びについて、丁寧に解説してくださっていますね。
ども!アバウトドアです!
今回はそんな、雪山登山の装備について。
他と同じことを言ってもしょうがないので、雪山シーズンを7年やってきた僕が、自分なりに意見を添えたいと思います。
- より快適な服装
- なるべくお金をかけない装備
- 死なないための装備と考え
初心者の方にとっては、雪山についての雰囲気がまず掴めるかもしれません。
ある程度知っている方は、僕なりの見解を聞くことで、吸収することもあれば、逆に自分のスタイルがよりハッキリするかもしれません。
多くの人にとって、役立つまとめにするつもりなので、ぜひ見てください!
雪山登山の装備一式
服装 | ニット帽 | 場合による |
グローブ | かなり重要 | |
バラクラバ | 重要 | |
インナー | 重要 | |
ミドルレイヤー | 場合による | |
ハードシェル | 場合による | |
靴下 | 重要 | |
ギア | 冬用登山靴 | 重 | 要
アイゼン | 場合による | |
ピッケル | 場合による | |
ゴーグル | 重要 | |
ヘルメット | 場合による | |
GPS(スマフォ) | かなり重要 | |
飲食 | 水 | お湯と水 |
食べ物 | 凍らないもの | |
行動食 | 多め | |
緊急用 | ダウン | 一応持ってく |
エイド(テーピング系) | 重 | 要|
SOL(エマージェンシー系) | 一応持ってく |
ニット帽
逆に言えば、耳を守るものがあれば、ニット帽である必要は無いかなと思います。
だけどニット帽は見た目がイイので、ハイキング的には安パイ。
僕の場合、バラクラバやフードでどうにかしている場合もしばしば。
ヘルメット+バラクラバ+強風時はフード
こんな時もありますね。
暑いときはニット帽はめちゃ暑いので、冬でも脱いでしまう時は多いです。
そう嵩張るものではないので、だいたい持っていく感じ。
グローブ
重要度はかなり高いです。
指はどれだけ代謝が良かろうと、適温以下のグローブを使うと手が冷えっ冷えになります。
指の動く速度は1/10くらいになり、痛いくらいに。
暑いときは外せばいいので、グローブはオーバースペックくらいで良いなと感じました。
雪山初心者とか、ハイキング程度の登山。
2000m未満くらいならば、防寒テムレスとインナーでも行けちゃったり。
軽いしバツグンに使いやすいので、予備用としても持っておくのは良いですね。
ちなみにグローブは結構飛んでいくので、予備はほぼ確実に持っておいてください。
バラクラバ
ネックウォーマーも含めて話します。
僕は快適で適正なバラクラバ、というか首顔周りの防寒に落ち着くまでに、めちゃめちゃ買いあさりました。
今では冬用はたいてい二つですね。
ひとつはジオラインの薄めバラクラバ。
これは暑いときに、結構調子が良いです。
吹きさらしになりませんし、呼吸もしやすい、ちょっと寒いくらいで丁度良いペースで登るとき。
活躍頻度は高いですね。
寒がりさんは、これをメリノウールにするといいかと。
あまり極暖にしても、結局息がし難かったり、暑い思いをします。
インナー
①「ドライナミック」+「ウール」or「ジオライン」
②暖系メリノウール一枚
僕はこのどちらかを、雪山登山のインナーセットとしています。
ドライナミックの利点としては、とにかく汗は外に出します。
さらに速乾性の高いジオラインに触れさせることで、汗を外側に浸透&放出するイメージ。
この組み合わせでは、透湿性の高いアウターを選ぶことで、放出を加速させています。
暑がりさんとか、汗かきさん。
またはハイペースで登りたい時なんかは、①「ドライナミック」+「ウール」or「ジオライン」 の組み合わせで挑みます。
②暖系メリノウール一枚
ウールは暖かいのですが、汗を熱に変えます。
ハイペースで登り始めると、汗が発熱を呼び、快適性としては低いです。
熱生成にエネルギーコストがかからなくなるので、カロリーは抑えられるのですが、、、
いかんせん汗をかき始めた時、純粋に暑いです。
ロープを使ったり、危ない箇所があったり、グループで行くのでペースが落ちたりと。
ゆっくりになりそうなときは、メリノウールを使っていますね。
ミドルレイヤー
フリースか、中綿のインサレーションか。
このどちらかが主力ですね。
今流行りなのは、写真のようなインサレーションタイプでしょうか。
非常に選択が難しいところでありまして、ブランドによってもタイプは様々。
おまけに中綿の素材は、大手素材メーカーと、メーカー独自素材を合わせると、おそらく数十にも上ります。
