実はメリットしかなかったシルナイロン!
なぜ、劣化するポリウレタンコーティングのテントをブランドは作り続けるのか!?

えー、いきなり攻めた出だしですみません(笑)



今回は熱が入った記事だねw
テント素材に、シルナイロンとポリウレタンがあることは、既にお気づきのことでしょう。
安いからと、ポリウレタンのテントを購入するか迷っている方。
もしかしたら損するかもしれません。
この記事では、前半にポリウレタンとシルナイロンについての違いを、素材の特徴から解説していきます。
後半では、より過激な議論へと発展していくかもしれません(笑)



ざっくり知りたいあなたも



詳しく掘り下げたいあなたも
どうぞ見ていってください^^
ポリウレタンコーティングとシルナイロンの違い
まずはざっくり、2つの素材の違いを見ていきましょう。


ポリウレタンコーティング(PUコーティング)とは、ナイロン等の生地に対してポリウレタンの被膜がコーティングされている状態。
防水するのは生地ではなく、あくまでその被膜。
被膜は生地の裏側にあることがほとんどなので、表面は防水スプレー等での撥水加工が必要です。


一方でシリコンコーティング。
生地そのものにシリコンを染みこませるという手法で、防水性と撥水性同時に得ます。
一般にシリコンが施されたナイロンを「シルナイロン(Silナイロン)」と呼びます。
最近は、そんなシルナイロンが流行っているわけですが、それはPUコーティングの「劣化」に原因があると考えています。
ポリウレタンという素材
ポリウレタン(PU)は別名ウレタンゴムとも呼ばれるプラスチック素材で、ゴムのように柔らかく抗張力(引張り強度)や耐摩耗性、弾性、耐油性に優れている。
I-MAKER
初めに、以下の記事を参考にさせて頂きました。


この記事を見てくださる方へ、この記事をなるべく要約してまとめましたこと、ご理解ください。
- 柔軟性、弾力性が高い
- 優れた耐摩耗性
- 引き裂き強度が強い
- 耐油性、耐薬品性
- 低温特性に優れている
- 耐熱性に弱く、高温多湿で劣化が早まる
- 加水分解によって徐々に分解される。
- 空気中の窒素、紫外線、熱、微生物などの影響で徐々に分解する。
ここでもやはり、ポリウレタンの欠点として「劣化」が挙げられています。
劣化の原因となるのは、熱や水以外にも、様々な要因があることが分かりますね。
ポリエステルはテントの他にも、靴底・革ジャン・自転車のサドル・スポーツウェアに使用されます。



どれも、劣化して剥がれるものが多いね。
ポリウレタンとウレタン
まず前提として、テントのフライシートに「ウレタンコーティング」と書かれたりしますが、ポリウレタンと同等と捉えて差支えは無さそうです。
「ウレタン」と「ポリウレタン」は慣用的には、どちらも「同じゴム状のポリウレタン」を指して使われている言葉です。「ウレタン」とだけいっても「ポリウレタン」という意味で通じるので、日常的・慣用的には両者の違いは意識されることはありません。
違い比較辞書
劣化したポリウレタン
劣化したポリウレタンは、ボロボロになって臭いを放つようになります。
過去に、こんな出来事が。
父親の靴を借りて修学旅行に行ったのですが、ソールがボロボロに剥がれてきたのです(笑)
結局僕はそのまま、4泊5日の研修をその靴で部屋中を歩き回ることになりました。



みなに笑われたぜ…
今のは余談ですね(笑)
また、僕の愛用したザックの「グレゴリー バルトロ75」は、中古購入から4年でコーティングが剥がれました。


そしてその付属ザックカバーもまた、怪しい香りと見た目をし始めています。
このように、ポリウレタンにとって劣化は避けることのできない事実です。
劣化しにくいシルナイロン


ヒルバーグは、「一生モノのテント」「劣化しないテント」「最強の強度」などと言われたりします。
山岳テントで10万円ほどするような、超高級テント。
45年の歴史を持つヒルバーグが、こだわりを持ち続けた素材があります。
それが「ケルロン」です。
ヒルバーグ通販専門店は、ケルロンについてこう文言しています。
ケルロンとは、リップストップナイロンにシリコンを含有した素材です。
HILLEBERG WORLD
そう、あの超高級テントのヒルバーグも、実は結局シルナイロンだったのです。
ヒルバーグ ソウロを7年使っておるが、実に良き住居だ。未だ劣化知らず!4年前の画像だか、改めて見ると、ソウロ以外には、メーカーに修理不可って言われて、泣く泣く捨てた愛すべき道具達。価格は高くても良いから、修理可能で大切に長く使いたいのだがなあ pic.twitter.com/XrAAYMQDlZ
— アルプス (@JPrpom) October 26, 2019


