欲しいテントにこだわりはありますか?
山岳テント最安定と言われるモンベル。
同じく語られるアライテント。
キャンプならばどうだろう。
コールマン? スノーピーク??
いやいや!
人と違った、カッコいいテントが欲しいんや!!
こんな思いを持った方たちが、MSRのテントを探していることかと、僕は思っています。
どうも!
アバウトドアです!
今回は、MSRのテントについて。
登山用テントと、キャンプ用テントに分けて紹介してきます!
とはいえ、普通に紹介しても面白くありません。
せっかくMSRのテントを探している方ですので、どうせなら素材の違いや公式サイトにすら載っていないことも含めて、知りたくありませんか??
フライ素材の加水分解について、なんてのも気になるところかと思います。
そこで!
主に2つの素材を深堀りしました!!
軽いネタバレですが、こんな感じです!
- フライ素材は加水分解に強くなった?
- (ポールについて)DACを超える耐久力?
では!
まずはMSRのテントを知るために、素材の深堀りから行きましょう!!
フライ素材に注目【加水分解を克服せよ!】
前提としてMSRテントには、4種類のフライシートがあります。
そして結論として、加水分解しないフライもありました。
「できるだけ長持ちしてほしい!」
「加水分解してほしくない!」
こんなニーズをお持ちの方は、一旦整理して頂けると、後半のテント紹介がスムーズに理解できるかと思います。
タイプ1(高価)
エクストリームシールド&シリコン
- ハバハバシールド
- フロントレンジ
- アクセス
タイプ2(安価)
ポリウレタン&DWRコーティング
- エリクサー
- リモート
- ハビスケープ
- ハビチュード
タイプ4
デュラシールドポリウレタン&シリコン
- フリーライト
タイプ3(特殊)
防水透湿素材(シングルウォール)
- アドバンスプロ
エクストリームシールドポリウレタン
シリコンコーティングと合わせて使われている、裏面のPUコーティング。
簡単に言えば、今までのポリウレタンコーティングの、3倍持ちするフライシートです。
MSRと言えば加水分解。
そんな印象がついてしまうほど、今までのテントは加水分解に弱い印象でした。
それも5年前くらいの印象で、今は改良を重ねて加水分解はどうやら克服しているようですね。
以下は公式サイトの言葉を借りています。
レインフライとフロアには、エクストリームシールドシステムを採用しています。この新しいコーティ
モチヅキ総合カタログ2023
ングは、従来の標準的なコーティングと比較して約 3 倍長持ちします。
正確で耐水性が高い縫製によってシームテープをなくし、経年劣化によってシームテープが剥離するトラブルを解消すると同時に軽量化にも貢献しています。
モチヅキ総合カタログ2023
海外MSRのオフィシャルサイトいわく、水を含んだ縫い目が膨張し、自動的に穴を塞ぐシステムとのこと。
それでシームテープ不在でも大丈夫なわけですね。
両面シルナイロンのテントは多いですが、そのほとんどの製品が「シーリングは自分で行ってください」とされていますよね。
どうやらエクストリームシールドは、シームテープ不在かつ、シーム処理も不要。
つまり、加水分解による剥がれと面倒の両方を、一気に解消したことになります。
下記で紹介します、シリコンコーティングよりも優れたシステムかもしれませんね。
高価になるためか、使用されているモデルは下記のみ(シルナイロン同様)。
- ハバハバシールド
- フロントレンジ
- アクセス
シリコンコーティング
最近一気に流行り始めた、シリコンコーティング、いわばシルナイロン。
従来のポリウレタンコーティングのような加水分解による剥がれは無く、経年劣化をほとんど気にしなくて済むようになりました。
引き裂き強度もPUコーティングより優れており、中華ブランドも上位モデルにのみ、シルナイロンを使うようになりました。
UV耐性も高いため、フライシートに用いられることがほとんど。
MSRのテントでは、片面をシルナイロン、片面をエクストリームシールドとしている製品となります。
- ハバハバシールド
- フロントレンジ
- アクセス
デュラシールドポリウレタン
デュラシールドポリウレタンは、フライ素材にはフリーライトのみ、もう一つリモートのボトムに使用されていました。
デュラシールドポリウレタンについての詳細は掴めませんでしたが、「デュラシールド」というのは、車のガラスコーティング系に使われているものかもしれません。
空軍も使用しているコーティングで、おそらく撥水性に長けているため採用されたと考えられます。
ただ、ポリウレタンとされているので、前述のエクストリームシールドよりは加水分解に気を使った方がいいかもしれません。
DWRコーティング
多くの GORE-TEX および一部の GORE-TEX INFINIUM™ プロダクトでは、一番外側にある生地に非常に薄い耐久性のある撥水 (DWR) 加工が施されています。DWR は生地の表面張力を下げることで水を弾き、水が水滴となって転がり落ちます。
GORE-TEX
MSRのテントの中でも、安価なモデルに使われているDWRコーティング。
何のことか分からなかったので、調べてみました。
Durable Water Repellentの略で(DWR)
Durable(耐久性)
Water(水)
Repellent(寄せ付けない)の意味。
要するに、普通の耐久撥水です(笑)
片面はポリウレタンコーティングが施されているので、表面を耐久撥水、裏地は従来のコーティングという意味でしょう。
加水分解への配慮(乾燥・管理等)が必要かもしれませんね。
ポール素材に注目【イーストン製・サイクロンポール】
イーストン?