完全に自分に合ったインサレーションを選ぶのは、ほぼ不可能に近いと感じています。
最近流行りとはいえ、逆にフリースもしっかり進化してきています。
従来のように長い毛を持つものより、グリッド系と言われる薄手のタイプが主流。
インサレーションよりも安く手に入り、薄いので温度調節もしやすいです(別でダウンを持っていく)。
コスパ的にもこれから初めての人は、こういった定番フリースから始めるのも良いかもしれません。
ハードシェル
バキバキに凍っているウェアが、ハードシェルと呼ばれるアウター。
まさに身を守るための、最上層のガードマンなのですが。
いかんせん、こちらも種類が多い。
セオリー通りに言うならば、滑落しないような素材でできた、ちゃんと防水透湿性の効いたハードシェルを選ぶことが大切です。ジッパーやベルクロは、グローブでの操作に適しており、冬でも快適な操作が出来る仕様のものを選ぶと良いでしょう。
こんな感じでしょうか。
そこに僕が付け足したいのは、代謝に合わせた防水透湿素材選びですね。
僕は汗かきで代謝が良いので、少しでも透湿性が高いハードシェルを選んでいます。
逆に代謝が悪い方なんかは、ゴアテックスを選んで、程よく湿度を持った方が、暖かかったり。
ハードシェルと透湿性のアレコレに付きましては、以下を参考にして頂きたいなと思います。
一覧表では「場合による」と書きましたが、こちらはレインウェアでも代用が可能だったりします。
スノーハイキング程度であれば、そこまで難しいことは言いません。
多めに防寒着を用意して、ハードシェルではなくレインウェアで行くのも、僕は止めません。
靴下
こちらもグローブと同じく、どれだけ代謝が良くても足先は冷えっ冷えになります。
外側が登山靴なので、重ね着をしにくいのも考えなければなりませんね。
どうしても息が上がりがちな雪山は、交感神経系が働くことで、余計に末端冷えを経験しやすいのですよね。
いつも悩まされています。
セオリー通りに言うのなら、とにかく暖かくするように、品質の良いメリノウールはほぼ必須レベル。
ここで重要になってくるのが、登山靴との相性です。
相性というか、履けるソックスの、厚みの限界値。
僕はモンベルの4000円くらいする、超極厚メリノウールソックスを買いました。
それが分厚すぎて、冬靴に入らないという失態を経験したのです。
今はとりあえず、暖系メリノウール+冬靴の組み合わせでいますが、それでも冷えるからどうしたものかと。
チャージャーを利用した電熱ソックスとかも、正直検討するレベルです。
次の冬靴で、加えて解説します。
冬靴
これも難しい所です。
最初に言っておきますと、ハイキング程度ならば夏靴で対応可能かもしれません。
一度参考にしてみてください。
冬靴の何が難しいかと言いますと、サイズ感と靴下との組み合わせの限界値です。
サイズを一つ上げる程度では、極厚ソックスは入りません。
2~3サイズほど上げてもイイのではないか、と僕は思っております。
僕はワンタッチアイゼンも適応するタイプの、ベーシックな冬靴を使っています。
それでも寒いと、足指は冷たいと感じます。
このタイプが一番暖かいことは、わかってはいるのですが…
なにせ価格がいかつ過ぎるので、ちょっと手が出しづらいのですよね。
ということで、なるべくは靴下で暖をとれる算段を、靴の購入時から考えた方が良いのかも。
アイゼン
とりあえず初心者で安パイなのは、10本アイゼンのストラップタイプです。
それさえあれば、ロープを使わないようなシチュエーションにおいて、たいていクリア出来てしまいます。
11月の剱岳は、暖かい日という前提でしたが、夏靴+10本アイゼンで行っています。
セミワンタッチアイゼンと冬靴の組み合わせは、確かにグリップしやすいですし、安定性も高いです。
ですが、正直そこまで求められる登山というのは、結構なレベルに達した時でしょう。
軽量化やコンパクト性を求めて、12本アイゼンを所持していても、10本アイゼンの出番は無くなりません。
一つ目としては、とりまG10が一番無難です。
初心者人気はとりあえずこの2社。
グリベルはちょっと重いけど使いやすい、Black Diamondはシンプル無機質。
ピッケル
結論から言いますと、最初のピッケルは「まっすぐで長めのやつ」を選べばよいです。
形状については、とりあえずまっすぐのタイプが歩きやすくて、しかも軽くて安いから。
カーブしたやつは、どうせレベルアップしたら買い足します。
軽くて安くて使いやすい、まっすぐで長めのヤツを、最初は持っておくと良いです。