上記は経年劣化のグラフを3F UL GEARが掲載していたものを引用させていただきました。
これを見る限り、ポリウレタンは3~4年±2年ほどの耐年数。
シルナイロンは、9~10年±3年ほどの耐久性があることが分かる。



3倍くらいの違いがあるね
シルナイロンの引き裂き強度
先ほどポリウレタンコーティングの引き裂き強度の強さを利点として述べましたが、シルナイロンはどうなのでしょう?
ヒルバーグ社のKerlon(ケルロン)アウターテント生地は、驚くほど頑丈です。ヒルバーグ社のブラックレーベル・テントで使われているKerlon 1800、そして、ブルーレーベル・テントのいくつかで使われているKerlon 2000の最小引き裂き強度は、それぞれ18kg/40lbと20kg/44lbです。…(中略)…実際に、今日の多くの一般のテント生地(特にポリウレタンでコーティングされているもの)の引き裂き強度は、2~3kg(4.4~6.6lb)です。
HILLEBERG
ケルロン(シルナイロン)は、ポリウレタンコーティングされたテントの6倍もの引き裂き強度があるようです。


引き裂き強度についても、シルナイロンとポリウレタンナイロンの比較を掲載していました。
つまりシルナイロンは、PUコーティングを耐年数・強度のどちらも完全に上回るという事。



ここまでで、シルナイロンを選ばない手はないよね



次に、ポリウレタンとシルナイロンの各素材を使ったテントについて見ていこう!
実は、意外な結果となりました。
ポリウレタン(ウレタン)コーティングが使われるテント例
テント | メーカー表記 | 耐水圧(㎜) |
---|---|---|
モンベル ステラリッジ | ウレタンコーティング | 1,000 |
モンベル ULモノフレームシェルター | ウレタンコーティング | 1,500 |
アライ エアライズ | PUコーティング | 2,000 |
MSR ハバハバシールド | ポリウレタン&DWR コーティング※ | 1,200 |
ネイチャーハイク P2 | Polyester | 3,000 |
モビガーデン COLD MOUNTAIN | 防水コーティングPU | 2,000 |
3F UL GEAR ランシャン | PUリップストップナイロン | 5,000 |



大手ブランドも、中国も使ってるね。



それだけ定番なんだね
有名ブランドも新鋭ブランドも、どちらもポリウレタンコーティングは使っている模様。
これは別段、意外な結果ではありませんでした。
モンベルもmsrもニーモも加水分解するし、マウンパもモンベルコロンビアノースフェイス全部加水分解起こすしもうどうしようもないんだな
— らっこちゃんさん (@EUTSD) July 29, 2020
ですがやっぱり、モンベルもノースも加水分解からは避けられない模様。
※DWRについては以下の説明。
多くの GORE-TEX および一部の GORE-TEX INFINIUM™ プロダクトでは、一番外側にある生地に非常に薄い耐久性のある撥水 (DWR) 加工が施されています。DWR は生地の表面張力を下げることで水を弾き、水が水滴となって転がり落ちます。
GORE-TEX
Durable Water Repellentの略で(DWR)
Durable(耐久性) Water(水) Repellent(寄せ付けない)の意味だそう。
シルナイロン(シリコーンコーティング)のテント
では次に、シルナイロンを採用しているブランドを上げていきましょう。
テント | 耐水圧(㎜) | |
---|---|---|
ニーモ タニ | Sil/Silナイロン | 記載なし |
ネイチャーハイク クラウドアップ | Silicone Nylon | 4,000 |
モビガーデン LIGHT WINDS | リップストップナイロン(シリコンコーティング) | 3,000 |
3F UL GEAR ランシャンプロ | resistant SilNylon | 5,000 |
シックスムーンデザインズ ルナーソロ | シリコンコーティングポリエステル | 記載なし |
ローカスギア Khufu | シリコン/PU ハイブリッド・コーティング(※) | 記載なし |
パーゴワークス ニンジャテント | シリコンコーティング | 3,700 |
ヒルバーグ Kerlon 1800 | 両面100%シリコン加工 | 5,500 |
シマロン | 両面100%シリコーン加工 | 4,000 |



あれ?
案外大手以外が多い?