サイクロンポール?
聞きなれませんよね。
実はMSRのテントは、DAC製ポールも使われていますが、より上位のテントにはイーストン製が使われています。
ここではMSRの上位4種のテントに使われている、イーストン製ポールについて、簡単に解説をしていこうかと思います。
とりあえずDAC製
もちろん悪くないです。
なんなら、99点のポールです。
ですが、MSRではイーストン製が多く使われているので、DAC製は以下の一つのみ。
- フリーライト
イーストン製のサイクロンポール
イーストン製のポールは、MSR上位モデルのテントで使われていました。
- ハバハバシールド
- アクセス
- リモート
- アドバンスプロ
よく「DAC製は良い」とされていますが、実は昔は結構イーストン製が使われていたらしいです。
なぜDACが多く流通しているかというと、イーストン製は価格が高いからDACに取って代わられたとのこと。
今でも、極地用のテントについては、DACではなくイーストン製(もっぱらサイクロンポール)が使われています。
このテントのように、よりクラスが上のテントに、イーストン製が使われているんです。
傾向からすると、DACよりイーストン製のほうが強いと言えそうですね。
ちなみにですが、僕のモンベルステラリッジ。
ステラリッジのDACポールは、強風で僅かですが曲がりました。
ショックコードもイーストン製のほうが耐久性が高いとか。
ガレージブランドのポールとしても使われています。
7000シリーズアルミ
その他、安価なテントには7000シリーズアルミという名称で登録されていました。
- エリクサー
- ハビスケープ
- ハビチュード
アルミというのは、4桁の数字で何を混ぜているかが分かるようになっているそうです。
ここでは割愛しますが、7000シリーズというのは「アルミニウム亜鉛マグネシウム合金」とのこと。
つまりは、アルミに亜鉛とマグネシウムが混ざっていますよ!
ってこと。
さんざん割れると言われてきたiPhoneが、6sで進化させてきた7000シリーズ。
まあ、テントのポールとして使っているものなので、悪いものではないのは確かです(笑)
要するに、DACとかイーストン製を使うと高くつくので、独自素材を使っているのだと考えられます。
ではここから、MSRのテントを紹介していきます!
ハバハバシールド
ハバハバシールド1 | |
---|---|
最小重量 | 950g |
総重量 | 1,110g |
フライ | エクストリームシールドポリウレタン & シリコンコーティング |
ポール | イーストン製 |
フロア | エクストリームシールドポリウレタン & DWR コーティング |
価格 | 88,000円 |
MSRを代表する山岳テントにして、多くの登山者の憧れであろうテントです。
数年前まで「加水分解代表」的存在だったのに、改良にて汚名返上に至りましたね(笑)
ポールも耐久性に優れまくった、イーストン製というのもそそられます。
価格は高く感じますが、イーストン製ポールを使用したテントのうち、僕の知る限り最安値。
海外ではHubba NXとして売られている、日本向け山岳テントがハバハバシールド。
NXはメッシュですが、ハバハバシールドは非メッシュ。
そして重要な点としては、Hubba NXのフライはデュラシールドコーティング。
シルナイロン&エクストリームシールドではない点に要注意です。
おそらく米国は、そこまで加水分解に気を遣う必要がないのでしょうか?
いずれにせよ、日本向けをちゃんと買った方がよさそうです。
横開きの入り口というのも、前室が広くて非常に使いやすいです。
縦穴式は狭い山岳には有効ですが、それ以外は横穴のほうが景色的にもキッチン的にも楽しいですよね!