巷では身長の35%とか、60㎝とか言われていますよね。
僕はセオリーに従って、169㎝の身長で60㎝のピッケルを買いました。
杖として使おうにも、この斜度がないと機能しません(前のめりになるので、腰に負担)。
滑落停止を最低条件とするならば、正直短いピッケルでも良いのですが、、、
稜線を歩くときでもピッケルは刺します。
60㎝のピッケルは、稜線ではほぼ「宙ぶらりん」になっています。
友達の70㎝ピッケルを持ったところ、なんて歩きやすいんだ、って感動しました。
どうせレベルアップして、西穂高とか行ったらカーブしたのが欲しくなります。
要するに使い分ける前提で、最初は長いのを持っておくといいぞ。って思いました。
僕は中途半端なまっすぐと、カーブしたやつなので、微妙な使い分けなのです。
ゴーグル
日焼けだけならサングラスでもいいです。
ただ、ゴーグルは「目周辺の皮膚を守る唯一のガード」ということを覚えておいてください。
低体温は全体から、凍傷は局所の低温から来ます。
一番やっちゃあいけないのは、外界に皮膚が接していること。
Google検索で、「凍傷 顔」と検索してみると良いかと思われますが、顔を隠したくなると思います。
天候が悪化したとき、唯一目を守れるのはゴーグルです。
ホワイトアウトしたときの、視界の確保にもなります。
メルカリでスノボの中古とかが、案外安く手に入ったりもしますよ。
あと、ゴーグルは映えるのでカッコいいです。
ヘルメット
これは完全に場合によりますね。
滑落して頭打って、気失ったら。滑落停止も何もありません。
そのまま死んでいるかもしれませんし、気絶しなければ助かったかもしれません。
とりあえず初心者の方は、エリア的にも必要ないので、いずれは検討しましょうくらいで大丈夫です!
GPS
雪山がホワイトアウトしたら、ビックリするくらい見えません。
さっきまで歩いていた足跡は、帰りにはちゃんと消えていました。
GPSナシでこの状態から帰還しようというのは、無理と思っていいでしょう。
なにもGPS専用の機器を持ちましょう。
なんて最初から言いませんので、スマホのGPSアプリで良いです。
ジオグラフィカとかYAMAPとか。
大切なのは、地形図を読んで帰れるか。
それが難しいのであれば、今日はよっぽど晴れしかありえんな!
というベストな高気圧以外は、雪山に行くのは危ないかも。
水
水をペットボトルに入れて、1月の登山をしていたら凍りました。
凍って出てこなくなりました(笑)
人によっちゃあ、冬でも水が飲みたい人はいるとは思います。
が、凍っていちゃあ飲めるものも飲めないので、多少は温めて挑んだ方が良いかと思います。
僕はサーモスのを友達から貰ったので使っていますが、寒い所で飲む暖かいお湯はクソうめぇです。
食べ物
雪山の食べ物は、まじで難しいです。
おにぎりを持っていこうにも、冷えっ冷えのクソ硬てぇお米になります。
コンビニおにぎりは最悪で、パッサパサになりますね。
パンもパッサパサ。
ショートニングとか入ったパンは、冷えて固まってなんか気持ち悪いし。
水ならいくらでも手に入るので、おいしく食べたいのならば、バーナーもってカップラーメンが一番。
泊まりで行くなら、鍋が簡単で美味しいですね。
雪山でオイシイ食べ物は難しいので、極力大量の行動食でどうにかしています。
行動食
ナッツ、グラノーラ、甘い系のパン
最初からぱさぱさで、多少マズくなっても食えるヤツ。
ハイカロリーで消化に良いもの。コレくらいしか言えません。
食パンと蜂蜜もって、ひたすら食ってたのは結構良かったです。
ダウン(緊急時)
行動中はダウンを着ません。
でもやっぱり、一番軽くて保温&保湿する、あたたかい着物といったらダウンが最上位。
遭難時のエネルギー節約をイメージして、僕はいつもダウンを忍ばせています。
おひるごはん休憩の時とか、山頂での撮影タイムとか。
たまに出てくるときもあるので、一応ザックに入れておきましょう。
なお、2023年よりユニクロダウンは覚醒したので、大手じゃなくてもコレで良かったりします。
エイド(テーピング系)
雪山は歩きにくいです。
アイゼンは厚底で言うと、シークレットブーツくらい背が高くなります。
つまり、グギって捻挫しやすいかも。
夏みたいにケンケンで降りることもできんし、テーピングは持っておいた方が良いと思います。
SOL(エマージェンシー)
これ系のヤツですね。
めちゃめちゃ薄いですし、使いどころはほとんどありません。
気休めですが、安いし軽いので持っていきます。