そう、これが僕も意外でした。
※ローカスギアについては、片面シルナイロン


片面シルナイロンと両面シルナイロンがあります。
シルナイロンかと思いきや、ポリウレタンの性質も強く残した素材になることに注意してください。
そして特に面白いことも分かりました。
中華ブランドのテントは、明らかにシルナイロンテントを上位として扱っていたのです。
ポリウレタン | シルナイロン | |
---|---|---|
ネイチャーハイク | ¥12,990(クラウドアップ 1 ) | ¥15,990(クラウドアップ 1 ) |
3F UL GEAR | ¥18,000(ランシャン) | ¥25,997(ランシャンプロ) |
ネイチャーハイクは、1万円台の廉価版テントではPolyesterと記載されています。
逆に言えば、それ以上のテントではSilicone Nylonを採用しているみたいです。
モビガーデンも同様。
1万円程度のテントにはPUコーティングを、2万円以上の本格山岳テントにはシリコンコーティングがされていました。
3F UL GEARについては露骨です。
ランシャンがPUリップストップナイロンに対し、より高価なランシャンプロがシルナイロンでした。
ニーモについても、高価な山岳テントにシルナイロンを多く採用し、割と安価なキャンプ用のシェルターにはポリウレタンを採用している傾向にあります。


世界中を旅した冒険家が2008年に創立した、SEEK OUT SIDE。
その代表テントである、シマロンやレッドクリフ。
それらも両面シルナイロンを使っています。
過酷な状況下での連続使用が想定されるテントです。
より優れた素材を使おうとするのは、ごく自然なことなのではないでしょうか?
以下にシルナイロン製のテントを手あたり次第集めてみた記事を用意しました。


紹介したもののほかに、数社がシルナイロンを扱っているようです。



良いテントがシルナイロンの傾向ははっきりだね。



個人的に、結構面白い結果でした。



では、なんで大手はシルナイロンを使わないの?



当然、僕も疑問やったんや。
そこで、問い合わせることにしてみた。
なぜポリウレタンを今だに使用するか、問い合わせをしてみた。


- なぜ未だに劣化するポリウレタンを使用するのか?
- なぜ他のブランドがシルナイロンを採用しているのに?
- 縫製が難しいから?
- などなど…



結構攻めたねww



だけどね、残念な結果よ…
問い合わせブランドについては、開示不可能。
しかも、返答までには1週間ほどかかりました。



ブログで開示することはやめてくれ



そう言われてしまいましたので、開示できません(^^;



Oh…
じゃないと名誉棄損になってしまうかもしれないです(笑)



だから、ここからはあくまで「仮説」でしか話しません。
仮説だったら、全く問題ないと思います。
仮説の裏付けをするために質問したのですから、もともと僕が考えていた事です。



流石に教えてくれないよなぁ(笑)



仕方ないよそれはww
それと一つ、僕はこう思います。
ブランドにとって有利となる情報については、おそらく開示可能だと思われる。



つまり、知られたくないから開示しないってことよね。



企業としては、ごく当たり前だから仕方ないけどね(^^;
以下が仮説です。
- 縫製難易度が高く、人件費が上がる
- 新鋭ブランドは新たなチャレンジをしないと追いつけない
- シーム処理の問題
- 劣化しないと購入してくれない(サイクルが低下)



一個ずつ解説していくやで
縫製難易度が高く、人件費が上がる


シルナイロンというのは、シリコンを染みこませたナイロンだと説明しました。
その特徴として、かなりツルツルしているというものが挙げられます。
僕自身趣味でミシンを扱うのですが、ツルツルしていると難易度は跳ね上がります。



給料が同じなら、シルナイロンの縫製は僕自身しません。
実際にシルナイロンは縫製難易度が高いことから、製品コストが高くなるという話もあります。
これからは余談ですが、主に縫製を作業とするアパレル業界は、97.9%が中国からの輸入に頼っている状況です。
テントも同じく、縫製を行うのはほとんど中国。


例を挙げると、日本代表のモンベルや、北欧代表のノルディスクも原産国は中国です。



では縫製を請け負う中国は、自社の製品を作らないの?



