クライミングファーストインプレッション【御在所岳前尾根】

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御在所岳前尾根クライミング
2023.11/12

「前尾根、行くかい?」

ぼくのLINEに山の人からのメッセージだ。

遂に来たか。
7年前、初めて御在所岳に登った時に知った裏の世界、界隈では有名なことだけは知っていた。

だが自分との関わりは無いだろうと、そう思いながら生きてきたぼくにとって、この誘いはある意味では落ち着かず。

裏を返せば7年間、ずっと憧れてきた面もあるのだ。

「行きます!」

ぼくは即答で、前尾根行きを決めた。

出発はAM5:30、この日の予定は15:00に下山予定。

西から迫る雲から逃げるように、行程を進めていかなければいけないのだ。

11月半ばの朝は遅く、おまけに張り出した低気圧が厚い雲をつくり、白み始める空すら見えない。

どんよりとした天気は苦手だ。今日の前尾根への緊張感と相まって、どことなく不安を煽ってくる。

裏道コースの谷沿いを上がり、明るくなり始めた空と共に現れたのは、今まで見たことの無い御在所岳の山容だ。

ぼくはこれからアレのどこかを登らなければならない。

どこか、というのは全くルートを知らないから。予習は前尾根の難易度を見てきたくらい。

岸壁が近づくにつれ、だんだんと緊張してきた。

最初に取りついたのは、P7下部の岩。

どうやらクライミングでは、上から数えてP1,P2…と増えていくらしい。

そんなことすらまだ知らないぼくは、3番手で課題をクリアしていくのみだ。

それにしてもここ、P7下部の最初の岩が怖い。

傾斜はそこそこあるので、足はかかるし手もかかる。

だけど余裕で乗り込めるような足場ではなく、安心して手を預けられるようなガバも無い。

トラバース気味に進む大岩は、いきなりにしては高度感と不安定感のレベルがそれなりにあるのだ。

あア!

怖い!!

怖いぞ!!笑

「ロープに完全に頼ってみろ!」

ビビったぼくに先輩らは言う。

2回3回と深呼吸をし、恐る恐るロープに体重を預けてみた。

それでも何となく怖いのは、ロープのせいじゃあないだろう。

懸垂下降と違って、クライミングは登るもの。

最初から頼り切る下降と違って、落ちないように登ろうとする行いそのものが、落下の不安を想像させるのか。

P7【V】

実はさっきの大岩と、ここP7が本日の核心。

そう聞いたことで安心したのか、それともいとも簡単に慣れたのか。

いつも通りの動きすら再現すれば、これらの岩は、自分の力量の手におえることが分かり始めた。

いつの間にか、高度感すら楽しめるように。

これぞぼくの適応力と言えばいいのか、それともお調子者なだけなのか。

P4 グレードⅢ

クライマーの難易度というのは、先頭と後続で結構変わってくるものだ。

落ちてもその場でロープが止めてくれる後続は楽だ。

目の前の状況と、手足の感覚に注目さえすればよい。

対してリードは異なる。

上から確保してくれることは無いので、何もせず落ちたら下までイッキだ。

そうならないために、クラックにカムデバイス、ハンガーにヌンチャクと、自分で選んだ場所とギアで確保していく必要があるのだ。

それでもミスればそこそこ落ちる。

緊張感は数倍。

ゆえに高揚感も数倍だ。

ぼくの初リードは、ここP4の長いルートを挑戦。

確保なしでも行ってしまう人は行ってしまう、レベルⅢの場所である。

P3

時刻は正午ほど、低気圧が到来したのだろう、グッと冷え込み師走のような寒さに。

クライミングというのは待ち時間が長い。

いつもは2時間ほどで登れる御在所岳も、一日がかりでも登頂できないのだ。

それでも確かに登っていることは、下を見れば明らか。

朝に通った谷の道は、いつもの登山よりも低く感じる。

それだけクライミングは、登ったという事を、ちゃんとハッキリ認識するのだろう。

クセになりそうだ。

P3も長いルート、難易度こそ高くはないが、後半の高度感は一人前。

だんだんと怖さすら楽しさに変わり始めた頃、集中力にも火が付いた。

ボルダリングには無い動き、なんとなく凄いビデオと、なんとなく凄い人たちからの話で知っていただけ。

クラックに手を突っ込み、膨らませることで摩擦を効かせる。

ジャミングだ。

これにはこの日一番に、心が高揚した。

掴むでも乗るでも無い、花崗岩の割れ目に手を腕を、肩まで入れたって良い。

入れるほどに、摩擦が効く。

手が足が安定している感覚、筋力にも余裕があることも分かる、気持ちも高ぶっているのも分かる、それを内観しながらさらに集中できる。

ビビッてヒリついているだけでは、この感覚は得られない。

ただ単に胃がフワフワするだけ。

家にいてNetflixを見ていたって、感情に緩急は付けられない。

自分の身体能力の範疇で、適切なヒリ付きと集中力が掛け合わさってこそ、行為に入り込める。

あいにくぼくにはちと簡単すぎたようなのか、それとも上で喋っていたコイバナのせいなのか。

あとちょっとの所で課題は終わってしまった(笑)

数年前まで人生とは無縁だと思っていたクライミング。

やはり動いていると機会には巡り合うもんだ。

ぼくは山で死ぬつもりは毛頭ないし、死にたくもない、怪我もしたくない。

だがどう考えても自分と合っていると認識してしまったクライミング。

やれられどうしたものか。

この遊びとこれから共存していかなくちゃあならないな。

いろいろ画像

今回写真はtbs0412 mcdulltingtingting の二人から頂きました。

リードは落ちると確保の2倍の距離で落ちることになる。

後続よりも集中力が試される。

毎度毎度ロープがこんなになってしまうので、そりゃあ時間もかかるわさ。

周囲には沢山遊べるような岩が。

どうりでクライマーのメッカだとかいわれるわけだ。

確保されているとはいえ落ちたくはない。

ロープにしがみつきたくなる気持ちも、よーくわかる(笑)

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