ピピッ!
4時に合わせた目覚ましを、ちゃんと無視せず起床する。
ステルスキャンプだ、人に見られずその場を汚さずゴミを拾って立ち去る。
これがポリシーとでも言おうか。
…何をかっこつけてるんだ。
一つ目の出会い
とんでもなくトイレがしたかった。
公園でまさか野〇をする訳には行かないので、近くの妹背牛駅まで自転車を向かわせる。
…間に合った。
しばらく休んでいると、話しかけてくれたおじさんと仲良くなる。
おじさんはなんと僕を家に招き入れてくれたのだ。
あらあら♡
美味しそうな朝ごはん!
さっき米1合とステーキを食べましたが関係ありません。
こんな朝ごはんが一番沁みるのです。
あらあら、メロンまで♡
あらあら…、あ、あららららら??
お土産もどんどん頂きます。
昨日お米を買ったばかりですが関係ありません!
頂けるものはありがたく頂く! それが僕のポリ(ry
孫のちびっ子も2人来てくれ、学校に行く前にちょっとだけ仲良くなれた。
「お兄ちゃんは仕事はー?」
「無職です!☆」
「お風呂はどうしてるの??」
「3日に一度です!☆」
「自転車でくるのー??」
「そうだよ!!」
くれぐれもこんなおじちゃんにならないように笑笑
結局洗濯に風呂まで入らせていただきました。
とっても居心地よく、親切にしてくださったお二人。
名残惜しくもここを離れます。
でないとあまりの居心地よさに、このまま一泊していってしまいそうです。
スーツ姿のオジサマは、まさかこの町の町長さんとは思ってもみませんでした。
面白い出会いもあるものです。
スーツ姿のかっこいいおじさまを見送り、僕も後に続きます。もし、僕がトイレを催さなければ、この出会いは無かったでしょう。
出会い、そして招き入れてくれた夫妻に感謝です。
また逢いに来たいなぁ。
そんな人達が増えてしまいます。
二つ目の出会い
道中にお馬さんを発見、力強い容姿をしているが、道産子だろうか?
さて、今日は行きたい場所があります。
岩見沢にある林農園です。
初日に立ち寄った農園で、トマトを食っていたらご飯をお呼ばれしてしまった農園、そこに利尻山登頂と宗谷岬到達の報告をしたいのです。
そんな道中は、向かい風&日本一の直線道路。
29.2㎞の直線は骨が折れます。
道中の道の駅で大学生と出会います。
彼の名はKAN君、同じ岐阜出身だそうで、まさかの地元トークで盛り上がる。
これから彼は一人で宗谷岬を目指すのだそう。
今日は人と多く会えるので、楽しい一日である。
1度コンビニにゴミを捨てに戻った彼、対向車線で手を振り何か叫んでいる。
「岐阜でまた会おう!!」
嬉しい一言だ。
「おう!!」
同じ趣味を持ち楽しみに来ている人達だ、すぐに仲良くなれるってもんだ。
再開と訪問
林農園に立ち寄る。
誰もいないので、ベルをおす。
…
「あらあらぁ、元気だったー??」
家にはおばあちゃん、畑に林じいちゃんさんがいらした。
僕が走ったルート、10日間の思い出を楽しそうに聞いてくれる。
そしてまたもや電話で、Aさんに連絡をしてくれる。
「もしもし?彼がまた来てくれたんだけど、今日泊まって行ける??」
「!?」
なんと、そのままAさんのご自宅で一泊させて頂くことに。
10日以上も前の事なのでもう一度紹介するが、Aさんは山岳で有名な著者、山と渓谷社で雑誌もだしている。
そして明日明後日は、N〇Kの仕事だそう。
…やはりやばい人だ。
その後自宅に招かれる。
道中、景色がすごく綺麗だ。
沈む夕日と輝くススキ、景色がいいと旅の素晴らしさが倍増する。
そして思う
「こんなのどかなところに居るのか!!?」
Aさんは忙しいので、ありがたいことに、僕に仕事も与えてくれた。
じゃがいも掘りだった笑
僕にとって芋ほりは報酬のようなものである。
収穫するの、楽しいじゃないか!!
Aさんの家は木造塗り壁、家の中まで大好物です。
先に入らせていただいた風呂はまさかのヒノキ。
窓を開けると涼しい風が入り、虫の鳴き声が心地よく聞こえる。そして香る木の甘い匂い。
「もうここに一生います!」そんな気分になってくる。
ルイベ
風呂を上がると夕食の準備だ。
畑で取れたトマトやニンニク、そして買ってきてくれた魚たち。
極めつけはニシンのルイベという食べ物。
滅菌のためにも冷凍したニシンを、半解凍の刺身でいただく。
これをアイヌ的にルイベというらしいが、どうやら昔の漁師メシだそう。
これが抜群にウマいのである。
舌触り滑らかな上質油がほぐれてゆき、舌の奥で旨みをしっかりと感じる。
Aさんの仕事(山)の話、キノコの話、農家の話で夜中まで盛り上がる。
半分以上はキノコ話で壊れるくらい笑った覚えがある(酒を飲んでいた)。
そして、広い屋根の居室で、広々と布団を敷いておやすみなさい。
道の駅のベンチから、ここまでの出世とは涙が出そうだw
2022.8.22
走行距離:約80㎞