そこが怖いところなんですよね


実際、品質も国内ブランドに追いつく勢いで、良質なテントを安価に販売するブランドが増えてきています。
今まで中国に縫製を任せまくって来た国内ブランド。
このまま進めば、中国のブランドに足元をすくわれるかもしれません。



あくまで先のことは読めませんが


中国というのは2000年を超えてからというもの、どんどん技術を向上させてきています。
それに伴い、人件費も向上傾向にあります。
ましてや縫製なんてものは過去の産業になりつつあります。
中国ですら縫製技術者の年齢は40~50歳が平均。
縫製技術者の人材確保のニーズは、これからもっと増加することに間違いはありません。
新鋭ブランドは新たなチャレンジを好む


国内外含め、有名ブランドであれば、ある程度の「名」で勝負ができる。
そして多くの人に、それなりに売れれば大丈夫なはず。



言わば、分母の多いグループに売れればよいのです。
一方で、ガレージブランドや新鋭ブランドというのは、やっぱり目新しさが必要です。
LOCUS GEARでは、全ての製品において、耐水圧や引き裂き強度などの数値だけでは測りきれない「品質」にも着目し、現在入手可能な素材の中からベストなものを使用しています。これらは、世界でも、限られたトップ・ブランドのみが使用を許されている、最もクオリティーの高い素材です
ローカスギア
新素材への着眼・ニーズの開拓・他が参入しづらい所へ目をつけることが多いと思います。


分母の多いニーズ(定番品、扱いやすいもの)を提供するのが大手ブランドとして、小さなブランドは拘りを持つ人たちのニーズに目を向けている印象がありますね。



小さなブランドは、製品の魅力や技術で勝負しなきゃだもんね。
シーム処理の問題
シーム処理中。レッドクリフのおかげで練度上がってるから余裕で塗り塗りしてる。 pic.twitter.com/6CX3ENHn9g
— ぶるもり (@Bluemoris0611) September 23, 2022
シーム部分を自分でやってくれというシステムは、シルナイロン製品におけるもっとも目立つデメリットです。



ルナーソロで僕もやったんや
シルナイロンのテントは、シーリングと呼ばれるノリをぬりぬりしなければならない。
でないと縫い目から雨が漏れてくるのだ。


なんでかと言いますと、ツルツルしているがゆえにシームテープが貼れないから。
工場でシーリング処理なんて出来やしない。
乾かすのに場所も時間もかかるので。



僕はニンジャテントでやったんよ
面倒だったなぁ
そう、これこそ大手ブランドが言い訳のように掲げている問題だとおもいます。



言い訳っていうのは言い過ぎだけどねw
実際、処理を自らやりたいという人は少ないはず。
失敗もしたくないので。
ポリウレタンを扱うブランドは、買ったすぐ使えるというニーズを満たしてくれているのです。



確かに有名ブランドを買う人は、そのへん自分でやりそうにないよね…



逆に、ガレージブランド買うような人は、自分でちゃんとやるっしょ?
こだわりのある人は、シーリング処理くらい喜んでやるのです。
僕はこの二つの違いが大きいと思っています。
(売り手視点)
- 大衆が満足する商品を作り出すか
- ニッチでもこだわる人がちゃんと満足する商品を作るか
①は製品到着よりすぐに扱うことができる。
そのため、品質さえよければほとんどの人が買い求めるでしょう。
②はどうだろう?
これをメーカーの手抜きだと思い、文句に感じる方も少なからずいるはず。
そう、シルナイロンを扱うことは、それなりのリスクがあるという事。
ここでのリスクとは、広範囲のユーザーに不審がられるという事。



多分なんだけど、特に日本人はそのへん敏感だとおもう。



そう思うと、大手国内メーカーは逆にシルナイロンに手を出しづらいのかもね。
ユーザーがポリウレタンで満足するうちは、それを貫いた方が賢明なのかもしれませんね。
市場のニーズ把握は、これ以上僕ら素人が推測できるものではなさそうですね(^^;
ニーモもついにシルナイロンに変更


先ほど表にも参加しましたが、ニーモもシルナイロンに変更していっています。
これは何を意味するのか?