2は2人用。
最小重量は1300gです。
フリーライト
フリーライト1 | |
---|---|
最小重量 | 740g |
総重量 | 890g |
フライ | デュラシールドポリウレタン & シリコンコーティング |
ポール | DAC NFL 8.7mm |
フロア | デュラシールドポリウレタン &DWR コーティング |
価格 | 77,000円 |
MSRの自立式テントのうち、最軽量がフリーライト。
自立と言っても、片側は半自立式テントになります(2か所ペグダウン要)。
個人的には大好きですが、フリーライトはメッシュインナーかつ、フライがギリギリまで削ぎ落された形状。
ゆえに冬場は寒いです。
逆に言えば、風通しが良好ということ。
夏場はもちろん日中から快適。
晩秋には結露への耐性もバッチリな感じです。
3シーズン&晴れ想定がメインであれば、個人的にはメッシュテントは抜群の選択肢。
軽量テントは高くなりがちですが、DACポールを使うなどして価格は抑え気味。
(とはいえ高い)
2人用にして、ハバハバと同価格。
最小重量910gと、これまた軽い。
エリクサー
エリクサー1 | |
---|---|
最小重量 | 1,780g |
総重量 | 2,160g |
フライ | ポリウレタン &DWR コーティング |
ポール | 7000シリーズアルミ |
フロア | ポリウレタン &DWR コーティング |
価格 | 42,900円 |
ギリギリ登山に持っていく気になるかな…
という温度感の、エリクサーです。
ソロキャンプであれば、間違いなくエリクサー。
というのも、使っている素材はナイロンよりも強度の高いポリエステル。
そして厚みも、ハバハバの3倍以上(デニールにして)。
なるべく軽量化をするために、ギリギリの強度を求めた価格倍増に対して、エリクサーは程よくまとまっています。
バチクソ風が強い稜線でも無ければ、サイクロンポールの出番もありません。
涸沢や関東の山程度であれば、7000番アルミポールで十分のはずですね。
エリクサーは良い色が選べるのが嬉しい所。
正直この色だけで、ハバハバよりこっちを選びたい感まであります(笑)
ソロキャンプとして、大きさにややゆとりが欲しいならエリクサー2をどうぞ。
フロントレンジ
フロントレンジ | |
---|---|
最小重量 | 740g |
総重量 | 910g |
フライ | エクストリームシールドポリウレタン & シリコンコーティング |
ポール | ストックを代用 |
価格 | 66,000円 |
ストックを使用した、MSRのワンポールシェルターテント。
思ったより内部は広く、高さ的にも快適な野営が出来そうです。
さすがMSR。
使い方としては、最初の画像のように積雪期用なのですが…
残念ながら(?)
日本国内ではキャンプ用として、思いがけぬ人気に(笑)
そりゃそうですよね。
雪に映えるカラーリングのオレンジは、キャンプ場でもめちゃくちゃ映えます。
おまけに目立つ場所にMSRのロゴ。
自慢してやりたくなるのも、無理がありません。
使用している素材に関してはも、エクストリームシールド&シルナイロンなので、買ってしまえば一生モノ。
カラーもオレンジとモスグリーンの2色。
うーん、、、どっちもカッコいくて迷う。
ちなみにですが、バグシェルターは別売り。
両方買った時のおサイフは…
考えるのはよしましょう(笑)
アクセス
アクセス1 | |
---|---|
最小重量 | 1,370g |
総重量 | 1,600g |
フライ | エクストリームシールドポリウレタン & シリコンコーティング |
ポール | イーストン製 |
フロア | エクストリームシールドポリウレタン &DWR コーティング |
価格 | 121,000円 |
さて、ここからマニアックなテントに入ってきます。
アクセスは、ハバハバのガッツリ冬版といった位置づけでよろしいかと。
ただでさえ強いサイクロンポールは、十字に組まれていかにも雪の重さに耐える構造。
もちろんインナーは非メッシュで、耐風性と耐寒性に優れそうですね。
フライは同じくして、フロアの厚みをハバハバよりやや厚めに。
おそらく雪面からの耐水性を増やしています。
そのため重量はやや向上。
価格も…
リモート
リモート2 | |
---|---|
最小重量 | 2,950g |
総重量 | 3,160g |
フライ | ポリウレタン &DWR コーティング |
ポール | イーストン製 |
フロア | デュラシールドポリウレタン & DWR コーティング (耐水性10,000㎜) |
価格 | 154,000円 |
もっとすごいのが来ましたね(笑)
アルプスの要塞とも呼ばれる、完全に海外登山用の製品でございます。
僕もいつか、縁があるときは来るのだろうか?