ニーモと言ったら、加水分解で一番有名なテントじゃね?w



そうw
メルカリで何回見ても、安いやつはボロボロしてたw



あのニーモがシルナイロンかぁ…



よほど反省しているのかもしれない
引き裂き耐性・強度・防水性・軽量化等々、、、
他にも理由があるとは思われるので、審議は定かではありません。
ですが、過去に加水分解を連発していたニーモが、ポリウレタンからシルナイロンに変更していったのは事実です。
でしょでしょ〜😎w
— ❦MasaTomo ❦ (@MasanPrado) November 21, 2021
しかし乾燥剤入れていたとはあめんぼさん流石ですね😨
ニーモは加水分解弱いらしいから対策したかったとこに良いものが発売されて助かりました🥺
買って初日に加水分解して返品になったヘキサライト6Pキャニオン⛺️
— イチロク_camp (@16_x_camp) August 3, 2022
最初で最後の📸ワンショット#NEMO#ニーモ#ヘキサライト#2ポールシェルター#キャンプ#キャンプギア#camp pic.twitter.com/3w2XdJmPZg
長年、ニーモは加水分解に弱いと言われ続けました。
ニーモのテントは性能はバッチリみたいですよ、登山でもつかえるテントらしいので、耐水も大丈夫なはず^ ^
— よし (@Ysnbhappy) May 15, 2022
けど、ちょっと聞いてみますw
自分が買ったテントは加水分解しないテントなんで長持ちするらしいです
で、ドラゴンフライは、シルナイロン素材で加水分解しづらいらしい
ニーモのヘキサライト6Pシルナイロン版が出たのか!あのサイズでシルナイロンの2ポールはローカスギアか廃盤のGOLITEくらいしか選択肢なかったからこのコスパなら買いなのでは…https://t.co/znWQogvRkd
— ayumi (@takku69) September 6, 2020
先ほどのツイートで、買って初日で加水分解したと言われるヘキサライトです。
それもシルナイロンにバージョンアップしています。



ニーモにも聞いてみたいけど…
ブログに載せるなって言われるのが怖くなっちまった…w


とはいえニーモも、新型となったホーネット等には「片面シルナイロン」を採用しています。
ポリウレタンコーティングにも、何か採用する利点があるものとも思われます。
防水性を維持しながら軽量化等の理由でしょうか?
ここもニーモから明確な回答が得られませんでしたので、僕らユーザーは推測することしかできませんね。
環境への配慮を考えるなら…


例えばこのようなシリコン素材でできたトレイ。
他にもスプーンや鍋掴みなどが挙げられます。
これらはプラスチックと違い、劣化しづらく半永久的です。
プラスチック製品は、使い捨てかそれとも数年で劣化しているのを見たことがあるでしょう。
別にこれは、食器だけの問題と考えていません。



コンビニのスプーンだとか



風化してぼろぼろに放置されたプラ植木鉢とか
僕は、テントにおいても同じ。
安く作れるからといって、5年で悪くなるポリウレタン製品を作りまくるのはどうなのか?
大げさな話、SDGsが取り上げられる昨今です。
耐年数が高い製品を作ることはメーカーの責務。
そう考えたりもします。
ユーザー目線ではシルナイロンは悪くないのか?


製造側・販売側からの立場で言うと、シルナイロンを採用するリスクやデメリットがあることは分かりました。
長期的に見ると、環境には良いことが予想されます。
では、ユーザー目線からして、シルナイロンのデメリットは無いのか?
デメリットは2つあります。
シルナイロンのデメリット①


つるつるなこと。



特にエアマットとの組み合わせは、結構滑る



・・・で?
っていう感じですがね(笑)
すぐに許容できます。
シルナイロンのデメリット②


やっぱりちょっと高い。



ポリウレタンと比べれば、ですね。



中華シル<モンベルポリウレタン
だけどね。
ヒルバーグほど高くはないですが、やっぱりポリウレタンよりは製造コストがかかるのか、ちょっと高い。
ですが、安くて有名なモンベルよりも安いシルナイロンテントは、今やAmazonにすら大量販売されています。
ゼログラム・モビガーデン・3F UL GEARといった、高品質で安いテントもたくさんあります。


シルナイロンだから高い、というわけではなさそうですね。
まとめ
以上の事実や仮説をもとに、自分なりに結論を出しています。
- 劣化を考えるとシルナイロンという選択
- 強度を考えるとシルナイロンという選択
- 価格で選んでもシルナイロンで満足
- 環境を配慮してシルナイロンを選びたい
- 後はシーム処理を自分で行うかどうか。
はっきり言いまして、これからの時代ポリウレタンコーティングという選択肢は無いと考えています。



ちょっと大げさかな?
(長く使いたいなら)ですね!
劣化しやすいフライシートが使われたテント。
それを誰が中古で買いたいでしょう?



捨てるしかないですねぇ
企業のリスクや負担は、ユーザーが負う責任ではないと思っています。



環境にやさしくて、品質が良ければ我々は満足です。
もちろん、登山を本格始動するかもわからないのに、いきなりヒルバーグのような高級品を買えとは言いません。
初心者なのに、ガレージブランドの軽量テントをオススメするわけではありません。
ですが、30~60分で終わるシーム処理さえ許容できれば、はっきり言ってシルナイロンのデメリットは皆無です。
出来れば長く使いたいと思うテントです。
本気のテント選び、じっくりと考えてみませんか?
僕は今後、ポリウレタンコーティングのテントについて、考え直すことでしょう。



後半はちょっと過激になっちゃったね(^^;



最後まで見てくれてありがとうね!