フロアの耐水性は10,000㎜
フライは68デニールと、超耐久。
ちなみにですが、リモートは業界で初めてサイクロンポールを採用した製品とのことです。
カンガルー式に近い形状で、中はかなり広め。
8000m級のテントと言えば、結構な重量になることもしばしば。
軽量を求めつつも、快適性と爆風に耐えうるテントを作るために、MSRがアレコレ考えたいきさつが載っています。
逆に言えば、そんなテントにしては案外安いモノな気がしてきました。
アドバンスプロ2
アドバンスプロ2 | |
---|---|
最小重量 | 1,300g |
総重量 | 1,460g |
フライ | 20D (2 レイヤー透湿性)耐水圧 1,000mm |
ポール | イーストン製 |
フロア | エクストリームシールドポリウレタン &DWR コーティング |
価格 | 143,000円 |
こちらもヒマラヤ山脈だとかの8000m級が対象となるテント。
さすがにニーズは限られてくるとは思いますが、面白いので紹介します(笑)
特徴的なのが、シングルウォール&防水透湿という素材です。
なるべく軽量だとしても、寒すぎる環境で結露してもらっても困ります。
凍ればそれは、水分による重量増加ですし。
なぜ極地のテントなのに、こんなにシンプルなのかと言いますと、
僻地に設営できる形状だということ。
そう考えれば、日本の雪山でも使い勝手は良さそうです。
厳冬期の槍ヶ岳だとか、穂高の稜線でキャンプするなら、アドバンスプロ。
選択肢に入ってくるかもしれませんね。
一応小さいですが、二人並んで寝るようにできています。
ハビスケープ4/6
ハビスケープ4 | |
---|---|
最小重量 | 5,400g |
総重量 | 5,760g |
フライ | ポリウレタン & DWR コーティング |
ポール | 7000シリーズアルミ |
フロア | ポリウレタン & DWR コーティング |
価格 | 88,000円 |
ハビスケープは、MSRのファミリー向けキャンプ用テントです。
後述するハビチュードより遅く生まれた、弟的な存在と考えると分かりやすいですね。
大きさ・素材はほとんど同じくして、細かい要素が付与されたのがハビスケープ。
こんな感じに、ポケットが付いたりしました。
もう一つ違いがあるとすれば、次のハビチュードのフロア耐水性が10,000㎜に対し、ハビスケープは3,000㎜。
フットプリント(グランドシート)を何かしら用意するかと思いますので、ここは重視しなくてもいいかと思います。
ハビチュードより若干改善ポイントがありつつ、ハビチュードより一回り安価。
個人的にはハビスケープ。
とはいえやっぱり価格は高いです。
コールマンやスノピでええやん?
と、思ってしまえばそれまで…(笑)
山岳テントを作り続けたMSRの技術力は確かなものなので、それらより品質が良いのは確かです。
MSRというブランド、独特なカラー、ブランドコンセプト…
それらを加味して、欲しい!と思う方が買うテントかなぁ、と、思ったり。
ハビチュード4/6
ハビチュード4 | |
---|---|
最小重量 | 5,440g |
総重量 | 5,750g |
フライ | ポリウレタン & DWR コーティング |
ポール | 7000シリーズアルミ |
フロア | ポリウレタン & DWR コーティング |
価格 | 94,600円 |
先ほども触れましたが、ハビスケープの兄貴的存在。
兄貴なので、色はちょっと濃い目。
コンセプトは、親になった冒険家のために作られたテント。
おま、なんて言い方するんや…
思わず僕が出てきてしまいました。
失礼しました。
もともとMSRのテントを欲しがる人なんてのは、僕たちアウトドアに精通してきた人でしょう。
コールマン?
スノピ?
違うね!
僕たちはホンモノのアウトドアマンなんだ!キャンパーなんだ!
アバウトドアマンなんだ!!
そんな僕たちがパパになったとして(パパになった人だとして)、親になった冒険家のために作られたテントだなんて…
おま…
MSRはおそらく、僕たちの心に存在する、非常に不合理な帰属意識に働きかけているのでしょう(笑)
僕がパパになったら、多分これにしますww
パパ、頑張って働いてくる。